筆者(岸本)が独立開業・ITC資格を取得して「なんとか食えるようになった」体験記その3
独立開業~2019年までの売上推移
「最初は食えなかった」「その後今は何とか食えるようになっている」と何度かお伝えしていますが・・・赤裸々にお伝えすると言った以上「それ、具体的にどういうことなのよ?」という情報をきちんとお伝えすべきだと思います。
そこで、独立開業の2002年~執筆時点直近の2019年までの、事業売上推移をご紹介します。私が「食える」「食えない」(=生活出来る・生活できない)と言っているのがどういうレベルの金額を言っているのか、そのことを知っていただくことは今後の記事を読むか読まないか、参考にするかしないか、の重要な情報になると思うからです。
年(期間) | 売上額(概算) | 備考 |
独立年(2002年3月~12月) | 135万円 | 独立直後。ITC資格は未取得。個人向けのITサポートがほぼ全て |
2003年1月~12月 | 264万円 | 元いた家電量販店から少しずつ仕事をもらうようになる |
2004年1月~12月 | 380万円 | ITC資格取得(この当時は「ITC補」)
オリンピック中継のための家電設定などITとは関係ない仕事をけっこうな数こなして売上を立てる |
2005年1月~12月 | 519万円 | なぜか「パソコン買換え・設置」の仕事が増える(紹介元は家電量販店) |
2006年1月~12月 | 542万円 | 「ITC」として認定(「補」が取れた(^^))
2005年からほぼ横ばい。自分としては「低迷期」と認識している。 |
2007年1月~12月 | 627万円 | 地元の人脈が少し増える→この人脈で「職業訓練校のPC講師」を務めることが出来たため収入増加 |
2008年1月~12月 | 585万円 | 2007年の職業訓練校講師の仕事はなくなり、もとのITサポートだけになったため元収入減る |
2009年1月~12月 | 942万円 | 「パソコン整備士」という資格を取ったら元締め会社から「地元での資格講座講師をしてくれ」と依頼され、それが160万円近くになり前年に比べてぐっと増加 |
2010年1月~12月 | 785万円 | 前年のパソコン整備士資格講師の仕事がなくなったため収入源。ただ講師業務を通じて「パソコンの相談・サポート」件数が増えた |
2011年1月~12月 | 657万円 | 講師仕事や紹介仕事がほとんどゼロになり再び「ITサポートだけ」の収入に戻る |
2012年1月~12月 | 762万円 | 過去のお客様からの再依頼や、お客様をご紹介いただくことが増えてきて、ITサポート業務が自然増 |
2013年1月~12月 | 730万円 | 前年に引き続きお客様からの紹介案件が増える。この頃から「固定客(=定期的に訪問・サポートする契約)」が取れるようになり、額は少ないが安定収入が月額10万円程度入るようになる |
2014年1月~12月 | 1410万円 | この年「ハードウェア代金350万円(PC15台、プリンタ数台等を事業所へまとめて納入・設置)」という(ウチにしては)大きな仕事(結果売上としては500万円近くになった)が、を1件獲得したため、一気に売上が1000万円超えとなる。
ただしこれも「ITC」としてではなく「地元でパソコン設定とかサポートしてくれる小回りのきく業者」ということでご指名いただいての仕事。 |
2015年1月~12月 | 1210万円 | 前年の大きな仕事がきっかけで、地元の「コピー機販売会社」さんから色々紹介をされるようになり法人案件が増える
はじめてミラサポ登録する(←ここは「ITC」資格が役に立ちました) |
2016年1月~12月 | 995万円 | 法人(小規模事業所さん)との定期契約が結べるようになりはじめる。それら固定客の「パソコン入替え」「ホームページリニューアル」などIT関連の仕事をほとんど受けられるようになったため、この年大きな案件はなかったものの、900万円超えの売上を獲得できた。 |
2017年4月~2018年3月(法人化) | 1132万円 | ・IT導入補助金スタートに伴い、事業を法人化
・ミラサポ専門家派遣等での案件が入り始める
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2018年4月~2019年3月 | 1446万円 | 商工会・商工会議所さんとの付き合いが始まる。地元の小規模事業者様へのまとまった支援案件が増えたため収益増加 |
2019年4月~2020年3月 | 1570万円 | キャッシュレス決済・クラウドPOSレジ導入の案件が急増。小額(数万円~10万円)の支援案件をかなりの数こなしたことにより売上が積み増しされた。 |
売上推移の補足説明
創業時から2016年までは個人事業主でした。2017年以降は法人化しているため法人決算の金額(=実は正確にはこの数字ではありませんが、この点は法人化のことを書く記事でご説明します)。
また、ご紹介した金額は「事業売上高」です。
この中には当然「仕入高」や諸々の事業経費も含まれるため、最終的に「私個人としての収入」はこんなに多額ではありません。
法人化した現在、筆者(岸本)の収入は法人からの「役員報酬」が全てですが、役員報酬額は、私(岸本)が「月額26万円」で、同じく役員になっている家内が「12万円」つまり、所帯としての収入合計は「36万円」です。
・・・正直、法人経営の会社の社長の所得としては「ショボい」と言っていいほど低い金額です・・・が、1世帯で36万円の収入であれば、暮らしていこうと思えば暮らしていけないことはありません。
参考までに個人的な話ですが、ウチの夫婦は子宝に恵まれなかったため、夫婦ふたり&両親同居&わんこ1匹という暮らしです(子供をお持ちの方にかかる「教育費」「生活費」などがそれほど大きくのしかかってきていない)。
・・・と、2002年に「年商130万円(このとき所得額は1年間で60万円くらいでした)」からスタートして、18年後の2020年現在、「年商1500万円、所得額1ヶ月36万円くらい」というくらいまでは食えるようになりました、という話です。
この金額・推移を「そうか、徐々に食えるようになってきてよかったね」と評価されるか、それとも「20年近くもやってて月額30万そこそこしか収入がないのか、ダメじゃん」と評価されるかは、お読み頂く皆様におまかせします。
ただ、今後この連載解説記事では、こういう金額規模感を持っている人間が執筆する、ということを前提にして書き進めますので、この先お読みになって参考にするのか、それとも参考にならないからヤメとくか、の判断材料にしていただければよいかと思います。
ちなみに上記の推移表で、「ITC資格取ってて役に立ったなあ」と思ったのは、2015年のミラサポ登録あたりからです。
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