経営や業務の目標を的確に達成して成果を上げるための活用指標「KGI・KPI」。このページでは「小さな会社・小さなお店の経営者様の実践に役立つためのKPI解説」としてお届けします。
KGIとは?KPIとは?
KGI = Key Goal Indigator、KPI = Key Performance Indicator、の略です・・・と言ってもナンのことだかサッパリ分かりませんね(笑)。初めてこの用語に触れた方には、何となく難しそうでとっつきにくい感じを受けるかもしれません。これは「事業経営を(ある程度)科学的・客観的に推進していき業績を上げるため」の目安となる指標のようなものです。
KGI
事業や業務の目標を達成する際の具体的な目安、目標値。言い換えると「何をもって、その事業(や、あるいは業務)の目標が達成されたと判断すればよいのか?その数値と意味」のことです。
KPI
目標を達成する過程で計測すべき中間指標。言い換えると、「目標を達成するまでの過程で、どのような点に着目・努力して経過を観察すれば良いか?その指標の意味と数値」のことです。
計画や目標達成には具体的な「数値」「期間」「指標」が必要
少し具体的な例で説明しましょう。
お店を営んでいてある売出しキャンペーンを計画し売上アップを図りたい、と考えたと仮定しましょう。
売上アップを実現するにはどうすれば良いか?・・・一生懸命お店でニコニコ愛想よくする?店頭に大きなポスターや看板を立てて目立つようにする?・・・もちろんそういう努力も必要ですけれど、まずはじめに「売上アップって、どのくらい売り上げれば良いのか?」を決める必要がありますよね。1ヶ月間キャンペーンを行うとして、その間にどのくらい売り上げれば「売出しキャンペーン成功!」ということになるのか・・・目標値がなければせっかく頑張っても「成果が出たのか、出なかったのか、分からないまま」になってしまいますね。
KGI
よし、売出しキャンペーンの1ヶ月間の間に、平月より30万円売上を上乗せすることを目標にしよう!!
「キャンペーン中にいつもより30万円売上アップ」・・・これがこのキャンペーンのKGIになります(平月の売上が100万だとしたら、キャンペーン中は130万円に達していれば、そのキャンペーンは目標達成ということになる)。
では、30万円売上上乗せを達成するのには、どうすれば良いでしょうか?・・・1ヶ月間(30日だとして)の間に1日1万円ずつ余計に売れば目標達成、なので、1日1万円売上上乗せ、それが中間指標KPIだね・・・ではないんです^^;。
KGIとなった目標を幾つかに割るとか振り分けるのではなく、毎日売上1万円を更に上乗せするためには、何をどのくらい努力すればよいのか?について、いわばその努力目標を具体的に数値化するのがKPIです。→なので、実はこのKPIをきちんと定めるのが案外難しくて大変なんです^^;
KPI
例えばこのお店では店頭で接客(商談)しながら販売をしているお店で、商談中にお買い求めの品のオプション品や別のおすすめ品を提案すると、10人に1人くらいはその提案に乗って1万円くらいの売上上乗せが見込めるものだ・・・という経験則を持っていたとしましょう。
すると、来店して商談をさせていただけるお客様を10人確実に掴み、その10人のお客様に必ず「オプション品やおすすめ品の提案をする」という営業努力をすることで、1万円の上乗せを実現することができそうです。
なので、お店で商談に臨むスタッフの方たちに「商談中に必ずオプション品をおすすめする」という努力を周知徹底して、「1日10人以上にこのオススメ営業をする」ということを1日の目標にすれば・・・?これが、このキャンペーンのKPIのひとつとなります。
1日10人以上におすすめ営業する→その内の1人くらいが「+1万円」を買ってくれる→結果、1ヶ月間に30万円売上アップ
1日10人以上のお客様にこの努力を行えているかどうか?が目標達成の一つの目安になりますね。(ただし、現実には「じゃあ1日10人以上の接客・商談営業が出来るお客様を呼び込むには何をすればよいのか?」など、更に踏み込んだKPIの設定が必要になりますが)
KGIがあって、KPIがある
このように、KGIで設定した目標を達成するための「指針」となるものがKPIです。平易な言葉で言い直すと、「計画や目標をちゃんと数値化すべきで、その数値をクリアするのに何をすれば良いか?」・・・これがKGI・KPIという指標を使って事業を進めていくということの意味です。
KPIを活かすための大前提
KGI、KPIという用語をネットで調べて解説記事などを読むと、多くのサイトで「SMART」というこれまた横文字の用語が出てきます。これはKPIを的確に活かして成果を出すために必要なことがある、という考えのことなんですが、難しい話はさておき、分かりやすくポイントを解説すると
- 単純明快な分かりやすい内容になっている必要がある
- きちんと測定し判断できる「数値」になっている必要がある
- ムチャクチャなノルマ的な指標でなく、現実的に関係者が納得できる数値・指標になっている必要がある
- 経営目標や会社のあり方などと矛盾していない、一貫性を持っている必要がある
- 期限やタイミング、測定する範囲などが定められている必要がある
ということです。言われてみれば当然といえば当然、なんですけれども、これが現実に「KPIを設定しよう」という話になった時に案外きちんとクリアできていなかったりするんです^^;。
例えば、ということでよく陥りがちな「ミス・間違い」を少し挙げておきます。
例えばこんなミス
設定が曖昧で結局何をしたら良いのか分からない
「新規顧客獲得10件!」とKGIを設定したのは良いものの、KPIが「新規顧客への訪問・アプローチを増やす」となっていたら・・・これでは「それで、新規顧客へ訪問するためには何をどうすれば良いのよ?」と営業マンにしてみれば「そう指示したい気持ちは分かるんだけど、だからそれをどうやれば良いんだよ?」とツッコミたくなったりしますね。また、「増やす」って・・・どのくらい頑張れば良いのかも分かりません。
目標と中間指標がズレている
「新商品の売上数100個!」とKGIを設定しているのに、中間指標のKPIが「既存商品のお客様からの問合せ件数(をアップする)」とか「既存商品の販売価格を5%値引く」とか、そういう設定になっていたら・・・?そんなに分かりやすいミス(ズレ)なんて現実にはやらないよ、と思うことなかれ。実際これに近いような目標と指標を設定して一生懸命測定しているという会社もあるのです・・・これではそもそも努力が報われない恐れがあります。
目標設定と指標測定は慎重に
的確な目標設定と、その達成のための指標測定が適正にできれば、望んでいる業績や結果を上げることが出来る可能性は飛躍的に上がります。的確な設定ができれば、あとはホントにひたすら努力してゴールへ向かうことができますから、ね。
それだけに、最初の目標設定と途中の指標測定は慎重にも慎重を期す必要があります。
あなたの会社・お店でもこういう目標設定と測定を活かして成果を上げたいとお考えになったら、まずは専門家にご相談ください。弊社では小さな会社・小さなお店のKGI・KPI設定と活用の支援を専門に行なっています。