独立・開業~貯蓄について

独立・開業して仕事を始めたら、貯蓄を一生懸命する必要がありますけど、はたしてその貯蓄ってどのくらいすればよいのか?

個人事業主・小規模企業経営者に貯蓄は絶対必要!

「転ばぬ先の杖」のページでも少し触れましたが、自営業・個人経営・小規模企業経営者には誰かが助けてくれる保証なんていうものが一切ありません。ずっと先の将来仕事を廃業した時に「退職金」なんていうものも一切ありません。

なので当然、その時に備えて何か対策をしておく必要があります。個人年金のような保険にはいっておくとか、退職金にあたるような共済金を積み立てておくとか、方法は色々ありますが、要するに「将来に備えて貯蓄をする必要がある」というわけです。

昨今は超低金利なので,どういう方法を取ったとしても「金利で大きな利ざやが得られる」ことは期待できませんから、結果的に「毎月貯金をしていく」のと同じようなものと考えれば良いでしょう。

どのくらい貯蓄をすれば良い?

では、具体的にどのくらい貯蓄をすれば良いか?を考えてみたことはありますか?例えば以下の様なケースで考えてみましょう。

30歳で脱サラ・独立して開業。65歳までは現役で働こうと考えている。その後は夫婦二人暮らし、人生設計としては85歳位までを考えている。

独立開業する以前の貯蓄はすべて開業資金にあてて老後の貯蓄はゼロという前提でスタートしてみます。

66歳~85歳までの20年間、夫婦二人で暮らすのに毎月生活費が20万円かかったとします(食費、水道高熱費や、医療費、近所づきあいなどの交際費、ちょっとした趣味や娯楽の費用など諸々含めると、夫婦二人で20万円というのは決して高額な設定ではないと思います)。65歳以後、年金が貰えるとはいえども楽観視は全く出来ないので、少なめに見積もって、夫婦二人で毎月8万円ずつもらえたとします。すると、毎月20万円-8万円=12万円ずつ、貯蓄を切り崩すことになりますね。

12万円×12ヶ月×20年=2,880万円

つまり、30歳で独立したら廃業する予定の65歳まで35年間で、最低でも2,880万円の貯蓄をしておく必要があるというわけです。これを1ヶ月ずつで均等割すると・・・?

2,880万円÷35年÷12ヶ月=約7万円

65歳以降の老後、「住むところがあって家賃などが発生せず」「大きな病気などをして入院や治療に多額の費用がかかることもない」という理想的な前提条件で考えていますから、この7万円というのは本当に最低の最低額だと理解するべきでしょう。

もし予想以上に長生き出来て90歳までとなっったら?途中、大病を患って入院や治療に多額のお金がかかったら?老後、介護施設へ入所することになってその費用が必要になったら・・・?そう考えたら毎月7万円ではとても余裕を持った貯蓄とは言えません。出来れば最低10万円くらいは貯蓄を続けていくべきです。

ということで、結論

30歳で独立・開業したら毎月10万円以上の貯蓄をしていかなければならなくなる

開業当初にいきなり生活費とは別に10万円もの貯蓄を出来る余裕なんてきっとないでしょうから、実際には開業して2~3年めから貯蓄スタートになるだろうと思います。すると1ヶ月あたりの貯蓄額はもっと増えるわけです。

独立開業した(する)年齢が30歳より遅れれば・・・35歳とか、40歳とかなら、1ヶ月あたりの貯蓄額はさらにグン!と大きくなります。場合によっては1ヶ月に15万とか20万とか貯蓄しないと老後の蓄えが全く追いつかないなんてこともアリます。

そんな大げさな、と侮るなかれ

色んな前提や推測に異論のある方は多いでしょう。「そんな大げさに考える必要あるのかよ」と・・・。けどね、侮ったらいけませんよ、甘くないんです、自営業で人生設計を立てるというのは。

貯蓄や将来の備えを全く考えずに35歳・40歳と年を経てしまえば(つまり貯蓄を始めるのが遅れれば)、あっという間にもう追いつかなくなるんです。実際私の場合、35歳で独立開業し、40歳頃までは貯蓄なんて出来る余裕がありませんでしたから、将来の蓄えをスタートしたのは41歳の頃。先ほどのように逆算して計算していき、現在は毎月15万円~20万円もの貯蓄をせっせとしています。

15万も20万も貯蓄ができるなんて、儲かってるじゃんかお前!と言わないでくださいね。僕の私生活、どれだけ切り詰めた暮らしをしているか・・・多分毎日500円のランチでも節約のために食べられないと嘆くサラリーマンの方よりも、さらに厳しい節約を迫られていますから(^^;)。話がそれましたね、これは余談でした。

貯蓄は最低でも3000万円

ここまで説明してきてご理解いただけたと思いますが、ご自分が高齢者(65歳としましょう)になった以降、廃業して収入がなくなる前までに貯蓄しておかなければならない額は最低でも3000万円、余裕を持って暮らそうと思うのなら4000~5000万円以上の貯蓄が必要です。働ける30年~40年くらいの間にこの金額を貯めこまなければならないわけですから、「ギリギリでも暮らしていければ、個人事業主でやっていける」なんて甘いことを夢見ないで、現実をきちんと見る努力をしてください、ぜひとも。