「アカウントを確認してください」「アカウントを取得してください」・・・パソコンやインターネット、ITの世界で「アカウント」ってよく聞くけど、アレはなに?・・・という方への解説記事です。(業務やお仕事でパソコン・スマホなどのIT機器を使う事を前提にした説明となります。ゲームや娯楽などのためのアカウントについての解説ではありませんのでご注意ください)
利用する権利へ会員登録するようなもの
アカウントを、ネットやパソコン・ITの用語を使わずに説明するとしたら「機械やサービスを使うための権利」あるいは「機械やサービスを使うための会員登録」のようなもの、と言えばなんとなくイメージできるでしょうか?
まだインターネットがこれほど浸透・普及していなかった20年も30年も前は、パソコンなどのIT機器は「機械(パソコン)を買って初期設定すれば使えるようになる」という機械でした。言ってみれば「買い切り型(一度お金を出して買えば自分のものになって、それ以後はお金を払わずに使える)」というもの。
現在では、パソコンやスマホや、あるいは機械でなくてもインターネット上のサービスなどは、「利用する権利」を購入した上で「使う」モノ、という風に変化してきています。
図のように、パソコン(スマホなどのモバイル端末も同様)は、物理的な機械を「買い切り」で買い取った上で、「機械を動かすための仕組み(OS・プログラム)」については「利用する権利」を購入することになります。この「利用する権利」がアカウントです。
殆どのアカウント(権利)は、利用期限や利用できる範囲が決められていて、その権利の範囲に従って機械やサービスを利用する、という仕組みになっています。
アカウントの種類~1~
難しい説明をし始めるとキリがないので、超具体的に「実際にお仕事や事業でパソコンを使っていて出てくるアカウントの種類」をいくつか挙げておきましょう。
Googleアカウント
Googleのインターネットサービスを利用するのに必要なアカウント(権利・会員登録)です。Googleアカウントを持っていると
- Googleカレンダー(インターネット上で自分のスケジュールを管理できるカレンダー機能)
- Gmail(メールアドレスを取得してメールを使う機能)
- Googleフォト(写真をインターネット上に保管しておくサービス、機能)
などのGoogleのインターネットサービスが使えます。また、iPhone以外のスマートフォン(AndroidOSのスマートフォン)を使う場合にもこのGoogleアカウントが必要になります。
AppleID(アップルID)
「ID」という風に名前がつけられていますが、Googleと同様にAppleの製品・サービスを利用するのに必要なアカウント(権利・会員登録)です。主に
- iPhone・iPadなどのアップル製のモバイル端末
- Macなどのアップル製のコンピュータ
- iTunesなどアップルが提供する音楽配信サービス
などを利用するのに取得して使うIDです。
Microsoftアカウント
Windows10などのパソコン(つまり、多分この記事をお読みになっている大多数の方がお使いのMicrosoft製のパソコン)を利用するのに必要なアカウントです。
Google・Apple・Microsoft
上記Googleアカウント、AppleID、Microsoftアカウントはそれぞれの会社の提供するパソコンやスマホを利用する際に取得(会員登録)する必要のあるアカウントです。基本的にこれらのアカウントは登録・取得するのは無料です。
また、Microsoftアカウントだけは少し異質です。
Googleのスマホやパソコン、Appleのスマホやパソコンを使うのには必ずGoogleアカウント、AppleIDを取得(会員登録)しなければならないのに対して、Microsoftのパソコン(Windows10とか)は、やりようによってはMicrosoftアカウントを取得(会員登録)しなくても使えるようになります。・・・実は筆者の支援経験でいうと、このMicrosoftアカウントの曖昧さが「アカウント」というものを分かりにくくしている元凶だと思っています^^;
アカウント・ユーザー名・ID・パスワード?
さて、アカウント(機器やサービスを利用する権利・会員登録)は、実際にはどのように権利を取得するのか(会員登録するのか)というと、「ユーザー名」「ID」「パスワード」を登録するという方法がほとんどです。・・・と、こういう説明をするととたんに混乱してきそうですよね?一度整理しておきましょう・
アカウント | ユーザー名 | ID | パスワード |
機器やサービスを利用する権利・登録内容全体を表します | アカウント(権利)を持っている人の「名前」です。(日本語で「岸本圭史」とユーザー名を登録する場合もありますが、多くの場合「KKishimoto」などのようにアルファベットなど英数字で登録します) | アカウントを持っている人を識別するための情報です。(ユーザー名に偶然「同姓同名」がいた場合、それが誰なのか?が特定できなくなりますよね?これを防ぐために「重複しない、固有の名前」を付けるものなのですが、その名前のことを「ID」といいます。これも殆どの場合「ITCKishimoto777」などのように英数字で登録することがほとんどです) | アカウントを利用して機器やサービスを使うときに「利用許可」するためのパスワード(暗証番号)です。 |
※実際のアカウント(権利・会員登録)では、「ユーザー名」のことを「アカウント名」と呼んだり、また「ユーザー名」と「ID」を一つにまとめて「ユーザーID」だけにして利用登録したり、と様々なアカウントの登録方法があります。それぞれのアカウント(利用するサービス)で異なります。
アカウントの種類~2~
アカウント(サービスや機器を利用する権利・会員登録)には、上記のようなパソコンやスマホを使うためのアカウント以外にも、様々なアカウントがあります。
メールアカウント
Eメールアドレスを使って「メールの送信・受信」をするために登録する権利(会員登録)です。(昨今は、Gmailのように、総合インターネットサービスの中にメール利用も含まれていることが多いため、「メールを利用するためだけのアカウント(権利・会員登録)」というのは比較的少なくなってきましたが、お仕事でずっと以前から使われているメールアドレスなどがあるようでしたら、そのメールを使うのに必要な権利・会員登録が「メールアカウント」です)
Yahoo!ID
Yahoo!のインターネットサービスを使うのに必要なアカウントです。(Yahooショッピングとか、ヤフーオークションとか)
ZOOMアカウント
2019年ころからオンラインミーティングサービスとして利用が普及してきた「ZOOM」を使うための権利(会員登録)です。
やよいアカウント
多くはないかも知れませんが、会計ソフト・販売管理ソフト・給与計算ソフトの「やよい」(弥生会計・弥生販売・弥生給与)を使うのに登録するアカウントです。
インターネット上のサービスの数だけ「アカウント」がある
さて、分かりそうでわかりにくい、なんだかゴチャゴチャしているなあ・・・という感じの「アカウント」の説明ですが、ゴチャゴチャするのも当然といえば当然です。今日の社会では「インターネット」の利用が必要不可欠になっていますが、その「インターネット上のサービスを利用する」のには、それぞれの「サービスを利用する権利を取得」あるいは「サービスを利用するための会員登録」をするのが当たり前のようになってきています。
つまり、「インターネット上のサービスの数だけアカウントがある」というわけです。
アカウント情報は大切に保管しておきましょう
アカウント(サービスを利用する権利・会員登録)は、上記で説明した「ユーザー名・パスワード」などで管理されています。どういうことかというと、「ユーザー名・パスワードを入力してもらって、それが正しければ、そのサービスを利用して良い許可を出す」という仕組みになっています。
このため、仮にご自分のアカウント情報(ユーザー名、パスワード)を他人に教えてしまって、その他人があなたに黙ってそのユーザー名・パスワードを入力してしまったら「入力した内容が正しいので、そのアカウントでサービスを利用して良いです」ということになってしまいます・・・つまりあなたではない第三者が勝手にそのサービスを使ってしまうことになるのです。(これがいわゆる「なりすまし」とか「アカウント乗っ取り」というやつです)
アカウント情報は、現代社会では非常に重要でなおかつ他人に知れてしまうと悪用されかねないものなので、特にユーザー名・パスワードは大切に記録・保管しておきましょう。
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