業務の足かせになるムダなIT利用その1

何でもかんでもITを利用すればイイってもんじゃありません。例えばこんな無理やりなITの使い方すると、かえって業務に支障をきたします。

アンケート集計

小さな会社やお店がキャンペーンやセミナーを開催してその感想をアンケートに記入してもらい、集計するなんていうことは良くある話だと思います。で、こういうアンケートの集計の際に、たまに見かけるのがこんな「ムダ」なパソコンの使い方。

アンケートの回答を全てWordに打ち込む・・・ムダ

お客様やアンケート回答者にA4くらいの用紙で手書きアンケートを記入してもらい、その回答を回収したらWordで1枚1枚必死に入力しているという光景をごくまれに見かけることがあります。これ、一見良いように思えますね。だってWordで打ち込んでおけば、後で誰でも画面で見ることができるし、例えば何らかの形でキーワード検索なんかもできるかもしれない・・・。

けれども、ね・・・そのアンケート回答、5枚や10枚ならまだ分かりますが、回答数が100枚とか200枚だったら?ものすげ~必死になってWordに打ち込んで保管しておく意味、ありますか?

アンケートの回答って、キャンペーンやセミナー終了後の割合早い時期に確認して成果を確かめたり改善策につなげていったりするものです。後生大事に取っておいて何年もあとになって「あの時のキャンペーンのアンケートは・・・」なんて1枚1枚確かめるようなものではありませんよね。回答が数十枚とか数百枚になってるのなら、Wordに打ち込んで入力し終わるまでの時間に、普通に回答用紙を1枚1枚読んでってその場で確認していったほうがよほど速いし的確に意見やご要望を把握できるはずです。

紙に書かれた情報を何でもかんでもデータで打ち込もうとするパソコンの使い方は、かえって「アンケートの回答結果を素早く業務に反映させる」のを阻害するだけです。

アンケートの回答をExcelに入力して集計しようとする・・・イイけど・・・やり方考えないとね

これもアンケート集計作業での意外なムダ。質問が全て「1~5までの5段階数値」になっているようなアンケートの回答を、1枚1枚、1問ずつ「問1は1,問2は4・・・」という感じで数字を打ち込んでいくような集計を取る方もよく見かけます。

こういうアンケートの回答は後で数値で集計する意味があるので、Excelへ打ち込むコトそのものがムダとは言えませんが・・・ただやり方はよく検討したほうが良いと思います。上記で書いたように1枚1枚、1問ずつ回答を見てExcelのシート(該当セル)へ打ち込んで行くよりは、束になった解答用紙をザ~~~~っとめくりながら、鉛筆やボールペンで正の字で回答数を数えていったほうが、「集計作業」としては遥かに速い場合が多々あります。

集計するからといって、ひとつひとつ全て回答を打ち込んで行くよりは、一度手集計でザッと数えた後に集計結果だけ記入していくほうが効率も良いし業務としても的確な場合があります。

紙で受け取った回答を「全部文字や数字で入力してデータ化しておこう」という考えが本当のIT活用を阻害する

アンケートの回答集計に限らず、何らかの情報を紙で受け取った場合にそれらを全てWordとかExcelとかに打ち込もうというのがIT化だという考え方は、かえって本当のIT活用を阻害してしまいます。その紙に書かれた情報はどうやって保存しどうやって活かすのか?を考えた上で、必要なものを必要な形でデータ化しておくべきです。

例えば「書類として後でざっと見直すかもしれない」という程度のものなら、データ化するならスキャナで書類をまるごとPDF化しておくというやり方もアリです。こういう方法も視野に入れながら、「情報をどうやってデータ化するか?」を考えることが、単なるパソコン使ってるだけの状態からITを活用する状態へステップアップするひとつのきっかけになります。

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