業務全体を俯瞰する

小さな会社・小さなお店の経営者・事業主様が業務改善に取り組まれる場合のノウハウ解説第二回。今回からさっそく具体的な進め方解説をしますが、まず最初は「業務全体を見渡して把握する」という作業からです。

業務全体ってどこからどこまで?

業務改善するのに「まずは業務全体を見渡して、どこを改善すべきか確認しましょう」とお話すると、大抵の経営者様が「業務全体って、どこからどこまでを言うの?」とご質問されます。

答えは簡単。「会社(あるいはお店)を運営する上で必要な作業や仕事すべて」です。小さな雑貨店を営んでいると仮定して例示してみます。以下のような作業や仕事が挙げられると思いますが、これらは全て「業務全体」の中に含まれます。

  • 今日一日の売上を帳簿につける。
  • 売れて少なくなった在庫を補充する。必要に応じてメーカーや問屋へ発注する。
  • お客様に御礼ハガキやDMを書いて出す
  • ホームページ・ブログ・SNSなどの記事を更新する
  • お店の入り口のマットを交換する(業者へ連絡して交換してもらう)
  • 朝、店頭ののぼり旗を出して、夜、閉店時にのぼり旗をしまう
  • お店の前の歩道の掃除をする、お店の窓拭きをする
  • お店が開店する前に、身だしなみを整える

最後の方は、とっても細かな事なので「こんなのまで?」と思う方も多いと思いますが、これらもれっきとした「業務」ですね。だって、もしこのお店のオーナーさんがこの雑貨店を営んでいなければ、お店の前の歩道掃除とか、お店の窓拭きはしませんよね?オープン前の身だしなみチェックなんて、お店をやってなければしませんよね?

範囲とレベルを仕分けながら全部を俯瞰する

どういうレベルの業務改善をするか?にもよりますので、こまごました作業を全部洗い出して俯瞰しようというのも非現実的です。そこで、上記のような前提を頭に入れておいた上で、ある程度ざっくりとしたレベルでの業務全体を幾つかに仕分けてリストアップしましょう。例えば

  • 売上の確認や経理作業
  • 店頭の商品補充
  • 顧客管理・対応
  • 広告宣伝・Web活用
  • 店舗管理(掃除・身だしなみなど)

のように。(もちろん、上記で全てというわけではありませんが、まあだいたいこんな感じ、ということで)

ちなみに、この作業(業務全体を俯瞰する作業)は、パソコンの画面に向かったり頭のなかで考えたりという作業で終わらせないようにしてください。必ず「何らかの形で紙や付箋などに書いてみる」こと。
その際に、ある程度仕分けた業務の中に、更に細かな業務(作業)が含まれるということがわかりやすいように、上記のような仕分けた業務を「タイトル」として、その中身の作業や細かな業務をリストアップしてみると良いかもしれません。こんな感じです。

  • 売上確認・経理作業
    「伝票整理」「会計ソフト入力」「通帳記帳」「現金残高確認」etc.
  • 店頭商品管理
    「品出し・陳列作業」「補充発注作業」「バックヤードの整理」etc.

などなど。

弊社が実際の支援の際に使う「業務改善ツール」を利用すると、具体的な俯瞰作業が出来ると思います。必要な方はお気軽にご相談ください。

真剣に俯瞰すると必ず「何となく」分かる

業務改善取り組もうと思ったら、いきなり「業務全体を俯瞰してリストアップしろ」かよ・・・面倒くせえな・・・。まあまあ、そう思わずにまずはここをじっくり取り組んでみてください。

あなたの会社を運営するために、具体的にどんな作業やどんな業務が発生しているのか、ひとつひとつ全体をリストアップしていくと、たいていその過程で「何となく」改善のポイントが見えてくるモノです。

そうか、売上アップのためにWebとか広告とかばかり考えてたけど、そもそも毎日の店頭在庫が品切れ気味の陳列では、せっかくお客が来ても印象悪いよね。・・・けど、陳列や補充作業するにも、ウチお店の補充作業する人、経理の○○さんが兼任じゃん。これじゃ経理も補充も中途半端になっちゃうよね・・・

みたいな感じで。
もちろん、その改善ポイントが必ず正しいとは限りませんけれど、とにかく全体を見渡しながらそれぞれの作業の関連性とか影響度を把握し始めると、色んな考えが浮かぶようになるのは確かです。
まずは、この作業をじっくり始めてみましょう。

ここすごく大事です。迷ったらご相談を

ちなみに、この「業務全体の俯瞰」作業は、業務改善の上で非常に重要なポイントです。ご自分では何となく自信がない、どうやればよいか分からない、という場合には、私どもでお手伝いさせていただきますので、どうぞお気軽にご相談ください。

 

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