ITコーディネータという仕事をしていてノウハウとして獲得したことのひとつ

売れる・売れないを考える

ITコーディネータとして仕事をしていると、お客様(=経営者様、お店のオーナー様)からお仕事の内容や商品・サービスの内容をかなり詳しく、何度もお伺いするという必要に迫られます。経営をITで支援して商売繁盛のお手伝いをするためには、どういうご商売をしていて、どういう商品やサービスを売っているのか?を正確に把握する必要があるからです。

大半の経営者様は「どうやったら売れるか?」と言う

弊社はこれまで何十件とご商売のお話を伺いながら支援の道を探ってきました。そのヒアリングやご支援の中で、ほとんどすべての経営者様が異口同音に「どうやったらもっと売れるようになるのか?」とおっしゃっています。
もちろん経営者なのだから当たり前といえば当たり前のことですが・・・私どもが毎回気になり、ご指摘させていただくのは「どうやったら売れるか?」という問題提起に対するアイデアや考え方についてです。

多くの経営者様が「考えない」こと

人は興味のあること、ご自分に都合の良い事しか信じようとしないとよく言いますが、これが見事にこういうヒアリングや問題提起・課題解決のプロセスにも当てはまります。それは以下の2つです。

1.本当の理由は「内」にある

なぜか売れない、お客が離れた、良い商品なのにそれが伝わらない・・・そう言う経営者様の多くが理由を「外」に求める傾向にあります。理由を外に求めるというのは、例えば

  • 時代の流行り廃りやニーズが変化したから売れなくなった
  • 景気が悪くなったからこの値段では誰もお金を出さなくなった
  • 良い商品のはずなのに情報発信ができていないからか、良さが伝わらない
  • 競合他社が色々対抗してきて競争が厳しくなった

などなど・・・確かにそういう事実はあるでしょうし、そういう理由で売れなくなったのも間違ってはいないのでしょう。
けれども私どもからすると、それは売れない理由なのではないと思います。これがなかなか信じようとしてもらえない要素の1つ目。

なぜ売れない理由なのではないと言っているかといえば、それらは「原因」ではなくて「結果」だからです。言い換えれば

  • 時代の流行り廃りやニーズが変わったのに「流行ばっかり追いかけるようのはその場しのぎの商売だ」と言って、時代の変化への対応を怠った結果
  • 景気が悪くなって客単価や市場価格が変わったのに、それに対応する対策や努力が遅れた結果
  • 良い商品を「買ってもらえるお客様」へ的確に伝える努力をせず、ただ漫然とチラシを出すとか看板立てるとか旧態然とした広告宣伝方法ばかりを続けてアピールができていない結果
  • 競合他社との競争激化や新規参入などの市場変化に対応して、競争力をつけるとか、あるいはもっと別のニーズを掴んで新たな市場開拓をするという努力を怠った結果

こういう結果を上記のような理由としているからです。ほとんどすべての売れる要因・売れない要因は自社努力とその継続で克服できる、つまり「本当の理由は内にある」ということを、多くの経営者様はきちんと認識していないことが多いようです。

 2.一見関係ないと思うような事にこそ

商品やサービスが「売れる、売れない」という話をするときに多くの方は「マーケティング」のことだと捉え、マーケティングの専門家がよく唱えている「4P(あるいは4C)」ということを一生懸命考える傾向にあります。マーケティングの4Pというのは「製品(Product)」「価格(Price)」「流通(Place)」「広告宣伝(Promotion)」の頭文字を取ったもので、

  • Product:商品の品質・デザイン・パッケージ・ブランドイメージ・保証内容など
  • Price:価格・販売時の値引き・リベートなど
  • Place:販路や商圏・店舗の立地・営業時間・決済方法・注文方法など
  • Promotion:販売促進のための手段・広告宣伝の手法など

のことを言います。多くの経営者様たちがご自身の会社の商品やサービスをより売っていこうと考える場合に、こういう用語や考え方を知っているかどうかはともかく、上記のような内容についてあれやこれやと考えることが圧倒的に多いようです。

もちろん、これらは商品・サービスをより多く・より高く(あるいは適正な価格で)販売するための条件や手法などの重要な要因ではあります。
けれども、こういった「売れる・売れない」はこういったマーケティング理論やその応用だけではない部分が非常に多く、むしろ一見関係のないようなことが要因となっていることが多いのです。・・・これがなかなか信じようとしてもらえない要素の2つ目。

多くのヒアリング経験や支援経験の中で弊社が実感したこと、それは「売れる・売れない」に大きな要因をもたらしているのは、実は上記のような要因以上に

  • どうして現在の商売(事業)を営まれているのか?という経営者様の動機や想い
  • どんな商売で、社会のどのような役に立ちたいと考えているのか?というビジョンや理念
  • 売れたいというけれど、「どのようにして売れたい」のか、そのプロセスや手法に対する志向・価値観
  • 具体的にどのくらい売れれば良いのか、いつまでにどのくらい売りたいのか?という戦略や計画

これらの要素が非常に重要だということです。

170717marketing一見そういうことを考えるのは「売れる・売れない」とは関係ないことのように思われる方も多いのが事実です。けれども、これって本当に重要なんです。

商品・サービスに付随する直接的なマーケティング要素だけでなく、そもそもの会社やお店の方針、計画や考え方を作ったり決めたり、あるいは確かめたりする過程で、殆どの経営者様が「一歩引いた視点(つまり俯瞰した状態)」で自社の商品やサービスを見渡す習慣がつくようになります。

このことで、目先の「売れた売れない」「客が増えた増えない」という話ではなく、「どうしたら会社として儲かる状態になるのか」を考えられるようになるんです。

で、こういうことが考えら得るようになる過程で、実際にはさらに色々な成果を獲得することができます。→これは個別具体的な個々のご商売でそれぞれ違うので一概には言えませんが・・・

ご自分のご商売をもっと繁盛させたい、けど何をどうしたらよいか分からないという経営者様、もしじっくり考えて取り組んで見るお気持ちがあれば、この機会に「売れる売れない」ではなく「どういう会社にしたいのか」について整理して考え直してみるという取り組みをしてみませんか?