レジの入替えを契機に業務をマルっとデジタル化

店舗の「POSレジ」の入替えをきっかけに、バックオフィス業務全体を一気にデジタル化した事例です。

お店は、美容系のサービス業店舗。スタッフを5人ほど抱えている個人事業主様です。

POSレジ入替え

元々、数年前(2019年ころ)にキャッシュレス決済の「エアペイ」を導入した際、「ついでに」という感じでエアレジを導入・運用されていました。

けれどもこの導入の際には、「カード決済のレシートが出せる」「1日の売上を集計できる」というようなどちらかというと「目先の業務が少し効率化する、キャッシュレスに対応できる」というだけの目的で店頭売上を記録するだけにとどまっていました。

数年運用してみて、以下のような課題が見えてきました。

  • この事業者さまは、店頭でのサービス(売上)だけでなく、Webショップでのカード決済などもやっていて、そちらはエアペイとは別のサービスを利用している。このため、キャッシュレス決済の「入金確認」や「売上計上」が非常に煩雑なままで、この点はレジを導入しても解消されていない
  • 店頭以外でのサービス提供を行うこともあり、この売上がかなりの割合を占めている。このため売上集計などをするにも、POSレジの集計をするだけでは完結しない。
  • 最終的な「会計・経理作業」について、エアレジ(クラウドPOSレジ)→クラウド会計システム(MFクラウド)へ連携して効率化を、と思っていたが、上記のような事情もあって自動連携しただけでは売上データを会計システムへ自動登録することにならない

これらの課題が見えてきたところで、事業者様が「POSレジをもっと有効活用できないか?」というご要望も持ち始めたこともあり、POSレジ入替えも視野に入れながら「事務作業・管理業務をデジタル化出来ないか?」という話になりました。

課題整理

最終的な着地点は「POSレジをもっと業務に活用する」ですが、その「活用」のために現在どんな課題を抱えているか、お困りごと(≒今後実現したいこと)を洗い出してみたところ、以下のように整理されました。

  1. 店頭売上だけでなく、Web販売、店頭以外のサービス提供売上など、事業全体の売上を一元的に集計できるようにしたい
  2. サービス提供の「予約管理」(お客様からの予約申込とその対応)も、一緒に管理できるようにならないか?
  3. 売上だけでなく、「顧客情報の管理」もしたい(どのお客様が、どんな風に当店を利用されているのか?などを把握したい)
  4. 今後様々な「業績の見える化・情報共有」に取り組んでいきたい
  5. ついでにインボイス制度への対応もしたい

バックオフィス業務とIT活用の全面見直し

事業主さまは、これらいくつかの課題を「ひとつひとつ、着手しやすいものから順番にクリアしていく」・・・つまり、これらの課題は「別々の課題として取り組む」というお考えのようでしたが、ヒアリングの結果、「POSレジやその他のITツールやクラウドサービスを、上手に選定して組合せて活用すれば、ほとんどの課題をマルっと一気にクリアできる、という見通しがあったので、その旨をご案内しました。

現状のバックオフィス業務を支えているそれぞれのITツールは、それぞれ単体でバラバラな動き・運用をしていたため、全体としての効率化や可視化が全く出来ていない状態でした。

そこで、今回の取組を契機に、全体のIT化を全面的に見直すことになりました。

その際に軸となったのが「POSレジ」「クラウド会計システム」でした。

データ連携で業務の効率化・情報共有を実現

図のようなイメージで、とにかく

  • 販売・売上に関わる数値はすべてPOSレジ上へ登録してクラウドへ保存
  • 保存された売上データは、自動でクラウド会計アプリへ取り込まれる

という仕組みを実現しました。

このデジタル化で実現できたこと

「総合POSレジアプリ」をうまく活用したことで、以下のようなことが実現できました。

  • これまでひとつひとつ手間のかかっていた「店頭売上を集計する」「Web販売の売上を集計する」「店外売上を集計する」といった会計・経理作業が一つに統合できて劇的に効率化した。
  • クラウドPOSレジのオプション機能で「Webサイトからの予約受付」も一元管理出来るようになって、情報の共有化・可視化が出来るようになった
  • POSレジとは一切関係なかったWebショップをPOSレジと連携させることで売上の一元管理も出来るようになった
  • クラウド会計とのデータ連携で、会計・経理作業が劇的にラクになった
  • 当然のことながらインボイス対応も完了できた

こういった劇的な効率化・省力化は、単に目に見える「ラクになった」という効果だけでなく、その「ラクになった分の余力を、これまでやろうと思っても出来ていなかった売上分析・顧客情報の管理など、業績を上げていくための取り組みに費やせるようになった」という、非常に前向きな効果ももたらしました。

今回の事例紹介では「POSレジと会計システムの連動」という例をご紹介して「デジタル化」の効果や可能性をご案内しましたが、レジ、会計システムに限らず、業務全般をバランスよくデジタル化・省力化していくためのツールやノウハウは、様々な業種・様々な分野でどんどん実現が可能になってきています。

お読みになっている皆様も、ぜひ「単なるIT化」「アプリを入れる」だけではないデジタル化にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?