独立・開業解説~14~

独立開業~商工団体に加入すべきか?~

独立開業したら地元の商工団体に入った方が良いのか?入らなくて良いのか?

商工団体って?

商工会議所、商工会のような「事業者(経営者)が集まる団体」のことです。加入している企業や経営者の経営を支援したり、相談を受けたりといった、経営者に必要な事業上のサポートを提供するという目的で設立された団体です。
独立したらそういう地元の商工会議所に入ると色々有利なことがあるからぜひ入りましょう・・・と言われることもありますが、実際のところどうなのよ?という相談をよく受けます。
このページでは私(岸本)のごく個人的な意見を元に解説させて頂きます。

ちなみに商工会議所ってなに?ということについて短時間で理解するなら、Wikipediaのこのページはほんとに数分で読めてしまうので一読しておくと良いと思います→「商工会議所」

加入・参加は任意です

商工会議所・商工会への参加は事業者の義務ではありません。加入されている事業者への様々なサービスを提供するのが商工会議所・商工会の役割ですが、これはあくまで「任意参加」です。
会費を払って参加することで、様々な事業経営上の支援や国の施策などの紹介をしてもらえたり、あるいは地域の様々な情報を提供してもらえるというメリットがありますので、そういうことについて事業場のメリットがあると考えられる方、事業展開上、そういう団体への加入のメリットは大きいと考える方はぜひ加入されると良いでしょう。

地域での企業活動には一定のメリット

商工会議所とか商工会は、企業経営の支援だけではなく、地元の催し物や行事にも取り組まれています。でそういう催し物の準備やお手伝いに、加入している経営者さんたちがボランティアで参加されることが多いんですよね。そういう「地元つながり」のコミュニティが結構盛んなので、そういう中に入り込むと色々声をかけてもらえるようになったり、面倒見てもらえるようになったりするようです。
地元の方とつながっておくことは、ローカルビジネスにおいては商売に繋がる可能性十分ありますから、そういう方は地元のそういった商工団体へ入ってその中で人脈を作っていくのも有利に働くと思います。

必要なことを利用しましょう

商工会議所、商工会というところは「企業の支援や事業主へのサポート」以外の様々な「地元つながり」の取り組みをしていて、そういう活動への参加や加入も促されることがあります。
例えば「地元のお祭りの手伝い」「市内一斉清掃への参加」「商工会や商工会議所での独自イベント(勉強会とか交流会とか)への参加」などなど・・・こういうのは主に「青年部」というところがやっているようなんですが、確か55歳だか60歳だかまでは青年部で、加入するとほぼそういう青年部の何らかの立場を任されることがあります。(私もある商工会議所へ加入の問い合わせをさせていただいたときに、当時42歳でしたが加入にあたって青年部への参加が必須だと言われて、加入をやめた経緯があります←本当は、青年部への加入などのような活動参加は必須ではないはずなのですが・・・)

地域によってかなり温度差がありますので自分の目で確かめて

商工団体は全国各地にありますが、地域によって随分差があります。例えば東京の商工会議所などはかなり積極的に事業者に有益なセミナーや講演を開催しています。また東京在住ではなくても参加できるようなオープンな空気もあります。一方、ある地方の商工団体では、企業支援や経営相談はほとんど国や県から下りてきた企画や取り組みをカタチだけやってるに過ぎず、ほとんどが「地元イベントのお手伝い」と化してしまっているというようなところもあります。

お住まいの(=事業を営む)地域の商工団体によって、加入しておくほうが良いか、それともやめておいたほうが良いか?は大きく事情が異なるようなので、その点は自分の眼と耳と経験で確かめるようにしましょう。

会費とのバランスで考えましょう

商工会議所・商工会への加入は、当然のことながら「会費」を支払う必要があります。会費は各商工会議所・商工会のWebサイト等で明記してあるはずですので、どのくらいの費用がかかるのか?を加入前には確認しておきましょう。

世の中には、商工団体以外にも事業経営者さんたちが集まって組織する様々な団体があります。どういう団体でもいくらかの「会費」を支払う必要がありますが、私の感覚で申し上げると、商工会議所・商工会の会費は他の団体の会費に比べて、割安ではないかな?と思います。

ただ、そうは言っても出費には違いありません。
費用を払って参加してメリットを享受できるかどうか?についてはご自分自身でよく考えて判断するようにしてください。(事業を営む立場にあるのですから、こういう事についても、ひとつひとつご自分で判断していく、というのも非常に重要なことです。)

前へ< >次へ

このページの解説記事に関するお問合せ

Print Friendly, PDF & Email