ITコーディネータ独立開業録~4~

筆者(岸本)が独立開業、ITC資格を取得して「何とか食えるようになった」体験記その4

なぜITC資格を?

前回(その3)で売上推移をご紹介しました。ご覧の通りスタート時は惨憺たるものでした。

そもそも独立開業時にはITC資格というものを知らず、「パソコンサポート・パソコン販売」を業としていこう、くらいに考えていたのです。
独立前に勤務していた家電量販店での体験から「パソコンを買ったのは良いけれどいざ使おうとすると全然分からない」という方が非常に多いことはよく承知していましたので、それを仕事に出来ると考えていました。

けれども、これでは暮らしをしていくのに十分なほどの稼ぎにはならないということをスタートして半年くらいで気づき始めました。
個人ユーザーの「パソコンの使い方を教えてほしい」的なニーズに答えるのは、個人事業主として事業を営んでいては全く成り立たないことにすぐ気がついたのです。(パソコン教室的なものをやるには設備投資がかかってリスクが大きすぎるし、かと言ってマンツーマンでやるのには効率が悪すぎる)

そこで、2年目くらいから「法人・事業主のパソコンサポート」にも手を広げようと考えたのですが、これが思うようにうまく行かない。
うまく行かない理由は明らかでした。

  1. 起業して2年目の個人事業主では、正直まったく信用力がない
  2. そのうえ元々IT系のお仕事をしているわけでもないので、さらに信用力に欠ける
  3. 法人・事業主さんはそもそも地元のコピー機屋さんやIT会社と付き合いがあって入り込む余地がない
  4. 法人・事業主さんがパソコンのサポートやお助け業に求めるものをちゃんとリサーチできていない

3,4は、とにかく法人・事業主さんとの付き合いを始めるきっかけさえあればなんとかなる、という気持ちでおりましたから、自分の中で問題になったのは1,2つまり「信用力」でした。

箔をつけるための資格さがし

で、(今にして思うとちょっと安直な気がしますが^^;)「信用力を付けるには、まずハクをつけなきゃ・・・それなら何かITやパソコンサポートの仕事に有利な資格を」と思って資格探しをし始めた、というわけです。

そこへちょうど偶然地元で出会った高校時代の同級生から「ITコーディネータっていう資格があるらしいぞ」と聞いた、というのがITCを知るきっかけとなり、そこからITC資格取得を目指し始めた、というわけです。

ITC資格取得

資格取得は、当時あった(今でもあるのでしょうか?)国からの助成金・・・ナンだったか忘れましたけれど、資格取得やスキルアップのために使える助成金だったと思います・・・を使い、まる1年かけて取りました。

当時(2003年~2004年頃)は、国家資格などを持たない無資格者がITC資格を取得しても最初は「ITコーディネータ補」というみそっかす扱いみたいな状態でした。
ITコーディネータ補を取って2年以上実務経験を積んだら正式にITC資格者になれる、ということで・・・私が実際にITC資格を持ってますと名乗れるようになったのは2006年になってからでした。

ITC資格取得後の数年

ITC資格を取得したことで「信用力が増す」「ハクがつく」と期待に胸を膨らませていましたが、実際には全くそんな期待通りにはなりませんでした。

当時ITC資格を取得して既存の顧客などにその話をしても「ITコーディネータ」という資格を知っている人は皆無。(中小企業診断士や社労士ならしってるけど・・・と良く言われて、悔しい思いをしました(笑)
たまたま知り合った地元市の産業支援の職員さんや金融機関さんでも知っている人は全くいませんでした。

つまり、2006年当時「ITC資格を取得すれば、ハクがついて信用力が上がり、仕事が獲得できるきっかけになるかもしれない」というのは全く机上の空論・砂上の楼閣だったというわけです。
・・・当時それでも純なワタクシは、「自分の人脈や交友範囲の人たちが知らないだけで、ちゃんと業界とか情報通な経営者さんたちには認知されているに違いない」と信じて一生懸命アピールに努めたのですが・・・そんな事をしてもムダだと自覚をしたのはITC資格を取得した1年後、2007年頃のことでした。

さて今回の記事はここまでです。

次回は、その後どうしたか?・・・地元の届け出組織へ参加して試行錯誤した話をお届けしようと思います。

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