クラウド電話(IP電話)

クラウド電話(クラウドPBX)についての解説

クラウド電話(IP電話)

NTTの電話(固定電話)は、住所によって市外局番や番号が決まりますね。固定電話だと以下のようなデメリットがあります。

  • 固定電話回線のある場所(事務所・会社・店舗など)に居ないと着信が受けられない
  • 外出時に転送すると、会社事務所~転送先の電話までの電話代は自分が負担しなければならない
  • かと言って、携帯電話をお店や会社の公式の電話番号にするのはちょっと・・・

そんな時に便利なのが、クラウド電話(IP電話)という仕組み。クラウド電話というのは、いわゆる「電話回線」を使った電話ではなく「インターネット回線」を利用した電話です。

電話をかけてくる相手は普通に携帯や固定電話から電話をかけてくるのですが、着信を受けるこちら側は、インターネット回線を通じてパソコンやスマートフォンで電話を受ける、という仕組みです。

中でもクラウドPBXという電話サービスは、「同じ番号へ電話が、パソコンでもスマホでも複数の端末へ着信する(どちらでも電話を受けることができる)」という仕組みになっています。つまり、「事務所にいる時にはPCで電話を受け、外出している時にはスマートフォンで電話を受ける。お客様や電話相手からは、どちらも同じ電話番号として繋がっている」ということが可能になるというわけです。

クラウド電話のメリット

クラウド電話(クラウドPBX)には、色々なメリットがあります。

いつでもどこでも電話を受けられる

上記の図でも分かるように、インターネットに繋がっていて設定してさえあれば、パソコンでもスマートフォンでも(場合によってはiPadのようなタブレットでも)電話の着信を受けることが出来ます。一人で事業を営んでいるいわゆる「ひとり親方」の会社や、事務所や会社を留守にすることの多い会社では「出先でも会社への電話を受けられる」ことになります。

転送電話のような「転送電話代」がかからない

NTTの固定回線でも「転送電話」というサービスで同じように「外出先で電話を受ける」事ができます。ただしこの場合、会社の電話→転送先の携帯電話への通話料は、会社電話の通話代金として料金がかかってしまいます。筆者(岸本)のように、電話はほぼ全部出先のスマートフォンで受けるとなると、転送電話では電話がかかってくれば来るほど「携帯電話へかける電話代金」がどんどんかさんでしまうことになるわけです。

その点、クラウド電話は「転送」してるわけではないので、転送通話料金はかかりません。

複数拠点でも同じ番号で受けられる

ネットに繋がってさえいれば、どこの場所でもどんな端末でも同じ番号の電話を受けられます。なので、例えば「会社にかかってきた電話を、在宅勤務のパートさんに出てもらう(受けてもらう)」というような事も可能になります。

また、複数の拠点で同じ番号での着信設定をしておけば、電話が着信した時に「出られる人が出る」・・・まさに会社で電話交換機を使っているような・・・そういう利用の仕方も可能になります。

つまり、クラウド電話は文字通り「クラウドを利用した仕事の仕方」・・・テレワークやリモートワークにはうってつけの電話サービスというわけです。

クラウド電話のデメリット

ただ、クラウド電話(クラウドPBX)にも、デメリットはあります。

固定電話の番号をそのまま利用するには工事が必要

クラウド電話は、インターネット上の仕組みに電話番号を乗せる必要があります。このため、元々使っているNTT固定電話の番号をこういう「クラウド電話サービス」として利用したいとなると、そのための工事が必要になります。それなりに工事費用もかかります。(各クラウドPBXサービス会社によって工事の可否や導入時の費用が異なりますので、ご関心のある方は調べてみてください)

工事が難しい場合には電話番号の変更をしなければ・・・

筆者(岸本)自身は、電話番号の変更は決してデメリットだとは思いませんが、クラウド電話への移行に伴って電話番号の変更をしなければならないという場合には、この点も考慮する必要があります。

クラウド電話、あんな疑問こんな疑問

さて、クラウド電話サービスを利用してみたいけど・・・分からないことだらけという方向けに、いくつか解説を。

音声の品質は?

弊社でもつい最近クラウド電話に切り替えましたが、通話はいたって快適に出来ています。「音が途切れる」とか「ノイズが入る」とよく言われていますが、そういうストレスは感じたことがありません。

通話料金は?

サービス提供会社により様々ですが、概ね「固定電話からかける」よりも割安な感じです。

普通の電話機は使えないの?

残念ながら固定電話で使っている普通の電話機は使えません。既存の固定回線を使ってクラウド化する、という場合のみ、SIPフォンという、クラウド電話用の電話機を使うことは出来ます(見た目、ビジネスフォンとよく似ています)・・・が、クラウド電話の「いつでもどこでも、ネットに繋がっていれば使える」というメリットを活かしたい、電話料金を抑えたいというのに、わざわざ費用をかけてSIPフォンみたいな機械を使う必要は、ないかな?と筆者個人的には思いますが^^;

FAXは?

クラウド電話(クラウドPBX)サービスでは多くの場合「FAX」は使えません。(一部、FAXも併用できるサービスもあるようですが)・・・クラウド化・デジタル化の過程で、FAXの利用も見直しながら取り組んでいくのが良いかと思います。

オススメのサービスは?

弊社では、「クラウドフォンビズ」というサービスを利用しています。(申し込み問合せの際、一番対応が早くてなおかつ丁寧だったのがこの会社だったので選びました)

以下、全て実際に使ったというわけではありませんが(さすがに電話サービスを全部実際に使って検証するのは弊社のような小規模会社ではムリなので^^;)・・・問い合わでの回答や公式Webサイトでの説明などから、比較的「小規模企業に向いてるかも?」というものをいくつかご紹介しておきます。

クラウドPBXサービス名 料金
クラウドフォンビズ 月額基本プラン1,100円 + 月額880円(クラウドフォンビズPro)
トビラフォンクラウド 月額費用3,300円 +「通話料」 / 初期費用:33,000円(税込)
GoodLine 初期費用2万円・月額3,000円/2内線

※表記は2021年8月21日現在の情報です。正確・詳細な情報は自己責任にてご確認ください。

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