ITコーディネータ独立開業録~その2~

筆者(岸本)が独立開業、ITC資格を取得して「何とか食えるようになった」体験記その2

筆者プロフィール

独立系ITCとして開業・事業継続をしてきた体験記をお伝えする上で、「どういう人物が発信しているのか?」は非常に重要なポイントだと自分では思っています。
決して自分のプロフィールをひけらかすような意図ではないのですが(←というか、そもそも全く自慢できるようなプロフィールではない^^;)、ITCとして独立・仕事を取るということをお伝えする上で必要だと思いますので、煩わしいとは思いますが1記事だけお付き合いくださいm(_ _)m

なぜプロフィール紹介?

理由はシンプルです。「ITコーディネータ資格を持っていて、それなりに仕事を獲得できて独立して事業を営む人というのは、きっと高度なITスキルや華々しい経歴を持っているに違いない」という、もしかしたら「食えずに模索しているITCさん」が持っているかもしれない印象・イメージを覆したいから、です。
まあ、なにはともあれ自己紹介書きますので、読んで下さいm(_ _)m

生い立ち

1967年(昭和42年)生まれ。静岡県沼津市に生まれました。
生家はごくごく普通のサラリーマンの家・・・と言うには少し特殊か^^;?・・・父親は機械設計技術者で、機械設計の会社に勤めていました。
祖父母が、田舎によくある「学校の前の駄菓子屋」を営んでいました(ちびまる子ちゃんに出てくる「みまつ屋」みたいな感じのお店です)。
なので今でも地元で知る方からは「駄菓子屋の息子」と言われています(笑)
長男として生まれて、父親からは「将来理系に進んで技術者になってほしい」という期待を持たれていましたが、当の本人(私)は押しも押されぬ「文系」へ進み、大学では「文学部行動科学科哲学専攻」なんつー、理系・技術系とは最も対局にあるような分野に進みます。

で・・・世間的には「まったく恥ずかしくて隠したい事実」だと思うのですが、私は大学を留年しまくり、4年間で卒業すべきところをなんと8年間も大学に通い、最後ギリギリで何とか卒業した、という、いわゆる「大学で踏み外した」部類の人間です(汗)。
(←私自身としては、今にして思えば結果的にとても貴重な人生経験であったため、全く隠さずあけっぴろげに「大学8年もかかって卒業しています」と吐露しています)

就職・職歴

1994年に大学を8年かけて卒業したものの、当然「新卒なのにすでに26歳」なんていう者に普通の就職活動で職が見つかるわけもなく、卒業後の初めての就職先は、在学中にお世話になったバイト先から紹介された会社でした。
大学のある千葉県内での就職でした。ドラッグストア・チェーンを営む会社です。

その後、家族の事情もあり地元静岡県沼津市へ戻りましたが、その際にも満足な転職活動も出来ず、地元へ戻った最初の年は何とか地元の会社へ入り込んで1年間営業職でした・・・が・・・、元々超人見知りな性格で「知らないところへ飛び込んでって営業して顧客を取ってくる」なんて全く出来ず1年間一件の成果も出せず退職。
たまたま退職直前に地元で募集していた家電量販店の正社員募集に応募して入社できて、何とかそれで落ち着いたというのが1999年です。

結婚・退職独立

2001年に結婚しました。その直後2002年の1月に勤めていた家電量販店を退職し、ゼロからのスタートで独立することにしました。(ここらへんは人生談として語り始めると、まあイロイロあって長くなるんですが、この解説記事の主旨からは外れるので割愛します^^;)

で、ここまでのプロフィール紹介でお伝えしたいことの最重要ポイント2つ

  • 独立するまでの過程で「ITに関する専門的な知識教育・訓練などは一切受けていない」という点。この時点ではITC資格を取得していませんが、そもそも独立の過程で何か勉強したり教育を受けたりしていないんです、私は^^;
  • エイヤ!っと勢いで独立しているので、周到な事業計画とか戦略があって実行に移したわけじゃないという点。ただし「結婚して半年で勤めをやめてゼロからスタート」することになったので「絶対に途中で放り出すわけにいかない」という覚悟だけはありました。

創業直後

独立直後は、パソコンサポート・ITサポートを事業としていました。
けれども、これでは全く「食っていけない」状態でした。どのくらい食っていけなかったかと言うと・・・今でもハッキリ覚えています(資料を引っ張り出さなくても以下の表が書けるくらい(笑))

創業直後の売上推移

年・月 売上額 備考
2002年3月 7万円 設定サポートやトラブルサポートなどを15件くらい
2002年4月 13万円 設定サポートなど10件+パソコン1台販売
2002年5月 11万円 設定サポートなどを20件くらい

 

結婚して家族を持ちこれから一生生計を立てて行かなければならない身の大の大人が月商10万円そこそこでは、誰が見たってとてもやっていけるものではありません。
それで、3ヶ月めにして何をしたかと言うと「何でもやりますから仕事下さい」になりました。具体的には元いた家電量販店を訪問し、量販店では対処しきれないお客様を紹介してもらってその対応・サポートをしていたんです(幸いにして量販店は円満退社でしたので、こういうコミュニケーションを取ったりご厚意に甘えることが出来ました)

その結果、「その1」でも書いたような、ゲーム機の設定からオリンピック中継の録画、アダルトサイト対策、壊れたパソコンの修理などなど、実に様々な仕事をした、というわけです。

地元のコネはゼロでした

創業したのが生まれ育った土地だった、というのをお読みになると「地元のコネや人脈があったのだろう」と想像される方も多かろうと思いますが・・・そういうものは殊更私に限って言えば「全くのゼロ」でした。

大学進学後、地元の中学・高校の同窓会などにはただの一度も出席したことがなく、多分地元の同級生の中でも「影の薄い」存在というか「思い出してもらえない」存在だったと思います。
その上、大学8年も行ってその後30歳も過ぎてから地元に戻ってきたというのでは、地元とはいっても状況としては「完全アウェイ」でしたから、地元出身というコネや人脈は全くゼロでした。
それだからこそ、なおさら「もらえる仕事は何でもやる、それがたとえITじゃなくても、屈辱的な内容の仕事でも法に触れたり人道に背いたりすることでなければやる」という姿勢に拍車をかけました^^;・・・今(2020年)にして思うと、コレがひとつの「強み」になっている気がします。

ITC資格取得

2003年暮れに、全く偶然ですが高校時代の同級生に街なかで遭遇しました。税理士をしているという彼と茶飲み話をしているときに「ITのしごとをするならITコーディネータという資格があるって聞いたことがあるぞ」とヒントを頂き、それをきっかけにITC資格を取得することに決めました。

ITC資格を取ろうと思い立ってから取得するまでの間は、期待感マンマンでした。どんな期待感かというと・・・

  • なんの資格も持たずに独立しちゃった自分では、どこまで行っても個人顧客を開拓するしかない。けど個人顧客のITサポートはいずれ限界が来る
  • ITC資格は「ITを利活用したい中小企業をサポートする資格」だという。これを取れば「会社・法人相手」のビジネスが出来るんじゃないか?

そういう期待があったので、当時資格取得するのに必要だったケース研修費用&資格試験費用全部で50万円くらいを、「月商10万円」の自分がなけなしのヘソクリはたいて支払って、資格を取得しました。

全く状況が上向かなかった2004年~2013年

ITC資格を取得して、さあこれで幅が広がる!・・・と期待を膨らませたのにも関わらず、実際には資格取得の2004年からその後10年間、ITC資格を活かした仕事というのには、全くありつくことができませんでした。本当に全くです・・・ゼロ件。

ITコーディネータは、毎年1回資格更新時に「過去1年間にITCとしてした仕事の件数や収入額をアンケートで答える」義務があるのですが、私はそのアンケートに2013年まで「ITCとしての仕事ゼロ件、0円です。もっと認知度上げて仕事しやすい環境になってもらわないと、これでは資格とった意味が全くありません、どうしてくれるんですか?」と毎年不平不満を書いていました^^;。

プロフィールと経緯を伝え終えたところで・・・

さて、筆者(岸本)のプロフィールと言うか「どんな人物なのか」で、伝えるべき事は書いたと自分ではそう思います。(もちろん、人ひとりの様子を伝えるのにこんな短い文章で詳細に渡り伝わるとは思いませんが・・・)
お読みいただいている皆様に、とりあえず情報として理解しておいていただきたいのは、筆者が

  • ITやコンサルティングに関する専門的な教育や訓練を受けていたという経歴を持っているわけではない
  • 国家資格などITC以外の資格を持っていて、実はそっちが影のチカラになっているというわけでもない
  • 特別優秀な頭脳や類まれな人格者なわけでもなく、むしろどちらかと言うと「ダメ」な部類
  • ひとりで気ままにやってられる立場ではなく家族を背負い生活を組み立てていかなければならない責任を背負っている
  • 少なくとも2004年ITC資格を取得した直後から10年くらいは「ITCとして食えなかった」状態にあった

という点です。

伝えたいのは「その後ITCとして食っていけるようになった」という事実

そして筆者(岸本)が、この連載記事で最も伝えたいことは「それでも現在はITCとして生計を立てて食っていける程度には稼げている」という事実です。

何か特別な資格を持つわけでもなく、特別優秀な頭脳や秀でた人格を持ち合わせているわけでもなく、また人脈もコネも持ち合わせていない人間が、ITC資格取得して、最初は食っていけなかったとは言え、結果的に15年後には生計を立てて食えているようになっている・・・そこに至る経緯を赤裸々にお伝えすることで、同じように「これから食えていけるようになりたい」方へのなにかのヒントになればと考えている、というのが筆者の偽らざる意図です。(・・・まあちょっとだけ「コレ書いて共感していただける方とつながって情報交換してみたい」という下心もありますが^^;)

さて、プロフィールなどという面白くも何ともないことを読まされるのは苦痛でしょうから、コレくらいでおしまいにします。

次の記事では「食えない」ってどのくらいだったのよ?「食えるようになったっていうけど、それってどのくらいなのよ?」という超具体的な話を解説させていただきます。

 

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