独立開業する際に、注意しておくべき人間関係のことについて、アドバイス的な解説です。

人間関係って本当に重要

サラリーマンから独立して個人事業主になる方にとって、人間関係というのはあらゆる意味で非常に重要です。もしかしたら独立開業しようと言う方の中には「会社や組織の人間関係とか部署内での派閥とか、そういう仕事の足かせになるようなしがらみにイヤ気がさしている」という人も居るかもしれません。独立開業したら、自分が経営者だから自分の思うとおりに仕事を進められる、人間関係に縛られることは無くて済む、と想像しているかもしれません。

「自分の思うとおりに仕事を進められる」のは確かにその通りですけれども「人間関係に縛られる状況から解放される」と思ったらそれは全くの間違いですから、開業する前に認識を改めておいてください。

最も重要な人間関係ふたつ

独立開業して個人事業主になるのにあたって、もっとも注意深くケアしておくべき(=良好な関係を保つために細心の注意を払うべき)人間関係というか相手がふたつあります。それは

まず何よりも家族

ご結婚されて家庭を持っている方は奥様や旦那様、お子さんとの人間関係を最優先にケアすることを絶対に怠らないこと。また、独身の方はパートナーやご家族(たとえ同居されていなくても)を最優先にケアしてください。これはなにもセンチメンタルな「家族って大切だよね」的な話ではありません。(そういう事も大切ではありますが)。

自営業、実際に始めると分かりますが家族やごく親しいパートナーの協力がなければ絶対に成り立ちません。サラリーマン時代には、自分の担当した仕事以外はすべて「経理」「総務」「人事」「情報部」みたいなバックアップ部門の方がやってくれていたと思いますが、自営業になると何から何まで全て自分がやらなければなりません。具体的には例えば

  • 銀行口座の管理や残高照会、振り込み、引出しなどお金の管理
  • 郵便物の確認や仕分け、ちょっとした書類の提出や記入
  • 電話応対(仕事と全く関係ない勧誘電話なんていうのも含めて)
  • 来客時などのお茶出し・接待
  • 仕事場で出たゴミや廃棄物の仕分けや処理

実際の感覚としては、仕事している時間の3分の1から4分の1くらいは、こういう「サラリーマンの頃には誰かに任せておけば済んだこと」に時間を割かれている感じです。そしてこれは自営業を続けている限り、ずっと続きます。当然、事業の成果が上がって忙しくなり始めれば、こういうことを誰かにお願いしなきゃならなくなります。

そう、そういう時に「家族やパートナーが協力してくれる」というのは、どんな事よりもありがたいことなんです。

そういう意味・・・つまり個人事業主として事業全体を円滑にスムーズに薦めるという意味・・・からも、家族やパートナーが自分の独立開業について理解をしてくれて協力してくれるかどうか?というのは、事業の成功を大きく左右する「見えない部分の最重要成功要因」です。

家族やパートナーに、ご自分の独立開業をじゅうぶん理解・納得してもらい、協力し続けてもらえるよう細心の注意を払いながら良い人間関係を保つようにしましょう。

お勤め時代の上司・同僚・部下

これも非常に重要でケアすべき人間関係のひとつです。

個人事業主はその名の通り「個人」で事業を営むのですから、スタート時点では取引先もお客様もいないし信用や実績もゼロです。どんな業種であれ「お客様を見つけて自分を選んでもらう」のは最も苦労する部分ですが、この時に「辞めた会社の元上司や同僚・部下」との人間関係が良好であれば、実は色んなありがたい支援をしてもらえる事も多々あります。

辞めた会社に、起業後ちゃんと挨拶しに行って連絡を取るくらいのことが出来る関係を保てていれば、例え全く違う分野の業界で独立しても何かの折にお客様を紹介してくれたり、あるいは元上司や同僚自身がお客様となってくれるということも、可能性としては無くはないはずです。
辞める時に独立開業を伝えて「そうか、頑張れよ!」といってもらえるような形で送り出してもらえていれば、その可能性はもっと大きくなります。

スタートアップ時、一番苦労するのが「日々の売上」と「新規のお客様をつかむこと」ですから、その部分で何か応援してもらえる相手が居るというのは非常に心強くもあります。また、元いた会社での人間関係や仕事ぶりが評価されていればいるほど、ちょっとしたクチコミや紹介の時にもとても高い評価をしてもらえる期待もあります。

そういう意味で、元お勤めしていた頃の上司や同僚・部下との関係も、一生懸命ケアするように心がけると良いでしょう。

なので、会社とケンカして辞めたとか辞表叩きつけて辞めてきたというようなやり方はおすすめしません。(と言うか、人間関係をそういう風に乱暴に扱ってしまうような方が、信用が最も大切な個人事業主という商売をやっていけるとは、とても思えませんので、ね)