インボイス制度に対応しないとどうなるか?

インボイス制度対応の解説記事です。この頁では「インボイス制度に、もし対応せず何もしなかったらどうなるか?」を解説しています。

インボイス制度に対応しないメリット

こんな事を書くといろんな方面から多大なお叱りをいただきそうですが、敢えて書いておこうと思います。

1.請求書発行事業者番号など面倒な手続きをしなくて済む

インボイス制度の解説記事や制度対応セミナーでは、やたらと難しい話や、なんかも~~~~んの凄い覚悟をしなきゃならないようなビジネスの話が満載です。

その最たるものが「課税事業者の届け出」「適格請求書発行事業者番号の発行」「適格請求書の作成」「帳簿や会計管理のシステム化」です。

インボイス制度に対応しない、と決めてしまえばこのうちの、番号取得や請求書の作成という手続きは行わずに済みます。

2.取引先などからのプレッシャーから解放される

インボイス制度対応しない、と決めてしまえば、対応を求められていた取引先や客先からも「あ、あそこは対応しないのね」と判断されて、それ以降「インボイスの適格請求書発行事業者番号を早く取ってください」みたいなことは言われなくなります。

ただしこれはこの後ご説明する「デメリット」と表裏一体です。

インボイス制度に対応しないデメリット

一方、インボイス制度に対応しないままでいると、当然デメリットも生じます。

1.消費税分をもらえなくなる

以前までは消費税も含めて請求金額(報酬など)を貰えていたのに、対応しないことでインボイス制度開始後は消費税分を差し引かれて支払われる場合があります(というかほぼ間違いなくそうなります)・・・対応しない事業者は「消費税を納付しない」といっているわけですから、これは当然ですね。

2.取引先から取引停止にされる(付き合いを断られる)

消費税分を差し引いて支払われても良い、とこちら側が納得したとしても、それで済む話ではありません。取引のある相手にインボイス制度非対応の事業者がいるというのは、相手先に取ってみればとんでもなく面倒くさいことなのです(会計・経理処理がとんでもなく複雑になるため)。

そのため、取引相手によっては「そんな面倒くさい事をしてまでも付き合うような相手ではない(他にも取引相手・選択肢がある)」と判断されれば「取引を中止」ということにもなってしまいます。

一般的には、メリットよりもデメリットのほうがはるかに高いと言われています。そりゃあ、「消費税分金額を減らされる」とか「取引停止になる」というリスクは計り知れないデメリットだと思います。

ただ、どんな事業所・事業者・フリーランスの方でも「たった1社とだけ付き合う」ということはあまりあり得ません。いくつもある多くの取引先全体の状況やバランスを考えて、メリット・デメリットを賢明にご判断されることをおすすめします。