AirレジとSquareレジの比較

この記事は2019年9月29日時点での比較記事です。クラウドレジなどのクラウドサービスは日進月歩でバージョンアップや仕様変更が行われますので、最新・詳細な内容は必ずご自身で確かめてください。

無料クラウドレジ

Airレジはリクルート、Sauareレジはスクゥエアが提供するクラウドレジ(タブレットやスマートフォンなどの端末をレジ端末に見立ててレジ機能を提供することから、タブレットレジとも言われています)です。今回この解説記事では、実際に使っている事業主様からいただいたご意見やご質問を元に、実地検証して比較してみました。

実際に比較してみると、お店の運営方法や提供する商品などでどちらを選ぶべきか、随分変わってきますので、これから導入を検討されている方はぜひ参考にしていただければと思います。

導入費用や運用コストの比較

項目 Airレジ Squareレジ
レジ導入費用 無料 無料
タブレット 別途購入
2020年3月31日までは「消費者還元事業」による無償貸与あり
別途購入
レシートプリンタ 別途購入 別途購入
キャッシュドロワ 別途購入 別途購入
運用コスト ネット環境は別途用意 ネット環境は別途用意

どちらも元から「無料」と謳っているだけに、レジ機能そのものは無料です。ただ、レジ機能を利用するための機器やネット環境は自前で用意する必要がありますのでご注意ください。

キッチンプリンタの違い

正確にはエアレジ・スクエアレジどちらも「オーダーエントリーシステム」と表現しています。オーダーエントリーシステムとは、お会計の時にレジで行う作業ではなく、以下のようなものです。

  • 客席などでモバイル端末を利用して注文を入力する
  • 入力した注文が、本体(レジのところに置いてあるレジ用タブレット)へ即時にデータ転送される
  • 同時に、厨房などしていしたプリンタへ「注文内容」としてレシート印刷が行われる

特に、テーブルや席数の多い飲食店様などではぜひとも利用したい機能ですが・・・

項目 Airレジ Squareレジ
オーダーエントリーシステム 別途有料 標準装備(無料)
オーダー用端末 別途購入(iPad、iPodなど) 別途購入(iOSでもAndroidでも可)
キッチンプリンタ 別途購入 別途購入

この部分は大きく違いが出ます。

Airレジはオーダーエントリーシステムは別途有料なのに対して、Squareレジでは無料で利用できます。

※ただし、Squareレジでオーダーエントリーシステムを利用する場合キッチンプリンタは有線LANまたは無線LANに接続できるプリンタが必要です。クラウドレジ用に紹介されているレシートプリンタの殆どが「Bluetooth接続」によるワイヤレス接続です。これらのプリンタを購入してもオーダーエントリーシステム用のキッチンプリンタとしては利用できませんのでご注意ください。(←Airレジで有料利用した場合も同様)

店舗運用上の違い

実際のレジを打ってお会計する際の違い。

項目 Airレジ Squareレジ
商品値引き(割引)
  • 商品ごとに値引きできる
  • 「値引率」「値引き額」どちらでも値引き可能
  • 商品ごとに値引きできる
  • ただ、あらかじめ値引き額・値引率などを設定する必要がある
総額に対する値引き(割引)
  • 値引き可能
  • 「率(%)」「額(円)」どちらでも可能
  • 予め設定しておいた値引率・値引き額を一発登録できる(キャンペーン時の一律20%割引、とか誕生日月500円割引、とか)
できない(「個別精算」機能を応用して、お客様のお支払額を調整することはできますが・・・)

 

実際のお会計時の機能・仕様については、Airレジの方がフレキシブルに対応できるようになっています。
Squareレジは「各商品の売上を記録する」という考え方で設計されているためか、会計時に「端数を切る」とか「特定の商品だけ任意の値引きをする」みたいなことがしづらくなっているようです。

↑この点の違いは、小さなお店の運営の場合「従来のお店の会計方法や接客対応方法」も含めて変えていく必要がありますので、単に「レジをクラウド化する」だけではなく「お店のやり方もこの際検討する」ということになりますね。

データ活用の違い

お店の現場ではなく、売上の記録などをデータ化して活用する際の機能も大きく異なっています。

項目 Airレジ Squareレジ
売上の集計(画面上)
  • 集計可能
  • 商品別・カテゴリー別・期間(日付や月)別などで集計してグラフ化できます
  • 集計可能
  • 商品別・カテゴリー別・期間別などで集計してグラフ化できます
売上の集計(データエクスポート)
  • 可能
  • CSVファイルでダウンロードすることが出来ます。
  • 可能
  • CSVファイルでダウンロードすることが出来ます。
顧客情報の管理(画面上)
  • 可能
  • 顧客名・電話番号・生年月日・性別・住所・メールアドレス・メモなどを登録・確認可能
  • お客様別の売上履歴なども集計可能
  • 可能
  • 顧客名・会社名・電話番号・住所・メールアドレスなどを登録・確認可能
  • また「カスタムフィールド」というユーザー独自の項目を追加して管理する古賀とが出来る
  • お客様別の売上履歴なども集計可能
顧客情報の管理(データエクスポート) 出来ない 画面上で表示できるものはすべてCSV等のデータでエクスポート可能

 

売上記録やお客様情報の記録など、データの管理に関する点では、圧倒的にSquareレジに軍配が上がります。
Airレジは売上データの集計やエクスポートは実際のお店で使いそうな情報をすべてダウンロードできますが、顧客情報は画面上のものをデータとしてダウンロードすることが出来ません。(裏技的に一部の情報をダウンロードすることは出来るようですが)
その点、Squareレジは基本的に「画面で表示できる情報はすべてダウンロードできる」と思っていて良いくらい、かなり多彩な情報をダウンロードできます。

総評

ここからは、弊社独自の感想です。

実際の小さなお店でこれらクラウドレジを運用するという場合、それまで使っていた「メカレジ」から変わるわけですから、必ず何らかの「レジ操作」「会計手順」が変わります。
その点つまり「どこかが必ず変わる」という点ではAirレジもSquareレジも同じようなものです。

ただし、実際のお店での運用を考えると、レジ・会計の運用上で、より実情に沿っているのは「Airレジ」だろうと思います。
個別の値引きが出来る・出来ないの違いは大きいですね。

一方、データの活用という点では、「Square」レジが圧倒的におすすめ。
登録してある顧客情報をCSV(≒Excel)活用出来るというのは、お店の管理というよりお店全体の運営・顧客コミュニケーションなどの観点からどうしても必要になると思います。

お店でのレジ・会計のやりやすさで取るなら「Airレジ」、お店の経営上の利点や成長の可能性を取るなら「Squareレジ」、といったところでしょうか?

なお、今回は「無料で使える」という前提のクラウドレジで比較しました。
スマレジ・YUSENレジなど、有料版のレジの場合、上記の「店舗運営」「経営活用」どちらも十分対応できるものが探せる可能性があります。

クラウドレジ導入でお店の商売や経営力を向上させたいという方、ぜひ「有料版」のレジも含めて比較検討してみてはいかがでしょうか?

 

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