筆者(岸本)が独立開業、ITC資格を取得して「何とか食えるようになった」体験記その6
仕事が獲得できるようになったきっかけ
独立開業してITC資格を取得し、なかなか思うように仕事を獲得できず、ハッキリ言えば「鳴かず飛ばず」だったところから、どういうきっかけで仕事を取れるようになったのか?・・・この体験記その6ではその点に絞ってお伝えしようと思います。
ただし、読み間違えないようにご注意ください「ITCとして食えるようになったきっかけ」ではなく「事業として仕事が獲得できるようになったきっかけ」についての体験記・解説です。
地元地域のコミュニティに参加
直接的なきっかけは、2007〜2008年頃に、偶然紹介された地元(静岡県沼津市界隈)の地域コミュニティに参加したことがきっかけです。当時、仕事が取れなくて、その原因が「信用力」と「人脈・コネクション」の欠如だと考えていた私は、「とにかくナンでもいいから、付き合いの幅を広げたい」と模索していました。
ただ、プロフィールの回でも書いたとおり私は「超」が10個くらいつくほどの人見知りで、自分から進んでなにかのコミュニティに入り込むなんていうことは、逆立ちしてもできませんでしたから、2004年あたりからひたすら「待ってるだけ」という、今考えるとなんともヘタレな状態でしたが・・・それでも偶然がいくつか重なって、地元の「地域おこしをしたい」という方たちの集まりに参加したことがきっかけです。
「ITにムチャクチャ詳しい人」という認知をされるように仕向ける
「仕向ける」というとあざとい感じですが、実際そうでした。創業当時から2007年頃までの間に体験した実に様々なサポートの経験から、当時私は「個人的なパソコンやITに関する質問や相談」についてはたいていどんな事でも即座にその場で答えられるように、いつの間にか鍛えられていました^^;・・・地域おこしをしたいという方たちの中で、例えば以下のようなことをいきなり質問されたりムチャぶりされたりしたんです。
- こういう集まりに参加したときに、自宅のPCに届いたメールをこの場で確認したいんだけど、どうすればいい?(お金はかけられないからタダで)
- コミュニティに参加している15人位の間でリアルタイムに連絡・相談をしたいんだけどどうすればいい?(当時LINEもFacebookもまだなかった)
- NPOみたいなものを立ち上げたい。ホームページも作ってアピールしたいけどお金ないからタダでホームページ作れないかな?運用コストもゼロえんでできるやつ
もちろん、これでは仕事になんかなりません・・・けれども、そういう事について、いちいち全部その場で「こうしたらいい」「それならコレだね」と即答できることを続けていることで「この人、IT関連のことなら大抵なんでも相談できるな」という印象をとにかくアピールしたのです。
(実はここ、今にして思うとかなりポイントだったような気がします。私自身としてはITコンサルとしての自信なんで微塵もありませんでしたが、それでも一般の方と比較したら、かなり色々なことを知っている・経験しているので、それを普通に話したりしてるだけでも「ITに詳しい」ということになるんですよね・・・ITC資格をお持ちの皆さまで「自分はIT系出身じゃないから」という方も、「ITに詳しい・頼れる」という印象を自ら演出する、というのはちょっとした仕事獲得のポイントになるかもしれません)
その結果、コミュニティに参加して数カ月後、そこに参加していたある会社の経営者さんから(地元で地域おこしみたいなものに参加している人って、事業主とか会社経営者とか、結構いるんですよね)、「ウチの会社のホームページ、作りっぱなしで放置状態なんだけど、相談に乗ってくれない?」というお話をいただきました・・・実はこの案件が「法人のお客様から頂いた初の依頼案件」です^^;
実際はムチャクチャ詳しいスーパーマンな訳ではない
さて、こう書くと読者の方は「筆者の岸本というひとは、よほどマルチになんでもできるスーパーなITコンサルなのか?」という印象を持つかもしれませんが、実際には全くそうではありません。正直言うと「ちょっとパソコンに詳しいそこらのオッサン」と何ら変わらないと思います。
ただ、そんなことを仕事を取るときに言っては元も子もありませんので、「この人詳しいんだな」と思われたら、そこは否定したり謙遜したりせずに、その印象・期待を裏切らないように対応しています。
また、仮に自分の全然詳しくない分野を相談されたとしても、とにかく仕事として「受ける」ようにしています。
上記の初案件という法人のお客様のHP運用サポートの際も、実際そうでした。私はもともとWeb屋でもデザイナーでもなんでもないので、ホームページの制作やデザインを専門的に引き受けられるようなスキルは皆無、ゼロです。けれども、この社長さんが望まれているのは「作りっぱなしの放置状態のHPをどうにかしたい」であって、「Web屋さんに正式にホームページのリニューアル依頼をしたい」ではありませんでした。
そのことをきちんと確認(社長さんご本人に面と向かって話をして)し、「私はWeb専門ではないので、ホームページ作り直してくれと言われたら巷のホームページ業者さんよりクオリティがガクンと劣ります。けど、社長がご希望の、とにかくこのホームページをなんとかテコ入れして会社の役に立つようにしたい。経費ばっかり食うお荷物状態をなんとかしたい、ということについては、全力で実現できるように取り組みます」と・・・まあなんだか宣言のようなことをして仕事を受けました^^;
ひとつの案件が次を呼び込む
ご紹介した「初案件」を受けたあと、その話が参加していたコミュニティのなかでなんとなく広がり「岸本さんてのが、ITのことで色々相談に乗ってくれて頼りになるらしいぞ」という話がなんとなく伝わっていって、色々なところから徐々にお声をかけていただくようになりました。
徐々に・・・というのはどのくらいのペースかというと・・・1年間に2〜3件くらいです。(件数としては大したことありませんね^^;)
まだ、この時点では「一気に飛躍してガッポガッポ儲かるようになった」なんて話とは程遠い話です。(←いやこの記事書いてる2021年6月12日時点でもガッポガッポ儲かっちゃって、なんてことには残念ながらなっていませんが)
ただ、法人案件・あるていどまとまった仕事量の案件というのを全く獲得できなかった2001年〜2005年頃に比べれば、私としてはこの「コミュニティへの参加がきっかけで仕事を取れた」というのは、非常に大きな進歩でした。
参考までに・・・そのコミュニティはその後参加をやめています
参考までに、そのコミュニティへの参加は2011年頃まで続きましたが、あまり積極的な参加・関わりはせず、2012年頃には参加をやめています。
コミュニティの活動趣旨が「町おこし・地域活性化」という内容で、私が本来事業として取り組みたい「企業・事業主さまへのIT利活用の支援」とはあまり関係のない活動が増えてしまったからです。
さて、今回の記事では「仕事を取れるようになり始めたきっかけ」を私の体験談という形でお伝えしました。ポイントとしては「とにかく、自分を評価してもらえる場を作り、そこで地道なアピールを続ける」ことだろうと思います(ただし、「仕事が取りたい」感ばっかりをアピールしてしまうのは、かえって逆効果になると思いますので、そのあたりの空気感やさじ加減は慎重に^^;)
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