名前のない書類

小さな会社の業務支援を行わせていただいていると、よく「名前のない書類」というものに出くわします。

名前のない業務書類

大きな会社でも事務系のお仕事ではあり得るかもしれませんが、特に小さな会社では業務で使っているのにも拘わらず名前のついていない書類と言うのが多々見られます。例えばどんなものがあるかと言うと、、、

  1. 今週出荷する商品の一覧を書き入れるためのExcelで作った用紙フォーマット
  2. イレギュラーな取引に対応するために取り敢えずという感じで作成した納品書(Excelで作ってる方もいれば、Wordでの方も)
  3. 社内の清掃担当や雑務のローテーションを書いた用紙(パソコンで作らず手書きで作ってコピーしてる場合も多々)

これらの書類、決して作るのがイケナイ事と言うわけではないと思うのです。実際、必要があって作ってるのですから、全く無駄とは言い切れません。

なぜ書類に名前を付けられないのか?

業務で必要なのに名前のつけられない書類は、得てして「○月○日岸本」とか「経理部用1」とか、取り敢えずということでその場の思いつきのファイル名を付けられて保存されます。

実はこれ、パソコンの中のデータ整理にとってもよろしくない影響を与えてしまいます。なので、データ整理という観点からもいろいろ問題なのですが、このページの解説でお伝えしたいポイントは別にあります。

どうしてその書類にちゃんとした(=誰が見ても何に使う書類かが概ね想像できる)名前をつけられないのでしょうか?

業務に名前がついていないから

書類に名前がつけられない理由は明白です。

その書類を使って行う業務に名前がついていないから。

必要だからやっている訳ですから、名前があるかどうかに拘らず、やらなければ問題が発生するから、わざわざその書類を使ってやるわけです。

では、その「やる必要のあるのは、何をどうするための業務?」、、、そこさえ明確になれば自ずと「〇〇確認作業」とか「〇〇作業スケジュールひな形」とか、名前がついてくるはずです。

名前がつくと整う

このページでなぜ「名前のない書類」を問題にして解説しているのかというと、名前のない書類にはいろいろ業務上の問題を引き起こすからです。

「あれやっておいて。あれ、いつもの棚のとこに入ってる書類でチェックするやつ」

業務に慣れたもの同士でのコミュニケーションならなんの事はありませんが、新人さんが入ってくるとか、担当が変わったという場合にこれでは「あれってなんですか?」「いつもの棚のとこの書類ってどれですか?」となってしまいますね。

業務の重複、無駄を防げる

書類に名前を付ける過程で「何をどうするための書類か?」「なんの作業に必要か?」などを確かめていくと、実は複数の人が同じ作業を重複してやっていた、よく考えたらこの作業は必要なかった、なんて言うことも出てきます。

小さな会社の場合には、こういった「書類の整理」から入る業務の見直しによって非効率や無駄を見直すきっかけになることが結構あります。

 

ぜひ、皆さんの会社でも「名前のない書類」を整理して、ついでに業務の見直しも取り組んでみてはいかがでしょうか?

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