会社設立解説その3.定款作成から電子認証に至るまでのすったもんだ。
2017年3月4日 電子定款認証を始めよう
3月1日に設立を決めて、すぐに定款は出来上がりました。定款が出来上がったら「定款認証」です。これは公証役場へ行って定款認証の手続きをすれば良いのですが、弊社の場合はこれを「電子認証」で手続きすることにしました。理由は簡単、「安いから」。
会社設立・法人設立の解説書などにはここらへんの事が結構詳しく書いてあるもので、よく読むと電子定款認証は随分お得だと言うことがわかります。とりあえずこのページでも、定款認証をするのに公証役場へ出向く通常の手続きと電子認証の手続きの場合の違いをまとめておきます。
通常の定款認証 | 電子定款認証 | |
かかる費用(概算) | 約10万円
※認証費用・謄本発行などの費用は公証役場で現金支払する必要があります。カード払いとか銀行振込とかは出来ません。 |
約6万円
※認証費用・謄本発行などの費用は公証役場で現金支払する必要があります。カード払いとか銀行振込とかは出来ません。 |
必要な定款 | 3通 (署名押印が必要。押印は全て発起人個人の実印で行う) |
電子認証された定款データ |
定款以外に必要なもの |
|
電子認証のために以下の機器等が必要です。
手続きに、それなりのIT知識が必要になります。 |
公証役場へ行く必要は? | 認証を受けに行く際に必要 | 認証を受けるのには必要なし。ただし認証完了後、認証済みの電子データを受け取るために出向く必要があります。 |
「電子認証をすると収入印紙代4万円が必要なくなる」というのはこれから法人設立しようという方には大きな節約ポイントだと思います。
私は仕事も「ITコーディネータ」という専門職ですし、ここはIT駆使して費用を抑えるのは当たり前だろう!?ということで迷わず電子定款認証を選択しました。
電子定款認証にかかった実際の費用
巷の解説書などでは「電子定款認証を行うにはカードリーダライタや無料じゃないAcrobatとかが必要なので、結果的に4万円程度の収入印紙代と同じくらいかかっちゃうからあんまり費用的なメリットはない」と書かれていることが多いようです。けれども、少なくとも私(弊社)の場合は違いました。実際に、収入印紙代4万円を節約した代わりに出費することになった費用は、「2,480円」だけです。
カードリーダーは元々持っていたし
ICカードリーダライタは、元々持っていました。Suicaとか楽天Edyなどの電子マネーチャージに使いますし、そもそも個人事業主時代に電子確定申告の際、電子証明書の付与にICカードリーダライタが必要だったので、今回新たに買う必要はありませんでした。ちなみに、ICカードリーダライタ、新たに購入するとしても数千円程度です。この電子定款認証のためだけに使うというのでは勿体無いですが、会社設立すれば色んなシーンでカードリーダライタは活躍すると思いますから、これを機会に買うというのもアリだと思います。
Acrobatに数万円なんてかからない
私の読んだ解説書は、どれも「IT」についてはあまり得意な著者の方ではなかったらしく、「AdobeのAcrobatを電子定款認証のためにわざわざ数万円もかけて買うのは勿体無い」と書かれていました。
けれども実際には、この記事を書いている時点(というか私が電子定款認証をした時点)では、Acrobatは月額いくら、と言うかたちでの利用が可能になっています。必要な時期だけお金を支払うという使い方ができるんです。で、私もAcrobatは持っていなかったのでこれを申し込んで、1ヶ月分だけお金を払いました。その額2,480円。
実際に定款認証をしたのは4月3日
さて、3月4日に電子定款認証をやろう!と決めたのに電子定款認証を実際に手続きできたのは、その翌月の4月3日でした。これはどうしてか?というと・・・ここは私の痛恨のミスだったのですが・・・3月6日の時点で、電子定款認証に有効な「発起人(つまり私自身)の個人電子証明書」がなかったからです。
「公的個人認証サービス」というサービスを使って個人の電子証明書を定款に電子的に「付与」すれば、電子定款認証手続きは進められるのですが、それがない!住民基本台帳カードを数年前に取得していたので、その電子照明でイケると思い込んでいたのですが、実に微妙なタイミングでその証明の期限がキレていました(2017年2月末日(T_T))
そこで、急きょ「マイナンバーカード」を発行し、そのカードに電子証明をつけてもらうという手続きをする羽目になったのですが・・・静岡県沼津市の場合、マイナンバーカードの交付申請から実際の発行までは約1ヶ月かかる、とのことで、泣く泣く1ヶ月待つ、という事になりました。
みなさん、公的機関やこういった法律手続きをIT活用でする機会がありそうなら、いち早くマイナンバーカード(それも電子証明書付き)を発行して手に入れておいたほうが良いですよ!
ということで、今回の解説はここまでです。
次回はいよいよ「登記」です。