PHPの脆弱性や不正アクセスが心配……今すぐパソコン・スマホでできる6つの対策

2026年10月、Webサイトを動かすために広く使われている「PHP」というソフトウェアに、重大な脆弱性が見つかりました。
「脆弱性」とは、悪意のある人に利用されるおそれのある、ソフトウェアの弱点のことです。
また、企業やサービスへの不正アクセス、パソコン内のデータを使えなくする「ランサムウェア」など、セキュリティに関するニュースも続いています。
こうしたニュースを見て、
「自分のパソコンやスマートフォンも危ないの?」
「今のうちに、何をしておけばよいの?」
と不安に感じている方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、専門的な知識がなくても、手元のパソコンやスマートフォンで確認できることを整理します。

はじめに:PHPの問題と、手元の端末の対策は別々に必要です

今回のPHPの脆弱性は、主にWebサイトやシステムを動かしているサーバー側で対策する必要がある問題です。

手元のパソコンを更新したり、ウイルス検査を行ったりしても、利用先のWebサイトや自社サイトのPHPが修正されるわけではありません。

自社のホームページをお持ちの方は、ホームページの制作会社や保守会社などに、別途、対応状況を確認してください。

今回のPHPの問題については、次の記事でもご案内しています。

PHPに重大な脆弱性―自社サイトの確認と、不審なメールへの備えを

一方、パソコンやスマートフォンにも、さまざまな経路から不審なプログラムや詐欺の連絡が届くことがあります。

Webサイト側の対応を確認するとともに、手元の端末やアカウントの守りも見直しておくことが大切です。


まず、今日確認したいこと

時間がない方は、まず次の3つから始めてください。

  1. パソコン・スマートフォンの更新を確認する
  2. パソコンのセキュリティソフトが動いているか確認し、スキャンする
  3. 不審なメールや電話には慌てて応じず、いつもの連絡先で確認する

余裕があれば、パスワード、二段階認証、バックアップも確認しましょう。

1.パソコンやスマートフォンを更新する

まずは、お使いのパソコンやスマートフォンに、更新がたまっていないか確認しましょう。

ソフトウェアの更新には、新しい機能を追加するものだけでなく、見つかった弱点を修正するものも含まれています。

Windowsの場合

「スタート」→「設定」→「Windows Update」を開き、更新がないか確認します。

更新がある場合は、画面の案内に従ってインストールしてください。再起動が必要と表示されたときは、作業中のデータを保存してから再起動しましょう。

iPhoneの場合

「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」を開き、更新を確認します。

Androidの場合

「設定」から「システム」や「ソフトウェアアップデート」などを探し、更新を確認します。メニューの名前や場所は、機種によって異なります。

パソコン・スマートフォン本体だけでなく、Chrome、Edge、Safariなどのブラウザーや、普段使っているアプリも更新しておきましょう。

更新は、パソコンの設定画面やスマートフォンのアプリストアなど、普段使っている正規の方法で行ってください。突然表示された「今すぐ更新してください」という広告や、不審なメールのリンクから更新用ソフトを入れることは避けましょう。

なお、パソコンやスマートフォンの更新は、今回のPHPの脆弱性を直接修正するものではありません。
手元の端末にある弱点を減らすための、基本的な対策です。

2.セキュリティソフトを確認し、パソコンをスキャンする

セキュリティソフトは、ウイルスやランサムウェアなどの不審なプログラムを見つけ、被害を防ぐためのものです。

まずは、次のことを確認しましょう。

  • セキュリティソフトが入っているか
  • 保護機能が有効になっているか
  • 更新が止まっていないか
  • 「有効期限切れ」や「保護されていません」といった警告が出ていないか

有料のソフトを購入していても、期限が切れていたり、保護機能が停止していたりすると、十分に機能しない場合があります。

そのうえで、一度パソコンをスキャンし、不審なプログラムが検出されないか確認しましょう。

Windows標準のセキュリティ機能を使っている場合

Windowsには、標準で「Windows セキュリティ」という機能が備わっています。

通常、次の手順で確認できます。

  1. 「スタート」を開き、**「Windows セキュリティ」**を検索して開く
  2. **「ウイルスと脅威の防止」**を選ぶ
  3. 保護の状態や、警告が表示されていないか確認する
  4. **「クイック スキャン」**を選んで検査する

「クイック スキャン」は、特に問題が見つかりやすい場所を中心に調べる方法です。まず状態を確認したいときに実行できます。

より広い範囲を調べたい場合は、「スキャンのオプション」から**「フル スキャン」**を選べます。フル スキャンは、パソコン内のファイルや実行中のプログラムを広く確認するため、時間がかかることがあります。Microsoft Support

画面の表示は、Windowsのバージョンなどによって多少異なる場合があります。

ESET、ウイルスバスターなどを使っている場合

すでにESET、ウイルスバスターなど、別のセキュリティソフトを利用している場合は、普段使っているソフトの画面を開き、保護状態と更新状況を確認してからスキャンしてください。

検査の名称は製品によって異なりますが、「スキャン」「コンピューターの検査」「ウイルス検索」などの項目が目安です。

新たに別のセキュリティソフトを追加する必要は、通常ありません。まずは現在利用している製品が正常に動いているか確認しましょう。

スキャンで何も見つからなければ安心?

スキャンして「脅威は見つかりませんでした」と表示されれば、ひとつの確認にはなります。

ただし、すべての不正なプログラムや不正アクセスを必ず発見できるわけではありません。 パスワードが盗まれたかどうか、過去に情報が持ち出されていないかなども、パソコンのスキャンだけでは判断できません。

また、スキャンによって、自社や利用先のWebサイトのPHPが修正されることもありません。

スキャンは、ほかの対策と合わせて行う「備えのひとつ」と考えてください。

警告や不審な動きがある場合

セキュリティソフトで脅威が検出された場合は、表示された内容を確認し、管理担当者や保守会社などに相談してください。

特に、ファイルが突然開けなくなった、身代金を要求する画面が出た、勝手に画面が操作されているといった場合は、パソコンの利用を中止し、LANケーブルを抜くかWi-Fiを切って、ネットワークから切り離してください。

そのうえで、画面に出ている内容を控えたり、写真を撮ったりして、管理担当者や専門家に相談しましょう。初期化や再インストールを自己判断で急ぐと、原因調査に必要な情報が失われることがあります。 ipa.go.jp

「お名前.com デスクトップクラウド」を利用していた方へ

GMOインターネットが提供する同サービスでは、不正アクセスが発生し、一部のお客様のサーバー環境に不正なプログラムが設置されたことが公表されています。利用していた方は、手元のパソコンのスキャンだけで安全を判断せず、GMOからの個別連絡と公式案内を確認し、その指示を優先してください。GMOインターネット株式会社

この事案と今回のPHPの脆弱性は、それぞれ別の問題として確認する必要があります。

3.メールやSMSのリンクから、慌ててログインしない

セキュリティに関するニュースが広がると、人々の不安につけ込んだメールやSMSが届く可能性があります。

例えば、次のような連絡です。

  • 「セキュリティの問題により、お客様の情報が漏えいしました」
  • 「安全確認のため、すぐにパスワードを再設定してください」
  • 「本日中に対応しないと、サービスが停止します」
  • 「セキュリティ対策費用のお支払いが必要です」

これらは、あくまで考えられる手口の例です。同じような連絡がすべて詐欺とは限りませんが、内容を確認する前に、ログインや支払いをしないことが大切です。

普段利用している会社やサービスの名前が書かれていても、差出人の表示や文章だけで本物と判断することはできません。

確認するときは、メールやSMSに書かれたリンクや電話番号を使わず、次の方法を利用しましょう。

  • 以前から登録しているブックマークから公式サイトを開く
  • 普段使っている公式アプリで、お知らせを確認する
  • 契約書や過去の請求書などで、以前から把握している連絡先に問い合わせる

4.突然の「情報漏えい」電話は、いったん切って確認する

メールだけでなく、電話にも注意が必要です。

例えば、知らない業者から突然、

「御社のホームページがハッキングされています」
「情報が漏えいしているので、すぐに対策が必要です」

と言われることがあるかもしれません。

実際に問題が起きている可能性もゼロではありません。しかし、電話の相手がそう言っただけでは、被害があったかどうかは判断できません。

不安をあおられても、その場で契約や支払いを決めたり、パスワードを伝えたりせず、まずは電話を切ってください。

そのうえで、普段から依頼しているホームページ制作会社・保守会社や、利用しているサーバー会社に、以前から分かっている連絡先で確認しましょう。

突然の電話で案内されたソフトをインストールしたり、パソコンを遠隔操作させたりすることも、確認が取れるまでは控えてください。

5.パスワードと二段階認証を確認する

もし、利用しているサービスから本当に情報漏えいのお知らせが届いた場合に備えて、普段使っているアカウントの守りも確認しておきましょう。

特に大切なのは、メール、Google、Microsoft、Apple、ネットバンキング、会計ソフトなどのアカウントです。

パスワードを使い回していないか確認する

複数のサービスで同じパスワードを使っていると、ひとつのサービスでパスワードが漏えいした際、ほかのサービスにも不正ログインされるおそれがあります。

まずは重要なアカウントから、サービスごとに異なるパスワードを使うようにしましょう。

覚えきれない場合は、スマートフォンやブラウザーに備わっているパスワード管理機能などの利用も検討してください。

二段階認証を設定する

「二段階認証」や「二要素認証」は、パスワードに加えて、スマートフォンでの確認などを求める仕組みです。

パスワードが知られてしまった場合でも、不正ログインを防ぐ助けになります。特にメールや銀行など、重要なアカウントでは設定を確認しましょう。

また、利用できるサービスでは、顔認証や指紋認証などを使うパスキーも選択肢です。

二段階認証を設定する際は、スマートフォンを紛失・故障した場合の復旧方法も確認しておきましょう。サービスによっては、予備の確認方法や復旧用コードを登録・保存できます。

6.大切なデータのバックアップを確認する

パソコンの故障や紛失、ウイルス感染などに備えて、仕事で使う大切なデータをバックアップしておきましょう。

例えば、次のようなデータです。

  • 顧客や取引先の情報
  • 見積書・請求書・契約書
  • 会計や給与に関するデータ
  • 業務で使っている写真や資料

外付けの保存装置やクラウドサービスなどを利用して、元のデータとは別の場所に保存します。

ただし、保存したつもりでも、必要なデータが入っていない、ファイルを開けないということがあります。ときどき、実際に取り出して開けるか確認しておきましょう。

また、パソコンにつなぎっぱなしの外付け装置や、常に同期しているクラウド上のファイルも、トラブルの影響を受ける場合があります。

大切なデータについては、過去の状態に戻せる機能や、普段は接続しない別の場所に保管する方法も確認しておくと安心です。

自社のホームページをお持ちの方は、管理会社にも確認を

ここまでご紹介した対策は、手元の端末やアカウント、データを守るためのものです。

自社のホームページや問い合わせフォームなどでPHPを使っている場合は、別途、サーバー側の対応状況を確認する必要があります。

ホームページ制作会社や保守会社などに、例えば次のように問い合わせてみてください。

今回のPHPの脆弱性について、当社のホームページへの影響と対応状況を教えてください。
まだ対応が必要な場合は、対応予定と、それまでに必要な措置も教えてください。

専門知識がないままサーバーの設定を変更すると、ホームページが表示されなくなるなどのトラブルにつながる場合もあります。まずは管理を依頼している会社に確認しましょう。

もし、すでに操作してしまったら

「リンクを開いてしまった」「情報を入力してしまった」という場合も、慌てずに、行った操作に応じて対応しましょう。

  • リンクを開いただけの場合
    それだけで直ちに被害が確定するわけではありません。情報を入力したり、ファイルをダウンロード・実行したりしていないか確認し、不安があれば管理担当者や信頼できる相談先に相談してください。
  • パスワードを入力した場合
    いつもの公式アプリや、以前から登録しているブックマークから正規のサイトを開き、速やかにパスワードを変更してください。同じパスワードをほかでも使っていれば、そちらも変更します。サービス提供元にも相談しましょう。
  • クレジットカード情報を入力した場合
    カード会社に連絡し、事情を伝えて指示を受けてください。
  • 振り込んでしまった場合
    できるだけ早く金融機関に連絡し、警察にも相談してください。
  • 不審なソフトを実行した、遠隔操作を許可した場合
    操作を中止し、LANケーブルを抜くかWi-Fiを切ってネットワークから切り離し、社内の管理担当者や信頼できる専門家に相談してください。

まずは「更新」「スキャン」「慌てず確認」から

今回のPHPの問題は、Webサイトを運営する側で対応が必要です。

そのうえで、私たち利用者にも、パソコンやスマートフォンを更新し、セキュリティソフトを確認し、不審な連絡に慌てて応じないなど、できることがあります。

一度にすべてを完璧にしようとしなくても構いません。

まずは今日、次の3つから始めてみましょう。

  • パソコン・スマートフォンの更新を確認する
  • パソコンのセキュリティソフトの状態を確認し、スキャンする
  • 不審な連絡は、いつもの連絡先で確認する

従業員の方がいる場合は、この3つだけでも社内で声を掛け合っておくとよいでしょう。

この記事は2026年10月27日時点の情報をもとに作成しています。個別の事案やサービスの最新状況は、各提供元の公式案内をご確認ください。

参考情報