小さな会社だから、というわけではありませんが小さな会社の経営者に必須なのが「妄想力」です。

妄想=超具体的なイマジネーション

「ペルソナ」という言葉をご存知でしょうか?マーケティングなどの分野でよく使われる言葉なのですが、簡単に一言で言うと「商品やサービスを買ってくれる人を具体的な一人の人として想定する」という考え方(というかマーケティング手法)です。

従来、商品やサービスを売れるようにする手法として「ユーザープロファイリング」という方法がありました。想定する顧客像を性別・年齢・職業・居住地などにグループ分けして、販売している商品やサービスに合うか合わないか?などを比較検討していくという方法なのですが、ペルソナというのはよく似ているようでこれとは真逆の考え方です。

商品やサービスの購入してくれるお客様をひとりの具体的な人として想定し、その人がどんな暮らしをしていて、どんな事を望んで、どんな理由でその商品を買ってどういう風に使うのか?を具体的に考えていくという手法。これを営業スタッフとか商品開発やメニュー開発するスタッフなどと共有することで、より効果的にアピールや販売をしていこうという考え方です。

お客様にはこんな人がいる、あんな人もいる、あるいはこういうケースだってあるんじゃないか?といろんなことを想定しすぎてすべて取り入れようとしたら、結局どのニーズも満足に満たせない中途半端な商品やサービスになってしまうという事にならないようにするのと同時に、「一番伝えたい顧客像に、一番伝えたいことを明確にメッセージとして伝える」という効果を狙うものになります。

小さな会社の「ピンポイント」マーケティングにぴったり!

この「ペルソナ」という考え方、小さな会社の勝ち残り戦略にはピッタリ!な手法なんです。以前にも解説させていただいたように、小さな会社は「1点集中」がカギとなります。(→「小さな会社は一点集中」)。

つまり、どれだけ具体的に「ウチの商品を買ってくれるお客様」というのを妄想できるか?が非常に重要になってくるんです。

「ペルソナ」例えばこんな感じ

佐藤綾子さん、38歳、女性。静岡県沼津市の海に近い街で生まれ育ち、高校卒業後、東京のある大学へ進学。卒業後地元へ帰り、3歳年上の隆さんと結婚して今は実家と同じ沼津市の郊外に暮らしている。
小学校5年生のお姉ちゃんと小学校1年になったばかりの弟くんと4人暮らし。
ご主人は地元のそこそこ有名な会社で営業マンをやっていて、佐藤綾子さん本人は、1週間に4日、事務系の仕事でパートに出ている。夫婦の収入も安定していて仕事的にも将来それほど不安はない。
綾子さんの実家のじいじ、ばあばは、綾子さんの子供(=二人の孫)が可愛くてしかたなくて、ひと月に何度も遊びに来る。そのたびに、いろんなお土産を持ってきてくれたり、外へ食事に連れて行ってくれたりするもんだから、夫の隆さんから「いつもいつも、色々良くしてもらってばかりだからたまにはお義父さんお義母さんにお礼をしなきゃ」と言われてる。
けど、もともと照れ屋の綾子さんとしては面と向かってお礼に何かを買ってプレゼントするとか、そういうのが照れくさくて、それじゃあせめて食事にご招待しようか?と思うようになった。いつも子どもたちに合わせてファミレスとか洋食のレストランばかりなので、和食で落ち着いて食事ができて、ファミレスとかチェーン店とかじゃないお店があったらイイなあ~と考えている。
海に近い街で生まれ育った綾子さんなので、魚介類など海の幸が大好き!そこでご両親を食事にご招待する、というプランに乗っかって、自分も大好きなお刺身とかたくさん頂いちゃおう!なんてチャッカリした目論見も考えている綾子さん。

さて、こんな感じの方がお客様だと想定して、和食の料理店を営んでいるとしたら、どういうふうにこの「佐藤綾子さん」にアピールすればウチのお店を選んでくれるでしょうか?

とまあ、こういう感じで「人物像」を想定していきながら、自社の商品やサービスを作り上げたりアピールしていくという・・・まさに「妄想そのもの」です。

実際にご商売に活用する際には、更に進んで「この佐藤綾子さんがウチのホームページを見て、こうなって、ああなって、お店を予約してくれて、それで来店してくださってどういう注文をしてどういう食事をして、どうなって・・・」というところまで妄想できると更にいろんな商売のノウハウやヒントが見つかるだろうと思います。

「妄想」=「リアルに自社の商品やサービスを利用してもらうイメージ」

だから、妄想力というのは「どれだけ自社の商品やサービスを具体的なシーンで想定できるか?」のイメージです。妄想力を発揮できなければ、商売の幅も広がらないと言っても良いくらいでしょう。

そして、妄想に「数字」つまり「どのくらいの値段で、どのくらいの売上が」とか「どのくらいの数お客様が来てくれて」とか「ウチの会社の顧客数がどのくらいになって」というような具体的なイメージの出来る数字が加わったとき、それが「経営ビジョン」(=ウチの会社がどんなふうになっているのか?を可視化したもの)になるというわけです。

妄想バンザイ(笑)!

ということで、小さな会社で小さなエリア(全国とかでなく、地元の市内とか県内というような)をターゲットにご商売を考えられている方であれば、ピンポイントで「お客様となる方」を的確に想像して商売のヒントを得るこの「妄想力」が、まさに事業そのものを成長させる原動力となりえるわけです、ね。

妄想力、バンザイ!です(笑)