最新ITの利用とIT利活用

最新のITを利用することと、事業や業務・作業でIT機器を活用することとは、似たようなテーマに見えて実は結構違います。この記事では、弊社(筆者)が考えている「最新のIT利用」について解説しようと思います。(あくまで筆者の意見です。コレが正しい、ということをお伝えするようなつもりの解説ではありません)

ITは最新のものを使うべし(基本編)

パソコンにしろ、スマートフォンにしろ、タブレットにしろ、またあるいはそれらの周辺機器にしても、すべて「IT機器」と言われるものは非常に進化・変化の早い機械です。例えば

  • ほんの10年前には最新ともてはやされたiPhone3・・・そのiPhone3も、仮に今壊れずに動いていたとしても、一般的な使用には耐えません(バージョンが古すぎるために、あらゆるものに対応していないのです)
  • 使いやすく安定していると言われていたMicrosoftのWindows7も、2009年にリリースされたものの2020年初頭にサポートがすべて終了して、今や「もう古くて色々対応していない」という使えないOSとなってしまっています(←いやいや、まだ十分使える、というご意見の方もあろうかと思いますが・・・)

一般的な利用状況で、パソコンは5~7年くらいが耐用寿命と言われています。つまり、10年も経たないうちに「そろそろ買い換えなきゃ」ということになるのが普通、という世界なのです。

買い替え・ローテーションを基本に購入していくのが良い

このサイトでは「事業者とくに小規模企業を営んでいる方」にお読みいただくことを目的としています。つまり、買い揃えるIT機器も「事業用途に使う」ためのものということになります。事業用のIT機器を買うのになるべく経費を抑えたい(コストをおさえたい)というのは当然のことなので、筆者もこの点は大いにオススメしたい(なるべくコストを抑えて購入)のですが、上記のことを鑑みると、IT機器を購入する際には

  • 不必要に高い機器・性能の良い機器を購入して、なるべく長持ちさせよう・・・とは決して考えずに
  • 数年で買い換えることを前提に、必要最低限のスペックのものを買い揃えて、なんならローテーションしていくことを前提に

という方向性で買い揃えていくべきだろうと思います。(実際、10年前の2012年に30万円近くした高性能のノートパソコンでも、業務上で10年使い続けられることはほぼありえなくて、必ず買い換えるハメになったはず。しかも同じ性能のノートパソコン、4年後の2016年頃だと16万円程度で購入できてしまうのです、実際。)

常に最新のものにしておく必要はなくむしろ避けるべき(活用編)

事業経営やその業務に必要だから使うという目的のITとなると、ただ単に常に「最新にしておけば良い」という話とは次元が違ってきます。

事業や業務でITを使うというのは、あくまで「事業」「業務」あるいは「作業」を円滑に、効率よく進め、事業上の成果や効果を出すという目的のために使うということに他なりません。つまり

事業や業務、作業に役に立つことが最優先の目的であって、最新であるかどうか?は別問題

というわけです。

特に最新バージョンへのバージョンアップは慎重に

IT機器は進化が速い一方で、進化の際(バージョンアップの直後)などに、エラーや不具合を起こすことが多々あります。「常に最新のものに」とこだわり過ぎるあまり、こういったバージョンアップのタイミングですぐに最新のものを導入してしまうと、こういった不具合に遭遇してしまう場合があります。こういった不具合はそもそも「業務に役立つ」という大前提に大きく逆行してしまいます。

バージョンアップの際などには、すぐに飛びつかずに、慎重に検討することが重要です。

バランス・タイミングを良く考えて

とはいえ、「最新バージョンは不具合が怖いからやめておこう」と古い機器のままでいると、いつの間にか「そのパソコンではこのサービスは利用できません」とか「周辺機器(プリンタとか、外付けの機器とか)が対応していない」のような事になってしまいかねません。

ほとんどの事業の場合、最新を追いかけるのは「業務上の目的」ではないと思いますので、慎重に考えるべきですが、業務・作業の役に立てるという本来の目的を損なわないよう、適切な時期に適切にバージョンアップをしていくのが、事業経営上のIT利活用にはぜひとも必要です。

中古・古い機器の購入はよく考えて

昨今のITサービスやソフトウェアは、年々バージョンアップしていきますので、それに伴って古い機器はどんどん切り捨てられていってしまいます(これはもう仕方のないことですが)。

IT機器を揃える際に、中古機器を購入というのも選択肢の一つではありますが、購入の際にはよく考えるようにしましょう。例えば

Airレジ:iOS13のサポート終了

無料で使えるのでよく使われているエアレジですが、2022年3月末に、「iOS13/iPadOS13」のサポートが終了します(つまり、iOS13以前のiPadではエアレジが使えなくなる、ということ)

AdobeCloud:Windows7対応終了

Photoshopやイラストレーターなどで有名なAdobeは、クラウドサービスですでにWindows7の対応を終了してしまっています。どんなに高性能なWindows7パソコンを買っても、Adobeの最新ソフトウェアは使えない、というわけです。

 

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