自分SWOTのススメ

筆者が創業当時から、事あるごとに行っている「自己分析」手法です。小さな会社・お店の事業展開は今後の方向性などを冷静に客観的に整理するのに、非常に役立つ手法なので、ご紹介させていただこうと思います。

自分SWOT

企業の状態や長所短所を整理するための手法として「SWOT分析」という方法があります。SWOT分析そのものは、もう30年以上も前からいわゆる「経営コンサルタント」と言われる方たちが、支援先企業の事業評価などをする際の分析手法の一つとして使われ続けてきているものです。

どんなものかと言うと・・・会社のありとあらゆる状態や要素を「S:強み(Strength)」「W:弱み(Weakness)」「O:機会(Opportunity)」「T:脅威(Threat)」という4つの要因に分けて整理する、というものです。

SWOT分析は、通常は主に「企業が、属する社会や市場などの中でどのような位置でどのようなポジションを占めているか?を客観的に分析するため」の方法として使われています。
経営上の戦略や方針を立てて実行する際の、いくつかある重要な手法のうちのひとつと言われています。

今回ご紹介するのは、その「市場・社会の中での立ち位置を整理・把握する」ための手法を、「パーソナルな自己分析」に活用してみてはいかがでしょうか?というものです。

自分SWOT分析に用意するもの

自分SWOTをするのに用意するものは、簡単なメモ用紙と筆記具だけでOKです。できればなぐり書きをしたり、消したり書いたりするのに、何枚かフリーで書けるレポート用紙とかメモ用紙を用意すると良いです。

で、一番はじめに、メモ用紙に図のような枠を書いておきましょう。

フリーハンドでテキトーに書いても良いし、定規できちんと作っても良いですが、ポイントは「四角い枠が4つ、図のように並んでいる」図がかければOKです。中に書いてある説明の文章はいりません。「強み」「弱み」「機会」「脅威」と項目名だけ先に入れておきましょう。

強み・弱み・機会・脅威をそれぞれ書き出す

最初は、上記で用意した枠へいきなり書き込むのではなく、別のメモ用紙などに、各要素を箇条書きにして書いていきましょう。

それぞれ「自分自身が考える、自分の強み・弱み・機会・脅威」です。

最初は、何を書けばよいのか戸惑う事がほとんどです。ひねり出して書き出したものの、「これは本当に強み(自分の元々の得意分野)と言っていいのか?」「これは強みというよりは、見方を変えれば弱みじゃないか?」「外的要因による期待って言うけれど、これは本当にそうなのかな?」などなど・・・

とにかく「いろんな要素を書き出す」のが目的

けれども、多少の迷いはあっても、最初はとにかく「色々要素を書き出す」ことを目的に、ジャンジャン書き足して行ってください。

その際の注意事項。

  • 箇条書きにする際には、「1つの文章で1つの事だけを書く」
  • 極力「主語」「述語」を明記して、何のことを言っているか分かるようにする

一つの項目にいくつもの内容を書いてしまうと、それが「強み」なのか「弱み」なのかが分からなくなってしまいます。例えば「人見知りな割にお客様や取引先様の意見や感想をよく聞くことが出来て的確に対応ができる」と書いてしまうと、「人見知り」なのは弱みじゃないか?けど「的確な対応ができる」のは強み?・・・という感じ。こういう場合は「(自分は)性格的に人見知りだ」「お客様や取引先様と会っているときにはよく意見を聞くようにしている」「意見や質問へ的確に対応できる能力がある」と、要素をなるべくシンプルなものに分けていくということです。

また「顧客対応力」のような「単語」だけで書くと「対応力があるのが良い」ことなのか「対応力にまだまだ課題が多い」のかがハッキリしません。

これ以上出てこない、というところまで出し切ったら整理しましょう

箇条書きが出きったところで、改めて一つ一つの項目について「これは強み?弱み?」と整理して、一番最初に用意した図に書き込んでいきましょう。

実は、実際にやってみていただくと実感していただけると思うのですが、ここまで整理できた時点で、殆どの場合「効果」を実感出来ると思うのです。(ご自分でも何となく分かっているようで気づいていなかった要素に、自分で気づくことが出来るんですよね、ここまでで)

整理出来たら「組み合わせ」を色々考える

整理できたら、こんどはその整理された情報を元に色々「妄想」します。妄想という言葉がピンと来ないようであれば「想像を働かせて、可能性を探ってみる」です。

例えば、「弱みとして整理したこの部分、もし克服して解消できたら、今度はそれがかえって強みとして武器になるのでは?」とか、「強みのところに書いてあるこの要素、上手に活用したら機会のところに書いてあるこの可能性を捉えることが出来るのでは?」とか・・・そんな感じです。

この「妄想」には、特に何か具体的な結論や整理をつけなくても構いません。

自分SWOTは、この辺りまでで一通り終了です。

その先の「戦略」「計画」に進むなら

自分SWOTをやってみて、新たな可能性に気づいた・見いだせたとか、あるいは「取り組むべき課題が見えた気がする」という事になったら、その先はいよいよ具体的に「事業上の戦略」や「今後の行動計画」を作ることになります。

ただ、それはここでご紹介するような「ちょっとした自分の自己分析」の延長線上で何となくやるべきものではありません。戦略や計画を練るような次元の話に進む際には、もう少し「数値(金額や顧客数など)」「時間(期限や期間)」「リソース(どういう資源を使うか?」などを更に整理して取り組むようにしましょう。

自分SWOTの際の留意点

自分SWOTの手法で自己分析する際、なるべく効果を出す・自分の成長を促すためのものにするためにはいくつかポイントがあります。

  • できれば自分以外の親しい第三者(ご家族・パートナー・奥さんご主人とか、彼氏彼女とか)の方にも意見を求めながらじっくり出来る環境を作るとなお良いです。
  • 一度きりで終わらせずに、必ず定期的に(半年か1年に一度くらいのペースで良いと思います)繰り返しましょう。

特に第三者の方に協力していただくのは、自分でも気づかなかった自分の性格的な特徴や能力について、客観的な意見を示してくれる場合が多いのでとても期待が出来ます。

自分SWOTのお手伝い・支援を承っております

弊社では、自社分析・事業評価の一環として、事業主様の「自己分析」「自分SWOT」の分析・評価のお手伝いを承っております。

関心のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。