昨今よく聞くようになった「クラウド」・・・それって何?というお話。
クラウドがやってきた
この解説ページで言っている「クラウド」とは「クラウドコンピューティング」の略です。「クラウド」とは英語で「雲」のことを指していて・・・なんて言うことは、このページを興味を持ってお読みになっている皆様の中でもお聞きになったことのある方はいらっしゃるのではないでしょうか?
「雲のコンピューティング・・・?」・・・とそのまま当てはめるとなんだか分かりづらいですが、「雲」というのは「インターネット網」のことを指していると思っていただければ少しはイメージできるでしょうか?
つまり、従来はコンピュータの中で処理・記録していたものを、インターネット上で行う、というのが「クラウドコンピューティング」です。
例えばこんなクラウド
じゃあ、具体的には「クラウド」ってどんな事ができるの?どんな風に便利なの?というお話。以下、クラウド会計とクラウドPOSレジを例にご紹介します。
クラウド会計
今や殆どの事業所・会社で経理をパソコンで行うようになりました。現金出納帳や仕訳帳、総勘定元帳などをパソコンの会計ソフトを使って入力するのはもはや珍しくありませんね。
これを「全部インターネット上でやってしまおう」というのがクラウド会計サービスです。
例えば、「弥生会計」とか「勘定奉行」のようなソフトでは、パソコンへソフトウェアをインストールして、データを入力・蓄積します。これに対して、「ソフトウェアとしての機能はすべてインターネット上のサーバーと言われるコンピュータの中で行い、手元のパソコンではその内容を通信して画面に映し出す・入力を受け付けるだけ」という仕組みにしているのがクラウド会計です。
クラウド会計の何が良いか?というと・・・例えば次のようなメリットがあります。
- ネット上のサーバーにソフトウェアの機能が用意されているので、手元のパソコンやスマートフォンにソフト(アプリ)をインストールする必要がない
- データや機能はすべてネット上なので、ログイン情報(ユーザー名とパスワード)を正しく入力できれば、どの端末(パソコン・スマホ)からでも利用できる。
- 消費税率や税制改正などで「バージョンアップ版」を買い直したりインストールし直す必要がない
- データをネット上で保管できる
- 税理士さんや会計事務所さんへ帳票やデータを持っていったりメール送信したりしなくてすむ
- 多くの場合「スマホで会計入力」ができたり「インターネットバンキングと同期」出来たりするので、会計入力の手間が劇的に効率化する
パソコンに会計ソフト入れて処理するのも、その前の手書き帳票に比べればかなり効率化できましたが、クラウド会計サービスだと、さらに効率よく劇的に処理出来るようになります。
また、効率良い・便利というだけでなく、以下のような「攻めの経営」に対するメリットもあります。
- リアルタイムでどんどん現在の経理状態・財務状態が確認できるので、経営上の「仮説検証」が驚くほどスピーディーに実現できる(1年分まとめて経理、とか3ヶ月分まとめて会計事務所に・・・というやり方だと「今」の会社の状態を知るのにいちいち時間がかかってしまう)
クラウドPOSレジ
もうひとつ、わかりやすいクラウドサービスの例が「クラウドPOSレジ」です。
お店を経営している方であれば、何らかの形で「レジ」を利用されていると思いますが、クラウドPOSレジは「POSレジ」機能をインターネット上のコンピュータで実現しちゃおう、というものです。(参考までに→「レジとPOSレジの違い」)
これにも従来のレジ・POSレジに比べて以下のような様々なメリットがあります。
- 導入コストが非常に安価(POSレジ設備をフツーに購入しようとすると数十万円、高いものは100万円を超えますが、クラウドPOSレジは導入時に数万円~10万円程度、月々0円~数千円程度)
- 消費税率の改定・軽減税率などの法改正に自動で対応してくれる
- 蓄積された売上データを様々なかたちで集計・分析できるようになっている(顧客別の売上や商品別の売上、過去半年の売上推移などなど)
- クラウド会計と連動できる(=POSレジの売上が自動で会計ソフトの売上高に転記される)
また、クラウドPOSレジもクラウド会計と同様、「攻めの経営」に対して大きな可能性を秘めています。
- 売上や顧客などの情報をリアルタイムに集計・確認できるので、売上予測や販売計画などの仮説検証が立てやすく確認しやすい
・・・と、例えばクラウドコンピューティング
クラウドは正に小さな会社・小さなお店のため
さて、ここまでご紹介したクラウドのお話、実はこういう機能や仕組みはウン十年も前からありました。ありましたけれども、その頃は例えば「会計ソフトとPOSの売上を自動でつなぐ」なんていうことを実現しようとすれば、ウン百万円、ウン千万円などというとてつもない費用がかかっていました。このため、こういう「ITを使った攻めの経営」は大きな会社・資金力のある会社にしか出来ないものでした。
けれども、2018年の現在ではこれらクラウド会計・クラウドPOSレジは、導入費用は数万円、ランニングコストは月額数千円~高くても数万円で実現できてしまいます。
これは、「かつては大手・大会社しか出来なかったことを、小さな会社・お店でも実現できるようになった」ということを意味しています。言い換えれば「小さな会社・小さなお店でも、大手・大会社・一部上場企業のような(かつてはライバルというのさえはばかられた)競合他社と、同等あるいはそれ以上のレベルの武器を手に入れられるようになった」ということです。
クラウドサービス、早めに取り組まれればそれだけ早く成果が現れ始めます。興味はあるけどウチに使いこなせるのか?ホントに低価格でイケるのか?・・・取り組もうと思われているのになかなか踏み込めないという方、ぜひ一度クラウドというものを少し踏み込んで調べたり学んでみてはいかがでしょうか?
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