独立・開業解説~16~

独立・開業~転ばぬ先の杖

独立・開業をした時に「保険」とかそういうものってどうすればイイ?

万一仕事が出来なくなったらどうすんのサ?

独立・開業した(あるいはこれから独立・開業する)人にとって、どんな理由であれ「一時的に仕事を休業しなきゃならない」というのは死活問題です。
サラリーマンなら「有給休暇」を使ったり就業規則に則って病気やケガによる休業時の手当をいただいたりできる可能性がありますが、事業経営者・個人事業主(個人経営者)はそうは行きません。

仕事を休んでも「有給」なんてものは一切ないし、休業中の手当なんていうものも一切ありません。

だから、自分自身でその備えを講じておく必要があります。
どれが「保険」です。

生活のケア・自分自身のケア・廃業後のケア

独立・開業した個人事業主や事業経営者が考えなきゃならない「転ばぬ先の杖」は、ポイントが3つあります。

生活のケア

まずはとにかく「休業中の生活費をどうするのか?」というケアが必要です。何度も書きますが個人事業主・事業経営者は「給料もらう」という立場ではないので、「休む=事業を中断する」ことになったらその間生きていくための生活費も稼げなくなります。ケガ・病気・近親者の介護・・・考えたくはないことですが万が一の時には誰からも援助を受けられない以上、あらゆることを想定して「もし仕事を中断せざるを得なくなった場合」の生活費をどうするのか?をまず考える必要があります。

一番のオススメは「自分で予め蓄えておく」です。

ナンだよ全然ノウハウやアドバイスになってないじゃん!と思われるかもしれませんが、実際にはコレが一番なんです。目安としては「1年間一切収入が途絶えたとしても何とか暮らしていけるだけのお金」を貯蓄として蓄えておくのが最低限、です。単身者なら最低でも200万~300万円くらいでしょうか?ご夫婦二人の場合なら500~600万円くらいはないと不安だろうと思います。

ご自分で蓄えてあるお金なので、イザという時に何にどう使っても自由です。それが「一番のオススメ」の理由です。

二番目にオススメなのが「保険に入る」です。

いわゆる休業保証のついている保険というのが世の中にはいくつかあるようです(→交通事故の際の休業補償とは異なりますので保険加入を考えられる際は要注意)。病気やけがで仕事が出来なくなった際の生活保障というものです。

私自身はこの類の保険には加入していませんから、実際どのような保証が受けられるのか詳細は分かりません。ただ、ひとつ考えなければならないのは、この手の保険は大抵「保障期間に期限がある」ということ。大抵は1年間のようです。

万が一の際に生活保証、上限1年間の金額のためにこの保険に入るのが良いかどうか?・・・考えどころだと思います。独立開業間もない期間だけ(=十分蓄えるだけの余裕がまだない期間だけ)加入しておくというのも手かもしれませんね。

自分自身のケア

これはいわゆる「生命保険」「傷病保険」のことです。これは個人事業主でなくてサラリーマンでも考えるべきことではあるので「独立・開業したからこそ」というわけではありません。ただ、個人事業主や経営者にとって「自分のケガや病気の時に多少でも金銭的な保障が得られる」というのは替えがたいものです。

病気やケガの際の保険は、基本的に通院や治療の費用を一部負担してもらえるというものなので、上記の「生活のケア」とは別に入っておいたほうが良いだろうと思います。保険の条件や保証金額などは、ここでどの保険が良いとか悪いとか言えるものではありませんので具体的な紹介は避けますが、とにかく「万が一の際の」という考えは、お勤めの時よりもシビアに考えておくべきです。

廃業後のケア

サラリーマンや公務員なら定年で勤めを終えたら退職金が貰えますが、個人事業主はこの「退職金」も一切ありません。何度も言いますが誰かが払ってくれるワケじゃありませんから、ね。全部自分で払わなくちゃならないんです。

なので、廃業後(=ほとんどの場合老後という意味です)の生活資金、つまりサラリーマンや公務員の「退職金」に当たるものを蓄えておく必要があります。

一番のオススメ ・・・というかコレはもう方法はひとつしかないんですが・・・コツコツ蓄えておく、というもの。

長く自営業をやっていて、どこからか表彰のような感じで慰労機がもらえるかといえばそんな甘い話はどこにおありません(当然ですが)。なので、やっぱりコツコツ貯めこんでおくしかないんです。

方法としては「貯蓄型の生命保険」に加入して、60歳とか65歳以降に受け取れるようにしておくとか、そういう方法もあります。ただやはり私自身の考えるオススメは「廃業後の退職金と見立てて積立をしておくこと」をおすすめします。一番のおすすめは「小規模企業共済」。これは単純に「毎月一定額(上限5万円)を積み立てる」というだけのものなので、一般の定期預金などと何ら変わりがないといえば変わりはありませんが、「確定申告の時に掛け金が控除額として認められる」のが最大の特徴。つまり、毎月5万円×12ヶ月=60万円が、「所得控除」として認められるんですよね。これはオトクです^^、おすすめ^^。

この他にも利率の良い積立とか、あることはありますが時々刻々と情勢によって利率が変わると思うので、ここでは敢えてご紹介を避けておきます。

いずれにしても、自営業・個人事業主・事業経営者は「万が一の時に誰かが助けてくれる」保証は一切ないので、その点のケアを十分しておくべき、というのが最も重要な点です。詰まるところオカネの話なんですが、ここは切実な問題なので目をそらさずにちゃんと考えておきましょう。

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