「セキュリティをちゃんとしてください」とよく言われるけど、実際ウィルスに感染したらどうなるの?
コンピュータウィルスに感染すると・・・?
この記事をお読みになっている方の多くが「コンピュータウィルスに感染するとパソコンが壊れる」と考えているのではないかと思います。それ、間違いだとは言い切れませんが多くの場合誤解です。
分かりやすい「感染症状」っていうのは鳴りを潜めました
ウィルスに感染して「画面がおかしくなる」とか「パソコンが起動しなくなる」とかそういう症状を発生することも、ずいぶん昔にはありました。もちろん今もないという訳ではありませんが、そういう「分かりやすい感染症状」というのは今ではすっかり鳴りを潜めていて、むしろ「感染したことに気づかれない」ように感染させるケースが非常に多くなっています。それはどうしてか?
情報を盗み出す・成りすます(踏み台にする)ことが目的
コンピュータの中に記録されている個人情報を盗み出して悪用するとか、他のパソコン(第三者)への攻撃をするための踏み台にすることが、最近のコンピュータ・ウィルスの目的になってきているからです。気づかれてコンピュータの電源を切られたりネットから遮断されたりすれば、目的が果たせなくなってしまいますね。だから、悪さをする攻撃者たちは「気づかれないようにウィルスに感染させ、気づかれないうちに情報を盗んだり悪さを働いてしまおう」とするわけです。
どういう被害を被るの?
感染したことに気づかずにパソコンやスマートフォンを使っているとどうういう被害を被るかというと
個人情報を盗み取られる
- クレジットカード情報で勝手に買い物をされて金銭的な被害を被る
- インターネットバンキングなどのIDやパスワードを盗まれて預金を盗み取られてしまう
- 自分のふりをして、様々なネット取引を勝手に行われる
- メールソフトに保存されたメールアドレスやメールの履歴から、取引先や知人・友人までが被害を被る(最悪の場合、上記のような金銭的な被害も取引先・知人・友人に及ぶようになる)
第三者への踏み台にされる
自分のパソコンが、知らない間に遠隔操作されて犯罪行為(他サイトへの不正アクセスや攻撃)や迷惑メールの配信などに使われてしまう→こうなった場合、犯罪捜査の対象としてあなたのパソコンが捜査されることになります。
感染に気づかない!?
一番初めにも書いたとおり、感染には気づかれないように周到に感染させるので、分かりやすく「あ!ヤバい!ウィルスに感染した!」と被害に気づくことは非常に難しいです。
対策は?
「感染しても気づかない」「気づいた時には被害甚大」・・・それならば未然にきちんと対処しておくしか方法はありません。最低限、以下の対処はしておきましょう。
セキュリティソフトを入れて最新の状態にしておく
信頼できるセキュリティソフトを入れて、常に最新の状態にしておきましょう。無料のセキュリティソフトとか、何処のメーカーのかわからないようなセキュリティソフトではいけません。また、パソコンだけ入れておけば良いというものでもありません。タブレット、スマートフォンなどにもきちんとセキュリティソフトを入れておきましょう。
バージョンアップ・更新をきちんとしておく
Windowsの更新とか、お使いになっているソフトウェアの更新(いわゆる「アップデート」というやつです)をきちんとしておきましょう。また、出来れば最新バージョンにバージョンアップしておくことが望ましいです。(古いバージョンのソフトウェアは、セキュリティ対策を中止されてしまっている場合もありますので・・・特に古いWindows・・・XPとかVistaとか)
必要のないダウンロードや閲覧をしない
ウィルス感染の一番大きな経路がネット経由です。ネット閲覧してるとなんとなく色んなサイトを見に行ったり「無料」と言われて便利そうなアプリをダウンロードしたくなりますが、そういうの行為を見直して慎重になる・・・それだけで随分リスクは軽減できます。知らないサイトへやらたと首を突っ込んだりしないようにしましょう。
感染に気づいた時にもう取り返しがつかない
感染に気づかないんですから!その上感染したら自分のパソコンが壊れるなんていうカワイイ被害じゃなく「全財産抜き取られる」とか「社会的な信用を全部失う」というようなリスクになるんですから、何よりも「感染しない」ための予防策を徹底しましょう。
備考
ただ、それでも注意深くパソコンや周辺機器の挙動を観察していると「もしかしてウィルスに感染しているのでは?」と気づくこともあります。例えば
- パソコンの動きが急に遅くなり始めた(経年劣化による処理速度の低下ではなく、ある時期から突然極端に遅くなり始めた)
- タスクマネージャーのCPU使用率が異常に乱高下する
- インターネットの接続がいきなり切れるようになる
- 回線速度が遅くなった(パソコンの速度じゃなくて通信回線の速度)
- 覚えのない意味不明なメールが届くようになった
- クレジットカード会社から不正利用の連絡を受けた
- 楽天やAmazonなどのサイトでパスワードを入れてもログインできなくなった