連絡先管理はどうするのがベスト?

毎年、年賀状や暑中見舞いの時期になるとお客様からご相談を受けます。また弊社でも常にこのテーマは関心の高いもの。一度ポイントを整理して解説しておきたいと思います。

連絡先の管理?

小さな会社・小さなお店(小規模事業所)の経営者様の多くが、連絡先の記録を以下のような感じで記録されていることと思います。(★印は、弊社でも実際に使っている記録方法)

  • お客様名簿(電話番号帳)などの物理的なファイルやノートに書いてある
  • 携帯電話のアドレス帳(電話番号帳)に登録してある(★)
  • パソコンのメールソフトにメールアドレス(連絡先)として登録してある
  • 年賀状ソフトの宛名リストとしてファイルに保存してある(★)
  • 販売管理ソフトや請求書発行ソフトなどに取引先情報として登録してある

これら様々なカタチで登録してあるのは、それぞれに利用目的が異なるから複数の方法で登録してあるんだと思うのです。実際私どもの会社のデータも、連絡用のためにスマートフォンに電話番号・メールアドレス・住所などが記録されています。一方、年賀状や暑中見舞いを送る際の住所録リストとして年賀状ソフトに住所録を入れてあります。

けれども、こんなことを考えたことはありませんか?

同じ情報が散在している

スマートフォンのアドレス帳と、年賀状ソフトの住所録リスト・・・同じ人の情報が2つ(あるいはそれ以上)の場所に別々に記録されている。これって、もし「住所が変更になった」と言う場合にいちいち全部直さなきゃならなくて、管理が煩雑にならないかな?

そう、「情報の転記」「同じ情報の散在」・・・これ、IT活用の際にいちばんネックとなる課題なんですよね^^;

さまざまな連絡先情報

ところで、事業を営んでいると「連絡先」という情報は実に様々なところで登場してきます。例えば・・・

  • 販売管理(請求書発行や売上の記録)ソフトでのお客様・お取引先様情報
  • 仕入れ管理ソフトでの仕入元・取引先情報
  • 名刺交換の場でいただく名刺(→最近は名刺管理アプリなどに記録する方も多いですね)
  • 年賀状の住所録
  • メールマガジン発行のためのアドレスリスト
  • メールソフトのアドレス帳

挙げだしたらこれだけでは済まなくなりそうですが・・・^^;・・・とにかくいろんな形でお客様や取引先、あるいは同業者や経営者どうしの集まりの仲間といったさまざまな「名前」「住所」「メールアドレス」「電話番号」が、実に色んな所でに記録されていることと思います。

一元管理出来ないか?

これらの情報、それぞれの記録場所(パソコンの中、スマホの中、クラウドのアプリの中、紙の記録)・・・で別々に管理していると、いずれ「スマホのアドレス帳だけは正しいけどそれ以外の記録が古いままで間違ってる」なんてことになりかねませんね。

そこで、「どこか一つの記録を直せば、全部連動して修正される」ように出来ないか、つまり「一元管理出来ないか?」と考えるわけです。実際、ネット検索すると実にいろいろなアイデアやいろいろなカタチでアドレス帳や住所録の管理を簡素化して楽に、という記事や解説がたくさんあります。

一元化出来るデータはどれ?

販売管理・仕入管理ソフトの取引先データ

たいていの販売管理ソフト・仕入管理ソフトの取引先や顧客データは、「CSVファイル」という汎用的なデータに変換して保存することが出来ます。CSVファイルというのは、異なるソフトウェアやアプリ間でデータをやり取りする際によく使われる形式のデータです。CSVファイルに変換できれば、CSVファイルを取り込むことの出来る他のソフト・・・例えばメールアドレス帳とか年賀状ソフトなど・・・で取引先のデータを活用することが出来ます。

ただ、私の経験上その逆、「年賀状やメールアドレス帳の取引先データをCSVにして販売管理そふとや仕入管理ソフトで利用する」というのは「出来る」と説明されている場合でも結構面倒だったり難しかったりするこおが多いようです。

年賀状ソフト

上述のように、年賀状ソフトは多くの場合他のソフトのデータをCSV化して取り込んだり、あるいは主だった別の顧客リストを直接取り込んだりする機能が備わっている場合が多いです。ですので、他のソフトで使ってるデータを年賀状ソフトに取り込む、という活用はアリですね。

メールアドレス帳

Outlook、Thunderbirdなどのメールソフトも、「アドレス帳」をCSVファイルで変換(出力)することが出来ますから、これらも上手に管理すれば年賀状ソフトや他のソフトとデータを連携することができそうです。ただ、多くの場合メールアドレス帳は、メールアドレスと名前と会社名くらいしか記録していないので、住所や電話番号まで一元管理するには、ひと手間掛かりそうです。

スマートフォンのアドレス帳

スマートフォンのアドレス帳は、iPhoneの場合でもAndroidの場合でも、紐付いているAppleIDやグーグルアカウントを通じてクラウド上へ保管されています。これらをCSV変換して他のソフトで活用、と言う方法も考えられますね。

名刺アプリのデータ

スマホなどで活用されている名刺アプリ(名刺をカメラで撮るとアドレスや電話番号を自動登録してくれるっていうスグレモノ)も、クラウドサービスを通じてデータをCSV変換出来ることが多いようです。また、アプリで取り込んだ情報を直接Googleコンタクト(Googleのアドレス帳)などへ変換して登録する機能を備えているものもあります。

スマホのアドレス帳機能を軸に

筆者(岸本)の経験上、一元管理するのであればGoogleなりAppleなりスマートフォンのアドレス帳機能を中心に仕組を作るのが最も効率が良さそうです。

名刺アプリ→Googleコンタクト

すべてのアプリではありませんが、名刺管理アプリのいくつかは「取り込んだデータをそのスマートフォンのGoogleContactへ自動登録」と言う機能があります。

Gmail→Googleコンタクト

お使いのGmailへ届いたメールの差出人アドレスなどは、当然Googleコンタクトに簡単に追加登録が出来ます。

Googleコンタクトで整理して他で利用

Googleコンタクトでは、メールアドレスだけでなく、電話番号・会社名・住所も整理して記録することが出来るようになっています。

私個人の経験上の感想ですが、Googleコンタクトの情報をブラウザ上などで整理し、それをCSVファイルへ変換して年賀状ソフトやその他の取引先情報を管理するアプリへ連携させる(インポートする)のが、いまのところ最も効率がよく便利のような気がします。