会社設立解説~2~

会社設立手続きの解説第2弾。実際に法人設立を決めてから動き出すまで。

2017年3月1日~設立決定~

会社を設立するのにあたって「何をしなければならないか?」と考えて取った行動が「税理士事務所へ相談に行く」でした。私は個人事業主の開業当初から、1年間の決算(=確定申告)を税理士さんにお願いしていました。法人化したら、当然決算などを自分で出来るはずもないので、そのあたりのことをお願いできるかどうか?も含めてずっとお世話になっている税理士の先生へ相談に行ったというわけです。

ただ、この解説をお読みいただいている方に勘違いしないでほしいのは「会社設立をしようか?しまいか?」を決めるために税理士の先生へ相談に行ったのではありません。この時点で私は、「税理士さんに反対されたらやめよう」と言うつもりは毛頭なく、むしろ「反対されたら顧問をお願いするのをやめよう」というつもりで相談に行ったのです。

相談に行くと

  • どうして法人化しようと考えたのか?
  • 法人化すれば、色々な費用が個人事業主のときより余計にかかるが、それも承知の上か?
  • 今回法人化しようと考えた理由は、長く続く理由なのか(一時的に法人化しなければならないというだけなら、やめて例えば所属しているNPO法人などにその肩代わりをお願いするのも手だ)

というような色々な確認やアドバイスを受けました。まあけど、30分程度の相談と受け答えを経て「そういうことでれば(=意志が固そうなので)、法人化にトライしていただいてその後の顧問契約のことは法人化後に相談しましょう」ということになりました。

私自身としては、この日が事実上「会社設立を正式決定した日」だと今でもそう思っています。

2017年3月4日~定款作成~

2月下旬頃から、本屋などで立ち読みしたりネットで調べていて「法人設立をするには何はともあれ定款を作成しなければ始まらない」ということを学習していました。

定款ってどうやって作るんだ?・・・と思っていましたが、そこはネット活用の時代。インターネット上で「会社設立 定款作成」と検索するといくらでも情報が出てきます。また「会社設立 定款 ひな形」ナンていう感じで検索すれば、ベースとなる定款文章も簡単にゲット出来ました。

弊社の場合は、クラウド会計ソフト「freee」の機能で「会社設立freee」というサービスがあったのでこれを利用しました。(会社設立freeeは、画面上で必要な情報を入れていくと定款を自動で作成してくれるというサービス。ただし定款作成後、その先の手順の途中から「ここからさきは司法書士へ手続きを依頼することになるので有料です」という部分があるので、定款を作成した後はこのサービスは利用しませんでした)

定款作る前に決めた色々なこと

上記の時系列では会社設立決めてからいきなり定款作成を始めたと書きましたが、そこに至るまでは当然色々な経緯があります。解説本やノウハウサイトではこの「定款前」を結構色々と書いてありますが、私も当然そういう経緯を踏みました。

会社名

会社名は「同じ地域で同一の社名はだめ、紛らわしいのもだめ」ということでモノの本には「商号調査などして却下されないようにしなさい」と書かれていましたが、もともと「岸本ビジネスサポート株式会社」と決めていて、それがかぶってないかネットで調べただけです。「○○コーポレーション」とか英語やイタリア語の単語を社名にするなんていう場合には、ありがちな名前だと商号調査が必要かもしれませんね。

商号(会社名)を決めるときのルールというか決まりごとは、「会社設立のしかた」というようなテーマの本に必ず書いてあるのでそういうのを参考にされると良いでしょう。

資本金をいくらにするか?

法律上では資本金は1円以上ならいくらでも良いことになっています。けれども実際にはそうはいきません。以下の理由から弊社の場合は設立時に「1円」はやめました(というか最初からそういう選択になりませんでした)

  • 事業の「元手」となる資金だから、実際会社がスタートしたらすぐに色々お金がかかる。「資金1円」では仕事が出来ない。
  • 会社作れば、資本金とか設立年月日とか公表することになる。「社会的信用」と「社会・顧客への責任」を謳うために会社にするのに「資本金1円」ではそもそも残念な感じがしてイヤだ。

決算期をいつにするか?

設立日付から一番遠い(つまり最初の年度が丸一年に最も近くなる)日が良い、と誰かが解説していました(決算料とか会計期間の都合だろうと思いますが)。設立決めたのが3月1日、ここから手続き始めて、なんだかんだと1~2ヶ月かかるだろうから、設立日は4月か5月になるだろう。4月設立だった場合を考えて3月末にしよう、ということで4月1日~翌3月31日までを会計期間にすることとしました。つまり3月末決算。

役員をどうするか?

代表者(社長)は自分だというのは良いとして、役員を一人にするか、複数にするか・・・ここは少し迷いましたが、家内(嫁さん)を取締役にすることにしました。ナンでかって?これも理由は2つです。

  1. 家族を役員にしておくことで役員報酬などの給料を配分できる(→役員じゃなくて従業員にしてもイイんだけど、それだと雇用保険とか色々面倒くさそう)
  2. 家内が営んでいた小売店をこの際だから会社の事業のひとつとして取り込むことにした

2.の方はウチの場合の特殊事情ですが^^;

と、まあ定款作る前に決めたことはこんな感じのことでした。これらは「考えて決定した」というよりは「会社設立しようか?と考え始めた2月頃から設立を決めた3月1日ころまでの間に、ぼんやりと考えては保留にし、また再検討しては保留にし、とイメージしていたことを、3月1日にポンと決めた」という感じの流れです。(多分脱サラして会社作ろうとか、そういう立場の方は、こんな感じで決まっていくんではないでしょうか?)

定款に書くのに決めておくべきこと

さて、上記の「定款前」が決まっていたので、定款を実際に作る時に決まってなくて迷った、ということは殆どありませんでした。発行株式数を何株にするか?とか目的をどうする?とかは、先ほどご紹介した「会社設立freee」の定款作成サービスで必要事項を入れていったらどんどん自動で出来ていきました。多分他のひな形サービスなんかでも同じように出来ると思います。

なので、定款前の決定事項を迷わず決めておけば定款作成はそれほど苦労しないと思います。

さて、定款作成は「作成サービス」ですぐに出来ましたので、次は定款認証などの具体的な手続き・・・なのですが私の場合、その前に大きなハードルがありました。次回はそのことについて解説しようと思います。