独立開業して会社（法人）を設立するための解説、その１
実際に法人設立をすべて自分でやってみた
弊社（岸本ビジネスサポート株式会社）は2017年（平成29年）4月10日に法人設立しました。元々2003年3月1日に個人事業主として起業して15年目にあたります。
この法人設立の際、頑張って全部自分で手続きをやってみよう！ということを思い立ち、トライしてみることにしました。誰にも何も教わらず、ネットや書籍の情報だけでどこまで出来るものか？どこが大変なのか？を確かめてみたかったのです。
おかげさまで法人設立、登記、税務署への届け出、県・市への届け出、年金事務所への社会保険の加入届けなど、一通りすべてやりきることが出来ました。ここでの経験を、同じように法人設立を考えている皆様のお役に立てていただければと思い、解説記事としてまとめておこうと思います。
本やネットに書かれていることは「間違い」がかなり多かった
具体的な経緯を時系列でお届けしようと思いますが、その前に一通りやり終えた後の総括としてまずお伝えしておきたいこと。
今回、「自分でできる！」「1円で起業できる！」みたいなタイトルの起業解説・法人設立解説などの書籍や、ネット上の解説サイトを幾つか参考にさせていただきましたが、参考にしながら痛感したのは「これらの解説本や解説サイトは、かなり多くの間違いがある」ということでした。
自分でやってみて「全部書いてある通りだった！間違っていなかった！」という本・サイトはありませんでした。何らかの手続きや手順の解説で明らかに違っていてその通りやると設立できない、法人化出来ないというケースや、その通りやると払わずに済む費用をかなり余計に払わされるというケースが見受けられました。
これらは多分、「実際に設立を自分でやったことのない方が、知識だけで書いている」というケースか、あるいは「猪突猛進にとにかく自分の会社設立の場合だけを情報にしたので、他の人には参考にならない」というケースか、のどちらかです。
この解説ページでは、そういうことにならないよう、極力「他の方がやる場合でも参考になるように」ということを念頭に置いて記事を書くようにいたします。
会社設立までの全体概要
さっそく解説記事のスタートですが、まずは全体像を。この記事を書いているのが、「多分これで設立の作業は一応一段落だろう」ということになった2017年5月8日です。ここまでの全体的な流れをざっとご紹介して第1回目の解説としたいと思います。
設立を決めた日
法人設立を決めて、具体的な動きを始めた日は2017年3月1日でした。この数週間前から法人化の案をゴニョゴニョと練っていたのですが、具体的に何かをスタートしたのは3月1日です。
法人設立が成った日
法人設立日は2017年4月10日となりました。実際にその日だと確定したのは2017年4月18日のことです。
一通り法人設立関連の業務を終えた（と思った日）
今日つまり2017年5月8日です。
巷の解説書とか解説サイトなどでは「最短5日」とか「2週間くらいで」と書いてあることが多いですが、それは「本当に何のトラブルやミスもなく、土日などの休日も最も少ない日取りとタイミングで上手に手続きした場合に法人設立出来るまで」の話で、非常に非現実的な日数です。
費用をかけて司法書士や行政書士さんなどにお願いすればそのくらいの期間でできるかもしれませんが、自分でやりたい、なるべく費用をかけずにやりたい、というのであれば、私の場合と同様、1ヶ月半～2ヶ月くらいは見込んでおいたほうが良いと思います。
なお、「最短5日で自分でできます」的なWebサイトは殆どの場合「肝心な手続きの部分は別途有料で司法書士や行政書士に頼む必要がある。必要だったら紹介しますよ」というものです。もちろんちゃんと士業の方がやってくれる（有料ですが）ので間違いはありませんが、少々悪質なサイトの場合、最初は「全部自分でできる」的な表現だったのに、その解説通り進めていくといつの間にか「ここから先は有料、登録してください」というような勧誘になっていることがありますのでご注意ください。
設立～一段落まで2ヶ月は多分短い方
弊社の場合、元々個人事業主として15年事業を営んで来ていましたので、いわゆる「起業」とは異なりました。「起業」の場合には具体的な事業計画を作成したりという様々な「仕事をスタートするための下準備」が必要ですが、その部分に全く期間を要していません。純然と「会社設立するぞ！」と決めてからホントに会社になるまでの期間です。
現在会社勤めなどをしながら「起業、会社設立」を目指そうという方の場合、この2ヶ月以前に、様々な下準備が必要となるはずですので、その点を必ず慎重にご考慮ください。
さて、解説の第1回目はこれで終了です。次回からは、2017年3月1日からの時系列に沿って、何がどうなっていったのかを解説させていただこうと思います。
