サラリーマンが独立開業して個人事業主になる(なった)場合の解説記事。

法人設立のメリット?

先に正直に申し上げておきます。私自身は「個人事業主」で、自分で実際に法人設立をしたことがあるわけじゃないので、本当のところメリットはどんなものなのか?デメリットはどんなものなのか?は分かりません。ただ、一般的に以下の様なことが言われています。

  • 取引先や顧客への信頼度が増す
  • 節税面でのメリットが大きい
  • 融資や資金調達がしやすい
  • 取引の幅が広がる

などなど・・・。けれども、ね

「節税面でのメリットが大きい!?じゃあ法人設立しちゃったほうがイイじゃん!1円で法人設立出来るって言うし」・・・単純にそう思った方、以下の私の考えをよく読んでから、冷静に判断して下さい。

節税面でのメリット・・・お金が儲かるワケじゃないですよ、勘違いしないこと!

法人で事業経営していると節税面で様々なメリットがあるのは本当のようです。私の友人の税理士もそう話していますから。

けどね、それは「払うべき税金がちょっと減免されるかも」って話です。払わなきゃならない税金を払わなくて良くなるというわけじゃあありません。「税金の金額を低く抑える」というためには、そのための相当な努力をする必要があります。サラリーマンの経験しか無い方にとってみれば、それは多分「涙ぐましいほどの、血がにじみ出るほどの努力」のように感じるはずです。(→個人事業主や法人経営者となって慣れてくるとナンのことはないのですが)

独立開業時に一番大切なことは「顧客を獲得し、売上と収益を確保すること」です。このことに全力投球しなきゃならない時期に、いきなり「血のにじむほどの努力で節税努力しろ」というのは・・・多分とても酷なことだろうと思います。

経費は減りませんよ!1円も!勘違いしないで!

よく「法人になると会社のお財布と個人の資産が区別される」なんていう話をされると思います。なんかソレ聞くと、「経費の節約にもなるんじゃないか」と思う方も多いかもしれませんが、よ~~~~く考えて下さい。

会社で1万円の経費を使ったとします・・・それ、誰が払うんですか?・・・あなたでしょう?経営者なんだから。

十分会社が成長して、あなたが役員報酬をきちんと貰えるようになって、経費は全部会社の経理から出せるという、本当に「企業組織」として成熟してきた後なら別ですが、開業したばかりの当初やはじめの数年は、会社から出て行く費用やお金は、全部元々あなたの自己資金や、本当はあなたに払われるはずの給与や役員報酬を削って支払われることになることがほとんどです。

法人化したら経費が節約できる・・・それはロジックとして完全な間違いですから、そういう事を鵜呑みにしないようにしましょう。

法人って、会計事務所(税理士さん)へ支払う費用が個人よりかなり高いんだぜ?

個人事業主なら、自分で確定申告行うという選択肢もありますし、また「決算だけ」をお願いするなら数万~10数万くらいですみます。

けれども法人となると、その確定申告手続きや作業は個人事業主の場合の比ではないようで、どの税理士さんに聞いても「個人の場合よりそれなりに高くなるのは当然」と言われます。

また、私の取引先様やお客様の法人決算の話を聞いても、およそ個人の場合とは全く桁の違う金額になります。(法人決算+経営者としての個人確定申告もしなきゃならない、というのも理由の一つです)。

法人にして多少節税ができても、その分余計に税理士報酬や会計事務所への支払いが増えてしまっては、オカネの面ではあまりお得とは言えなさそうです。

借り入れや資金調達って・・・

最初から数千万とか数億というようなケタ違いの資金が必要な事業なら話は別ですが・・・このコーナーで想定しているケースというのは、「個人で事業を行うことを目論んでて、年間1000万~せいぜい5,000万円くらいの売上を想定している方」です。

そういう方にとって、銀行から一千万も二千万も借り入れなきゃならないような話って、フツー無いと思います。あっても「飲食店なので厨房設備に全部で800万円」とか、「テナントのお店を借りるのでリフォームや内装に1000万円」とか、そういう話だろうと思います。

300万円とか500万円とかの資金調達をするためだけに法人設立・・・というのもちょっとなあ・・・と私個人はそう思いますが、読者の皆さまはいかがでしょうか?

信用・信頼について

これは「法人だから」という話はあまり関係ないように思います。例えば一部上場企業と契約を取り交わすために、契約相手が法人でなければならないから、というような「信用」ではなく「契約条件」の問題なのであれば、法人設立も必要でしょうが、「法人にしないと信用がつかない」というのは、私の経験上「机上の空論」でしかありません。この事については、今後「仕事の進め方」や「事業の展開の仕方」などの記事で解説していこうと思います。