「ネットショップを始めたい」・・・この数ヶ月の間に急増したご相談内容です。このページでは、これまで実店舗で商品を販売していた事業主・商店主さまで、これからネットショップでの販売をしてみたい、という方向けの「基本中の基本」を解説させていただきます。
ネットショップ、作るだけなら30分
ネットショップ、作ってネット上で販売できるようにするだけなら・・・つまり「ウチの商品をネット上に掲載して、買い物かごへ入れてもらって注文してもらう」・・・こういういわゆる「ショップ機能」を作るだけなら、今どき30分もあれば出来てしまいます。
しかも、ホームページ作成やプログラミングなどの専門的な知識はほぼ全く必要ありませんから、「ブログを自分で書いて更新できる」「Facebookに写真付きの投稿が出来る」くらいのスキルさえあれば余裕です。
具体的には例えば「BASE(ベイス)」とか「カラーミーショップ」のようなショッピングカート機能を提供しているサービスに申し込んで利用するだけでイケるんです。
実際、この記事を書くのに当たり筆者(岸本)もネットショップで商品を売る想定でBASEへ登録してみましたが、登録を始めてから実際のネットショップページが出来上がって販売が出来るようになるまでには30分かかりませんでした。
ネットショップを作る前に大切なこと
ネットショップ作成≠ネットで商品が売れる
これは私だけでなく私の周囲のWeb専門家のほぼ全員の方が口を揃えて仰ることです。
「ネットショップを立ち上げて商品を掲載するとそれだけで売れるような気になる人がいるけれども、実際にはそんなことはありえない。むしろネットショップ作って商品掲載しただけでは、ほぼ全く売れない」
理由は至って簡単です。「お店」がインターネット上にあるか実店舗として建物があるか?だけの違いで、実際にはネットショップは「実店舗で商品が売れるようにするための準備と努力」が同じように必要だからです。例えば
- お店があることを知ってもらう(実店舗をオープンしたら、看板を立てるとかチラシを作って配るとか、知り合いに声をかけてもらってお店を周知する努力をしますよね?)
- お客様にお店に来ていただくための努力をする
- 商品を買いたくなるような「陳列」「お店作り」「商品アピール」をする
- 他ではなくウチを選んでいただけるための努力をする(接客技術の向上とか、値段競争とか、他には無い商品を取り扱うとか)
ネット上のショップでも、上記と全く同じことを努力する必要があります・・・というか努力して初めて「スタートラインに立てる」感じです。
手順を確認しましょう
ネットショップが実店舗と大きく異なる点は「実際のお客様が目の前にはいない」つまり「ネット上の向こう側、遠く離れたところからお買い物をされる」点です。実店舗であれば、顔を合わせてレジや売り場で応対できるので、臨機応変に様々な対応をしながら販売ができますが、ネットショップではそれが出来ません。このため、例えば商品を選んでいただいた後の購入手続きひとつをとっても、厳密な手順をきちんと確認して実行する必要があります。
手数料などを確認しておきましょう
ネットショップでは、カード決済などオンライン決済でのお支払い方法がほとんどです。店頭で、現金で販売している時には、「2,200円のお会計」と言ったら「2,200円」現金が入ってきますが、ネットショップの場合そうは行きません。以下のような様々な「商品の代金(原価)以外」のコストが掛かります。
- ネットショップへ支払う手数料(ネットショップのサービスを利用している場合、「商品1個売れるごとに何%とか、一律1商品につき◯円」というような利用手数料が発生します)
- カード決済手数料(ネットショップへの手数料とは別に、カード決済の場合の手数料が引かれることがあります)
- 送料(手渡し出来るわけではないので、宅配便の料金などがかかります)
商品の価格をどうするのか?値決めをしておきましょう
単純に「店頭で販売している価格と同じ」ということでも良いかも知れませんが、それでは多分、上記のような手数料や送料などを差し引いたら赤字になってしまう可能性があります。
送料は商品の価格とは別に請求できるとしても、カード決済手数料は、ショップへのシステム料などを、既存の価格の中に含めるか、それとも店頭で販売している価格よりも高くしてこれらの手数料を上乗せするか?・・・はたまた「せっかく実店舗以外のショップで販売できるのだから、実店舗ではなかなか踏み切れなかった値上げを実現しよう」と、実店舗での価格とは関係なく十分な利益をのせた価格にするか?・・・
実際のご相談などを承る際には、この部分で迷われてなかなか決まらない、ということが非常に多いのです。事前によく検討しておきましょう。
ネットショップを運営するのにあたって大切なこと
上記の「作る前」の段階でも同様ですが、単に「ネットショップを立ち上げる」だけでは足りない、他にも大切なことが色々あります。
どうやって集客するか?
大手のネットショップサービスを利用すれば、ある程度ショップページを見ていただくことは出来ます。けれども、大手のショップサービスへ登録している事業者・商店主は何万人も何十万人もいるわけですから、その数多あるショップの中からあなたのお店を選んでいただいて、なおかつ買っていただく為にはどうすればよいか?・・・こうやれば絶対、というような確立された方法は存在しませんから、これもご自身で丁寧に考えて努力する必要があります。
365日、毎日メールのチェック
ネットショップの注文は殆どの場合必ず「メールを通じて」注文の連絡が入ります。注文は、いつなんどき来るか分かりません。あなたがお店をお休みしている最中も注文が入る可能性があります。真夜中に注文をされる方もいらっしゃるかも知れません。
注文が入っているのに気づかずに2日も3日も経過してしまった・・・なんてことになったら、もうそのお客様はもとよりネットショップを訪れる今後のお客様からの信頼も失墜する恐れがあります。
せめて、注文メールが入っていないかどうか?だけは365日、毎日メールチェックできるように習慣づけるようにしましょう。
注文後の発送
めでたくご注文を頂いたら、もちろん速攻で発送します・・・が、単に商品をダンボールに梱包して宅配便で送れば良い、というものでもありません。納品書を作ったり、また「サンキューカード」のようなお礼のメッセージを添えたり、あるいは繰り返しお買い物していただけるように商品リストやパンフレットを同封したりと、普通に荷物を誰かに送る以上の気遣いや手配が必要になります。
全部総合して「ネットショップの運営」です
ここまでである程度ご理解いただけたかと思います。ネットショップで物を売るというのは、単に「ホームページやショッピングサイトに商品を掲載するための仕組みを作る」だけでは全くありません。
これら「掲載する前の取り決め・方針」から「掲載し、商品をお求め頂きやすくするための努力」そして「購入していただいた後の対応」など全てひっくるめて初めてネットショップの運営が成り立ちます。
そして、これら一つ一つのどの要素もひとつとしてやらなくて良い事はありません。逆に言うと、これら全てを全部こなしてはじめて「ネットショップで商品を売るスタートラインに立った」ことになります。
これからネットショップを始めよう、始めたい、という事業主・商店主の皆様、ぜひこれらのことをよく検討した上で取り組んでいただければと思います。
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