ITコーディネータ独立開業録~その1~

この記事を読もうとされている方の多くは、「とにかく概略だけかいつまんで知りたい」だろうと思いますので、まずは全体をざっとメモ的に書いておこうと思います。

筆者(岸本)はどんな経歴の人物?

自分でこういうの書くのは非常に憚られるのですが、ここから先の記事をお伝えするのにあたり重要なポイントも含まれているので・・・箇条書きで^^;

  • 大学文学部卒業。ただし8年間通っています(ストレートで入学して卒業したのが26歳)
  • ドラッグストアチェーン勤務・家電量販店勤務の20代・30代
  • IT関連の系統立てた教育訓練や、実務経験は一切なし(今のスキルは全部独学です^^;・・・なので偏ってるかも?)
  • 34歳で結婚、その直後に独立開業
  • 2004年ITC資格取得(最初は補でした)
  • 最初は「パソコンサポート」「ITなんでも屋」でスタート
  • 事業系のITサポートに取り組み始め、それ以来ずっと「小規模事業者」への支援だけしかやってない
  • 2012年まで8年間、ITCAへの毎年の報告・アンケートには「資格取ったのに全然食えないじゃないか、どうしてくれるんだ」と噛み付いていました^^;
  • 現在(2020年年末)時点では、家族を養って暮らしていける程度には所得が獲得できるようになっています

・・・詳しくは詳細記事で自己紹介させていただきますm(_ _)m

ITC資格取得してすぐ食えるようになったの?

上記経歴でも書いたように、2012年・2013年ころまでは、正直言うとITC資格では全く食えませんでした。ITC資格を持っているから獲得できた、という仕事は2004年~2014年までの間で、ゼロ件です。

どうやって仕事を獲得したの?

事業そのもののスタート時には、「ITサポート屋」でしたので、元いた家電量販店さんから「パソコン新規購入時の訪問設定サービス」みたいな仕事を紹介してもらって食いつないでいました。

スタート当初から「仕事になるのならナンでもやる」というつもりで取り組んでいましたので、特に最初の2年間くらいは実に色んな仕事を受けたと思います。覚えているだけでも

「パソコンの設定」「アダルトサイト閲覧してしまってエラいことになったパソコンのメンテナンス・復旧」「自分で作りたいからホームページ・ビルダーの使い方教えてくれ、のサポート」「パソコンで囲碁やりたい方へのゲームソフトのインストールと使い方説明」「リースされた複合プリンタ(ゼロックス)と新しく買ってきたパソコンの接続設定」「PostPetの使い方教える」「年賀状作成のサポート」「結婚式カメラマンに依頼されて写真データをデジタルアルバム化する」「タイムカードに打刻したデータを集計して給与計算に使いたい(給与計算ソフトは高いからイヤだ)」「お孫さんのPlayStationをネットにつなげてネットゲームできるようにしてほしいというお婆さんのご要望サポート」「オリンピック中継をPCで録画できるように設定サポート」「なんかNTTから来たとかいう業者が入れてったネット回線がよくわからないから設定とか調べてほしいというご相談対応」

・・・まあとにかく「なんでも」でした(笑)・・・さすがに53歳になった今じゃあコレは出来ないかなあ・・・?

ちなみに上記の仕事の獲得経路は、「古巣の家電量販店から紹介」「タウンページに掲載していたのでそこからいきなり電話がかかってくる」「紹介の紹介」がほぼ全てです。

どうやって顧客獲得したの?

元々「飛び込み営業」みたいなことは全く出来ない人見知りです。このため、訪問営業とか、紹介もなしにアポ取って営業とか、ただの一度もしたことがありません。

上記でご紹介したような「なんでも屋」仕事の先で、仕事を終えた後「なんでもご相談にノリますから、特にパソコンを仕事で使ってて困ったというような方がいたり、お客様ご自身が困ったりしたらいつでもご連絡下さい」と、それだけは必ずお話するようにしていました。
そしたら、訪問した後ナンヶ月かたって「あのとき来てもらった○○だけど、こういう事お願いできる?」みたいな問い合わせがポツリポツリとくるようになりました。

その後は、少しずつ「紹介の紹介」が増えはじめて、今に至る、です。

食えるようになったきっかけは?

正直申し上げて、独立開業(2002年)~2010年ころまでは、本当に食えませんでした。何とか廃業せずにギリギリ持ちこたえていたような状態です(そのあたりの具体的な話は詳細解説記事で赤裸々に^^;)。
きっかけは2008年頃に、地元のつながりで地域おこしのNPO法人設立のお手伝いをしたのがきっかけです。それまで、本当に人脈に乏しかったのが、地域づくりの活動をしている方たちと多少関わることで、ご相談やご連絡をいただく相手が増え始めたのがきっかけです。

仕事は単発?継続?

私の場合、とにかく色んな事で支援先のお客様と「関わる」ことが仕事につながっているため、「単発で終えてハイさようなら」というのは殆どありません。
最初のご相談・ご依頼は小さな仕事だったりすることが多いですが、そこから少しずつ次へ、次へとつながっていくように何とか仕向けていくため、多くの支援先様がその後継続的にご相談・ご依頼をしてくださります(もちろん、出会ったお客様全てとずっとつながるわけではありません。数ヶ月のお付き合いで一旦終了となることもあれば、数年~長い場合には10年以上お付き合いが続いているケースもあります)

仕事の単価はどうやって決めているの?

これは、幸運だったのですが一番最初に「法人(つまり企業)としてお客様になってくださった会社」の社長さんとの会話からヒントを得ています。
「床屋さん(理髪店)で髪を切ってもらう(=腕と技術を専有して1時間くらいやってもらう)とだいたい4,000円くらいかかる。だから岸本くんの単価も時間4,000円くらいが妥当なんじゃないかな?」
この言葉を伺ったときにピンときて「1時間4,000円、ただ自分の場合はお客様がウチへ来店されるんじゃなくてこちらからお伺いして相談・支援する業務なので、1時間5,000円ということにしよう」と決めました。

それ以来、20年近く経っていますが基本的にこのスタンスは変わりません。「実働時間×5,000円」を目安に価格設定をしています。

現在の顧客・案件獲得の経路は?

執筆時点(2020年12月)での「新たなお仕事や案件・お客様の獲得経路」は、多くが地元の商工会・商工会議所・信用金庫です。地元のこういった支援機関・金融機関とは、2015年頃に繋がりができ始めました。
最初の1年、2年は正直「屈辱の連続」でしたが、腐らずに地道に繋がりを維持し続けた結果、現在は(それほど多くありませんが)年に数件~10件程度のお仕事の案件をご相談いただいてます。

カネの話はどうやって切り出す?

これも結構よく聞かれる質問です。これは本当にケースバイケースなので「どのタイミング」という事は決まっていなくて、その時々で「あ、今カネの話ができそうだ」という瞬間に躊躇なく切り出すようにしていますが、、、振り返ってみると私の場合、ほとんどのケースが

「とにかく最初はご相談とかご質問とかを頂いてその詳しい話を伺いに行く」のがスタートです。
その「最初の訪問」の際に、「その場の質問に応える」ことについてはお金をいただこうというつもりが私の場合は全くありません。
その質問に答えながら話を進めていくと、「このご相談をきちんと解決・クリアするためには、もう少し踏み込んだ支援や対応が必要だ」ということが把握できる瞬間がたいていあります。
その把握できたタイミングで「此処から先は、いまこの場で質問に応えるだけで解決する話ではないと思うので、あらためてきちんとご支援させていただきたいです。そのためには私も費用をいただかなければならないので、その点についてご相談させてください」というような感じの言い方で、お金の話を切り出します。

ところでITCって資格は食える資格だと思いますか?

ぶっちゃけたことを最初から申し上げて恐縮ですが、「食えません」。
きちんと誤解のないように正確に言うと「資格を取得してITコーディネータですと名乗っただけで仕事が獲得できるような、社会に認知された資格でもなければ、専有業務がある国家資格でもないので、資格とっただけで仕事が入ってきて潤うか?と質問されたら即座にNO、そんなにかんたんに食えるようになりません」というのが私の答えです。

ただコレについてもきちんとより詳しく解説が必要だと思いますので、今後の詳細解説ページでじっくりお伝えしようと思います。

詳しくは各詳細解説記事ページで

・・・と、最初の記事は「ダイジェスト版」でよくご質問・ご相談いただく内容をざっと書かせていただきました。

この他、最近頂いたご質問では

  • 仕事の進め方はその都度契約しているのか?見積とかどうしてるの?
  • 1社あたりどのくらいの期間を費やしているか?
  • 費用をいただく際の「名目」はどういうものにしてるの?
  • ITCA団体や他の団体へ所属したりしている?
  • 登録や仕事つながりを増やしていくのにはどうすればイイの?

というようなご相談というかご質問というか・・・を頂いています。
今後、このページでご紹介したトピックや、またここでは挙げなかった内容についても、1記事1テーマで詳しくお伝えしていこうと思います。

記事掲載のペースがあまり早いテンポにならないと思いますので恐縮ですが、独立系ITCの方で「仕事のとり方・儲け方・食って行くノウハウ」について色々模索されている方の、何かのヒントにしていただければ幸いです。

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