筆者(岸本)が独立開業、ITC資格を取得して「何とか食えるようになった」体験記その7
地元金融機関へのアプローチその1(屈辱編)
屈辱編とわざわざ書いているとおり、今回の解説は「失敗談」に近い話です(ただ、コレが後で効いてくるんですが)。
独立系ITコーディネータの方へのアドバイスでよく「地元の金融機関や支援機関へ積極的にアプローチすべし」的な話を聞きますが・・・じゃあ実際やるとどうなるのか?という体験記です。(ただし、この体験記は2008年〜2009年頃のことなので、2021年の現在では少々事情が違うかもしれません)
きっかけは客先の社長さんからの紹介
何度も同じこと書いて恐縮ですが、筆者(岸本)はとにかく超人見知りなので、自ら飛び込んでいってアピールする、なんていうアプローチ手法は取れませんし、コワくてそんなこと考えたこともありません。
きっかけは、当時お付き合いの始まった客先の社長さんから薦められた、というものです。その社長さんいわく
「岸本くんのような、色々多岐にわたってITの相談・サポートをしてくれる人というのは小さな会社にとっては非常にありがたい。地元の信金さんなんかは、そういう顧客企業をたくさん抱えていて必要としているだろうから、一度そういう話を信金さんにしてみたらどう?自分が信金の経営者同友会の支部長しているから、本部の方に紹介してあげるよ」
とのこと。
これはまさに待ち望んでいた「コネ」というやつで(笑)・・・二つ返事で、むしろこちらからお願いしたいという感じで地元の信金さんへ連れて行っていただきました。
全く取り合ってもらえず
ところが・・・紹介していただいた地元信金の本部(法人営業部)という部署の方とお会いして(もちろん、その社長さんも同席)、色々提案資料や自分のプロフィールなどの資料を提示したにもかかわらず・・・ほぼその場で門前払いでした。具体的な話をすると
- ITコーディネータというのは、何をする専門家なのですか?国家資格ですか?
- 国家資格者でもない方に、当信用金庫の顧客を紹介しておまかせするには、なにかきちんとした根拠が必要です。これまでの法人支援や経営コンサルティングの実績を出してください。
- ITの専門家なら、当金庫に出入りしている業者でももっと大きくて信頼の置けるIT会社や専門家がいるので、必要ないです。
まさに、「けんもほろろ」を地で行ったような対応でした。
同席してくださった社長さんも色々取りなしてくれたのですが・・・結局この時にはなんの成果もなく、ただただ私の心のなかに「信用金庫にアプローチしてもITコーディネータじゃ全然通用しない」という絶望感だけが残りました。
すべての金融機関、なわけではないけれど・・・
すべての信用金庫・すべての金融機関がこんな冷たい対応、というわけではないと思いますが・・・ただ私の知る限りでは、特に信用金庫さんというのは「味方に付けると非常に心強い」ですが、そうでない状況(何も付き合いのないところからアプローチをしてみたり・・・)では、非常に腰が重く旧態然とした感じの印象です。
あ、誤解の無いように・・・この記事を書いている2021年6月13日の時点では、私(岸本)は、いくつかの金融機関さんと非常に良いおつきあいをさせていただいておりますので・・・まさに「きちんと連携できるだけの信頼関係を結べば、とても心強い連携先になる」のは確かなのです。
が、だからといってそれを期待して「ITコーディネータです、企業のお役に立てると思いますから、ぜひお付き合いしてください」というようないきなりなアプローチをしても、まずうまく行かないだろうことを知っておくと良いかと思います。
もし、金融機関さんとの付き合いを構築し、仕事獲得や仕事の幅を広げようというのであれば、まず最初は誰か(信用金庫側にとって)信頼のおける方からの紹介や橋渡しをしていただくのが良いか、と思います。
金融機関さんとの関係構築ができたきっかけは?
さて、ここまでお読みいただくと「じゃあコイツ(岸本)は、その後どうやって金融機関との関係を構築したんだ?」というところを知りたくなることだろうと思います。
この点については、次の記事(その8)でお伝えしようと思います。
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