国や県など公共の入札に「電子入札」で参加するには?
電子入札って何?
インターネットを通じて、公共事業などの入札に応じる、文字通り「電子での入札」です。例えば図のような画面で(図は国土交通省の電子入札画面ですが、国・県・市町など公共の電子入札は概ねこれと同じような画面イメージのサイトです)
電子入札に参加(応札)するには?
まず何よりも最初に、応札する相手の機関にたいして「入札資格の申請」をして取得する必要があります。これは電子入札か紙の入札かによらず、ほとんどすべての自治体や公共団体で共通して必要です。それぞれの機関に対してそれぞれひとつひとつ、入札資格の申請をする必要があります。(例えば「静岡県」の入札に参加したい場合は静岡県へ、それと別に「沼津市」の入札に参加したい場合は沼津市へ、という風に)
その上で、電子入札するには、まず以下の機器・環境を整える必要があります。
- 電子証明(電子認証)の取得
- カードリーダー等の機器の購入
- 条件に合ったパソコン・インターネット環境の用意
電子証明の取得
電子入札参加にあたっては、ネット越しに応札するため「応札者(応札する会社)の身分証明」が必要になります。それが「電子証明」というやつです。電子証明は、民間の電子認証会社というのが発行するのですが、どこでも良いわけではなく入札を実施する機関の指定する電子認証会社発行のものが必要になります。(国の電子入札等の場合これらの会社を「電子入札コアシステム対応認証局」と呼ぶようです)
例えば上記の国土交通省の場合、「NTTネオメイト」「三菱電機インフォーメーションネットワーク」「帝国データバンク」などいくつかの認証局(会社)の指定があるので、その中から一つ選んで電子認証を取得します。
ちなみに電子認証というのは実際にはモノとしては「ICカード」で、クレジットカードみたいな大きさのカードになります。
※入札する機関ごとに電子認証を取らなければいけないの?
よく承るご質問で、例えば「国の入札」「静岡県の入札」の両方に参加したい場合、それぞれ1つずつ電子認証を取らなければいけないのか?というご質問をいただくのですが、そんな事はありません。国と静岡県で、指定している認証局が共通のものであれば、電子認証(=ICカード)は1枚でOKです。実際、国の入札と静岡県の入札に三菱電機インフォーメーションネットワークのICカード1枚で応札している事業者さんもいらっしゃいます。
「入札資格」はそれぞれの機関ごとに一つずつ申請が必要ですが、電子認証は「身分証明書」みたいなものなので、基本的にはICカード1枚あれば大丈夫です。
カードリーダーの購入
電子認証カードを取得したら、実際の電子入札の際にカードの情報を読み取るためのカードリーダーが必要になりますので、購入しましょう。
ただし、カードリーダーは市販のなら何でも良いわけではなく、各認証局がカードリーダーの機器を指定している場合がほとんどです。なので、カードリーダーは、電子認証カードを取得する際に一緒に申し込んで購入するのが賢明です。
条件にあったパソコン・インターネット環境の用意
インターネットを通じて入札を行うため、当然インターネット環境とパソコンが必要になります。残念ながらこの記事執筆時点(2020年8月4日)で、タブレットやスマートフォンでの電子入札ができる機関というのを筆者は知りません。
インターネット環境は、安定してつながる環境であれば良いので、大抵の場合はどこの事業所にもあるだろうと思います(なければぜひ電子入札をお考えの機会にネット回線用意してください)_。
問題はパソコン。これも筆者の知る限り、公共機関の電子入札は全て「WindowsOSのパソコンのみ」です。MacやLinuxは使えません。
また、Windowsも古いXPとかWindows7では対応していないので「パソコン買い替えが進んでいないので・・・」という場合にはそういう環境整備も必要です。
県・市町村・国の電子入札システム、ほとんど環境や条件は同じなので、最新のWindowsOSパソコン(2020年8月4日時点であればWindows10)があればOKだろうと思います。
設定作業
さて、機器と環境が用意できたら、設定作業を行う必要があります。この設定作業は、
- 入札する自治体・機関の指定する電子入札システムの種類
- 取得した電子認証(ICカード)の種類
等によって手順が異なりますので、ここでは一概にこうですとご説明できませんが、筆者の経験上、設定作業の際のポイントがあります。それは・・・
設定手順の説明書をとにかく細かく精読して、そのとおりにキッチリ作業を進めること
です^^;。
JAVA(JRE)のダウンロード・インストールや、ICカードリーダーの接続設定、電子証明の取得や登録、JAVAポリシーと言われるセキュリティ設定など、様々な作業があるのですが、これを「あ、コレ知ってる、簡単簡単」という感じで説明書をよく読まずに進めると、思わぬ落とし穴にハマってしまいます。
手順が前後したり、「必要ないだろう」と思ってやらなかったりしたものが、実はとっても重要だったりするので・・・筆者はこれを早とちりして何度も手順間違い・設定間違いしてハマっています^^;
実はこの解説ページ、上記で書いた「説明通り面倒がらずにきっちりやりましょう」だけを伝えたくて書いたようなものです。具体的に設定作業をして欲しい、アドバイスが欲しいという方には個別に対応させていただきますが、とにかく「自分でやってみよう」という場合には、くれぐれも「手順説明を一から十まで細かく精読してそのとおりにやる」ことを忘れないようにしてください、ね。
※追記
なお国・県・市町村ともに電子入札システム、2020年9月以降、JAVAに依拠しないシステムへの大幅変更を予定しているというアナウンスがされています。現在環境構築できている場合でも、あらためて設定等を見直す必要が出でくる可能性がありますのでご注意ください。
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