この解説記事はクラウド会計ソフトfreeeについて、小さな会社・お店で実際に導入する場合の様々なメリットや課題を解説する記事です。
クラウド会計ソフトって?
パソコンの中にインストールして使うのではなく、「インターネット上に用意された機能をパソコンやスマートフォンから利用する」というタイプの会計ソフトです。その代表格のひとつが「freee」です。一般的にクラウド会計ソフトには以下のような特徴があります。
常に最新の機能を利用できる
「インターネット上に用意された機能」が随時機能追加・更新されるので、利用する側は常に最新の機能を利用することが出来ます。また「消費税率が変更になった」「税法が変わった」というような場合でも、ソフトウェア提供側がどんどん対応してくれるので、利用者はそういった「ソフトウェアのバージョンや更新の必要」などを意識せずに利用できます。
複数の端末から利用できる
特定のパソコンや端末へインストールされているわけではなく、ネット上の機能にアクセスするものなので、複数の端末から利用できます。つまり、「事務所のデスクトップパソコン」からも「出先のモバイルノートパソコン」からも、また「スマートフォンなどの携帯端末」からも会計ソフトにアクセスして利用することが出来ます。
複数のユーザーで共有できる
ほとんどのクラウド会計ソフトで「複数のユーザーで同じ会計データを共有できる」機能が備わっています。このため、自社の会計データをネット経由で直接、顧問税理士に確認してもらうことも可能です。つまり、毎月毎月、月次監査や会計データの受け渡しのために時間調整して会社に来てもらったり、会計事務所へ行ったりする必要がほとんど無くなるというワケです。
デメリットは?
クラウド会計ソフトを使うデメリットは?というと・・・実際にはほとんどありません。敢えて以下の点を挙げておきます。
- 情報漏えい・・・意図的にネット上のデータをプリントアウトしたり、メールで転送したりなどしなければ、まず起こりません。
- 不正アクセス・・・これも、パスワードを安易なものにしない、定期的に変更する、ユーザー管理を徹底するなどの「基本的なセキュリティ対策」をしておけば防げます。
- ネット接続トラブル・・・そもそもインターネットに繋がらないと使えないというのはリスクになります。ただ、日々定期的に使う会計ソフトであれば、例えば「1週間に一度データバックアップをとっておく」などの対処でこれもある程度回避できます。
freeeってどんなソフト?
ブラウザ(インターネット閲覧ソフト)で、ネット上のWebサイトへアクセスして利用する会計ソフトです。トップ画面は図のような感じの画面です。
ひと目で状況が分かる
トップ画面をスクロールしていくと図のようなグラフでの収益表示が出てきます。
銀行口座・クレジットカードの自動同期
インターネットバンキングに対応している銀行口座や、Web明細の取得が出来るクレジットカードなどを登録しておくと、これらの明細が自動で取り込まれます。この自動同期機能は非常に便利です。何が便利かって
- 銀行口座・クレジットカードの利用記録を会計ソフトに入力する必要がほとんど全くなくなる
- 金額はドンピシャ間違いなく入力してもらえる
- 使いながら修正していくことで「科目」や「摘要」なども自動化していく
つまり、これまで手入力で銀行口座の明細やクレジットカードの利用記録などをいちいち入力していた手間がほとんどゼロになるというわけです。
領収書アップロード・自動読み取り機能
入力した仕訳記録に対して、該当する領収書や請求書・利用明細などをデータでアップロードして紐づけておく事ができます。つまり「入力した仕分け記録の証憑となる明細を、あとからその場で画面で確認できるようになる」というわけです。
また、領収書などをアップロードする際に、あらかじめ仕訳記録を記録していなくても「日付、金額、摘要」などを読み取って記帳してくれる機能もあります。
これらの機能も「会計・経理作業」を劇的に省力化してくれますね。
モバイル対応
iPhone、アンドロイドの各モバイルに専用のアプリが提供されています。このアプリを通じて、例えば「出先で受け取った領収書を写真で撮り、freeeへアップしておけば、金額・日付・摘要から自動で仕訳処理してくれる」というような使い方も実現できます。
freee、どんな事業者に向いている?
クラウド会計ソフトfreee、提供側のfreeeからは「個人から大企業まで」とあらゆる事業者に利用出来るとしていますが、まあそれはあっちも商売だからそう言いますね^^;。で、弊社で実際に使ってみてどうか?というと・・・
個人事業主・小規模企業に向いている
個人事業主の方ならfreeeを利用するのはとってもオススメです。とにかく忙しい自営業の方にとって「経理処理の効率が劇的に上がる」のはそれだけでも大きなメリットです。
また、法人でも特に「小規模企業」に該当する事業所様にはオススメです。クラウド会計の利用をきっかけに、事務作業やバックオフィス業務というのが非常に効率化できた、という事例も多々ありますし、何より「経理がラクになる」というのは個人の方同様、大きなメリットですね。
利用料金は?
2018年6月18日時点で、利用料金は以下のとおりです。
個人事業主の方
プラン名 | 金額 | 概要 |
スタータープラン | 980円/月(税抜) | 基本的な仕訳記録と確定申告機能 |
スタンダードプラン | 1,980円/月(税抜) | ファイル保存や定額請求機能など業務効率化機能が充実 |
プレミアムプラン | 年額39,800円(税抜) | 部門別管理や組織管理機能が充実 |
法人の方
プラン名 | 金額 | 概要 |
ミニマムプラン | 1,980円/月(税抜) | 基本的な記帳機能 |
ベーシックプラン | 3,980円/月(税抜) | 経費精算・請求書発行・部門別管理 |
プロフェッショナルプラン | 39,800円/月(税抜) | 管理会計機能(予実管理・資金繰りなど) |
エンタープライズプラン | 要問合せ | 大企業向け ワークフロー機能など |
現在別の会計ソフトを使っていたら?
弥生会計とか、別の会計ソフトからfreeeへ切り替えるのは作業としてはそれほど難しくありません。会計期間の途中でも乗り換えようと思えば乗り換えられます。ただし、以下の点にご留意ください。
会計事務所・税理士さんへ相談
経理処理・確定申告を自分でやっているのではなく、会計事務所や税理士さんへお願いしている場合には、会計ソフトが変わると色々対応が変わることもあります。まずは税理士さんへ「会計ソフトを変えたい。」「freeeへ切り替えたい」とご相談されると良いでしょう。
付随する事務作業の手順などが変更になる
会計ソフトを乗り換えればどんな場合でも、多少パソコンの操作方法や手順が変わります。freeeの場合、特有の機能を利用しようとすると、これまでやっていなかった作業が発生したり、新たなパソコン操作を覚える必要も出てくる場合があります。(領収書をスキャンするために、スキャナの操作を覚える、など)
単に「勧められたから」「便利そうだから」と安易に考えず、慎重に必要性や効果などを検討した上で乗り換えましょう。
ぜひ事前にご相談を
弊社では、会計ソフトfreeeの公認アドバイザー資格を取得しています。また、ITコーディネータ資格も取得しておりますので、会社業務でのIT活用・freee導入について様々な角度からご相談・支援を承ることが出来ます。
freeeに変えてみようかな?freeeを利用してみようかな?と思ったら、ぜひご相談ください。
コメントを投稿するにはログインしてください。