IT活用がどうして商売繁盛になるのか?「ビジネスサポート」と言ってるのに、ほぼ8割方の解説記事や提案がパソコンやITの活用解説。それって本当に「商売繁盛」につながるの?という「?」マークが付く方は少なく無いと思います。けれども、まずはIT活用にきちんと取り組みましょう!
ITが収益を上げてくれるなんてことは絶対にない
いきなり否定から入っちゃいましたが、これが本当のこと。IT(パソコンとか、ネットワークとか、ホームページとか、Facebookとか)が直接売上アップをしてくれる、なんていうことは絶対にありません。過去もなかったし今後も間違いなくないでしょう。
よほど大きな会社の先進的・挑戦的なITシステムなどならありえるかもしれませんが、こと中小・小規模の会社でITだけがひとり勝手に稼いでくれるなんていうことはありません。世の中の風潮や論評ではいかにも「近い将来、AIだとかIoTだとかでそういうことが実現できる」ようなことを言う方もいらっしゃいますが、それは根本のところで間違っています。
どんなにITやWebで商売が上向いたと力説されても、そこには必ず「経営者(=人間)の手間と労力」が介在しています。つまり、使う・活かすために事業主・経営者と言われる方々の「使いこなすための努力と労力」を疎かにしてITがひとりでに金儲けをしてくれるなんていうことはないのです。
じゃあ、IT利活用は商売繁盛につながらないじゃないか!
いいえ、そんなことはありません。「ナビゲーションって?」「どうして小さな会社・お店に特化してるの?」の記事でもお伝えしているように、小さな会社・お店の経営者さんにとって、圧倒的に足りないのは「時間」と「余力」です。
事務作業やちょっとした連絡・コミュニケーションなどが効率よく、短時間で済ませられれば、今までより時間に余裕が出ます。この「短時間で済ます」「効率よくすすめる」事がITの一番の得意分野のひとつです。
時間的な余裕が生まれると、そこに「考えるための余力」が生まれます。
つまり、「ITを上手に使って今やってる仕事を短時間で済ませ、効率よくはかどれば、その分だけ自由に使える時間(=本分の商売・事業について考え、取り組む時間)を確保できる」というわけです。
小さな会社・小さなお店こそ、「なかなかはかどらない伝票処理」とか「書類探しで時間取られて提案を考えるヒマもない」という状況を、ITを大いに活用することで省力化・短時間化するべきです。
パソコンやモバイル端末を覚えて使うということとは全く違う
けれども、多くの方が理解間違いをしている事があります。それは「ITの利活用するには、パソコンやモバイルやネットの使い方を覚えなきゃいけないよね」と思っている事。
- パソコンの使い方覚えるためにスクールに1年通った。そしたら社内の書類を色々WordやExcelで作れるようになった。(キレイ、見やすい)
- 経理担当の社員に弥生会計のやり方を覚えさせた。結果、会計入力が出来るようになって、手描きの帳簿じゃなくなったので税理士さんにとても褒められた。
- 販売管理で使ってるExcelの表がどうも実情にあってない。それで必死で勉強してExcelデータの編集できるようにして、販売管理のExcelデータの不具合がなくなった。
- FacebookやInstagramで情報発信のしかたを教わったので、毎日休み時間を惜しんでせっせと写真や記事をアップした。そしたら「いいね」や「アクセス数」が増えた。
・・・これじゃあ全然ITを活用していることにはならないんだ、ということはお分かりいただけるでしょうか?パソコン入れて、使い方覚えて、結果やってることが以前と同じ。ただ単に体裁が整ったとか周りに「すごいね」と言われたとか、「ネットで記事を読んでくれる人が増えた」「不具合だったものが使えるようになった」というだけでは、経営者のあなたの「時間」「労力」は何も軽減されていないのですから。
「パソコンを覚えて、業務をIT化する」のではないのです。
- ITをどういう風に使ったら、仕事の時間が短くなるか?二人でやってたものが一人で出来るか?
- ITをどういう風に活用したら、より商売の本質的な要因をレベルアップすることが出来るか?
・・・それを考えて実現するのが「利活用」の真の意味です。
活用の過程で「パソコンの専門知識」や「モバイル、インターネットの利用ノウハウ」が必要になったら、専門家に相談すれば良い。そのために私のようなITコーディネータがいます(ITコーディネータは全国に6000人以上いるITと商売繁盛の専門資格者です)。
どうやったら「ITを業務の効率化に繋げられるか?」が分からなければ、それも自分でひとり悩まずに私達専門家に相談してくだされば良い。経営者のあなたがやらなければならないのは、「どうやったらこの弥生会計のデータを入力できるるようになるか?」「どうやったらFacebookのいいねを増やせるか」を考えることではなく、「どうやったらウチの商品・サービスがもっとお客様のニーズ・要望に応えられるか?」を考えることです。ITの利活用は、その「考える労力と時間を創りだすための手伝いをするツール」です。
ITを存分に活用する・使いこなすことで、商売の本分に携わる労力と時間を生み出す・・・それがIT利活用が商売繁盛につながる、ということの本質です。