請求書発行のインボイス対応ってどうすれば良い?

インボイス制度対応への解説記事シリーズ。「請求書の発行をインボイスに対応させなければならない」・・・小規模事業者の場合どうすればイイの?

このページでは、とにかく「請求書発行どうすればイイのか?」についてだけかいつまんでご説明します。インボイス制度がどういう制度なのか?などの基礎知識は別ページの解説を御覧ください。
インボイス制度の基本

請求書発行をデジタル化出来ている場合

「弥生販売」「楽楽明細」「MFクラウド請求」「MISOCA」などのように、売上・請求を記録して請求書を発行するソフトウェアやクラウドサービスをすでに利用されている、という方は、

  • 使っているソフトウェアやアプリがインボイス制度対応しているか?を確認する(上記4つはすべて制度対応していますが、それ以外の請求管理システムが全てインボイス対応しているとは限りません)
  • 対応していなければ(あるいは対応する予定がなければ)、請求書発行するソフトやアプリを対応しているものに乗り換える
  • 対応しているソフトやアプリであれば、適格請求書発行事業者番号(インボイス登録番号)や消費税率の設定などをソフトウェアの案内に従って設定する

というだけでOKです。

請求書をExcelなどで作成して発行している場合

請求書をその都度Excelで作って発行している、という方も多いかと思います。多分図のような感じのExcelシートと似たりよったりな感じの請求書を作ってることが多いのではないか?と思いますが・・・図で赤字にしてあるように

  • 自社の名前・住所の欄に「インボイス登録番号」を入れておきましょう
  • 請求の合計金額の欄に「10%」「8%」の消費税額・本体金額を表記仕分けるように作り直しましょう(ウチは商売柄10%しかない、という場合は、税率が10%だということと、その税額がいくらになるのか?ということが分かるように明記できればOKです)
  • 明細欄も、それぞれ各行で「この明細の消費税率は何%なのか?」が分かるように作り直しましょう。(何も書いてなければ10%で、※印の付いている業だけ8%です、ということでも構いません・・・ただし「非課税」みたいなものがある場合はそれも含めて明記する必要があります)。

Excelの雛形を作り直す、というのは少々骨の折れる面倒な作業だろうとは思います。この機会に請求書発行システムを入れる、なんていうのもアリですが、「ウチはそんな大げさに請求書発行システムを入れるほどたくさん請求書は出していない」「そんなにお金はかけられない」という場合は、なにも専用の請求書発行ITシステムを導入しなければいけない訳ではありませんので、ね。

※ただしExcelで作成した請求書は、必ず控えを取っておくようにしましょう(紙の場合はコピーをしておく。データで保管する場合はPDFなどへ変換して保存しておく)。

手書きで請求書を発行している場合

手書きの請求書を発行している場合、なにもパソコンで作らなければならないとか、請求書発行システムを導入しなければならない、というわけではありません。次の点を全てクリアするようにすればOKです。

  • インボイス登録番号(適格請求書発行事業者番号)を必ず書く
  • 明細行ごとに税率を書く
  • 合計欄に税率ごとの消費税額と本体価格を書く

図のように、最近では主だったメーカーの紙の伝票用紙もインボイス対応している用紙が販売されています。

また、インボイス登録番号を追加した「社判(社名の入ったゴム印)」を作って押す、というのでも構いません。

ウチはほとんど個人のお客様への販売ばかりで、請求書を出すのは年に数回くらいしかない・・・というようなご商売の方で手書き伝票の事業者さまの場合、なにもそのたった年に数回のためだけに請求書発行システムを導入、なんて大げさなことまで考えなくても構わない、という場合だってありますから、ね。

これからデジタル化しよう、という場合の注意点

ただし、請求書をインボイス制度に則って作成・発行するというのは、手書きやExcelでの場合「面倒」「手間がかかる」という点は否めません。それならこれを機に請求書発行をデジタル化しよう!とお考えになった際には、以下の点にご注意ください。

請求書のデジタル化、その先に会計・経理が待っている

請求書発行をデジタル化すると、売上(売掛)の集計や、入金の管理なども効率よくなります。ただ、その先にはほとんど例外なく「会計・経理・・・つまり確定申告や決算処理」が待ち受けています。

せっかく請求書をデジタル化したのに、会計ソフトや確定申告ソフトにその内容を登録するところで、また「○月○日 〇〇取引先 10%○円 8%○円」なんて登録作業をしなきゃならないの?・・・って話が必ず出てきます。

その時に、選んだ請求書システムが、会計ソフトと連携できるようになっていれば、データを自動で会計ソフトへ取り込めます。選んだ請求システムが連携していない場合は、上記のような面倒な「会計登録」作業は避けられません。

そういう点を視野に入れながら、選定・導入するようにしましょう。

どうすればよいか分からない、不安だと言う場合は専門家へ

「ラクラク請求」とか「〇〇販売管理」とか、そういうアプリを入れるだけではダメなの?その後の確定申告もデジタル化するにはどうすればいいの?という、ちょっと複雑で難しそうな話になりそうな場合には、とにかく専門家へ相談しましょう。

弊社でも、請求書発行をデジタル化する場合の導入相談・ご質問を承っております。ご相談・ご質問はお問い合わせページからどうぞ。

→お問い合わせ

 

 

Print Friendly, PDF & Email