経済産業省が2016年4月にリリースした企業診断ツール「ローカルベンチマーク」についての概要解説。

ローカルベンチマークとは?

経済産業省が2016年4月に発表した「企業の経営状態を診断する」ためのツールです。企業の「事業成評価」つまり「この会社の事業は有益で将来性のあるものか?」を正しく評価し、事業主・企業支援者(商工団体などの支援機関など)・金融機関など企業の経営に関わる方たちが共通の認識で対話を行うために作成されたそうです。通称「ロカベン」。

ここらへんのそもそもロカベンとは?という話の詳細は公式サイトで→経済産業省ローカルベンチマーク

ツールそのものの実態は「Excelシート」

img01 170214localbenchmarkで、このローカルベンチマークというツール、一体どんなものか?という話。ツールと言うからには何らか「コレを使って診断します」といような道具的なものだとご想像できるかと思いますが、その実態は「Excelで作成された1つのブック」です。

このブックの各シートに診断させて頂く企業様の財務数値やヒアリング内容を記入していくことで、正確な企業診断が出来て分かりやすい診断表が出来上がる、というものです。

元々は金融機関のためのものだったらしい

このローカルベンチマーク、元々は金融機関の方たちに大いに使っていただくことを想定していたもののようです。金融機関は企業に資金を融資する際に、きちんと企業の事業を評価し第三者の意見も取り入れて決定するようにとお達しが出ているようなのですが、この「第三者の意見をきちんと取り入れる」ための統一的な指標やフォーマットがありませんでした。そこで、経済産業省が「それならコレを使うように」ということで出してきたのがこのローカルベンチマークのようです。

金融機関では活用しきれていない

ところが、このローカルベンチマークというツール、昨年4月に出されて経済産業省から「企業の診断を第三者目線で公平に行う際にぜひ使うように」と言われているのにもかかわらず、これまでの1年間、実際には金融機関ではほとんど使われて来ていませんでした。(事実、私が問い合わせた3つほどの金融機関のお話でも「ロカベン、知ってはいて使わなきゃと分かってはいるんですが、実際にはねえ・・・う~~~ん・・・」という反応でした。)

ある意味当然といえば当然。金融機関は本来、企業の事業を客観的に評価し、将来性を見抜いて支援するのが役目のはずですが、ここウン十年というもの、「事業そのもの価値や将来性」を評価することはほとんどなく「決算書などの財務諸表(=過去の成績表)から数字をはじき出してポイント制にして融資を決める」という作業しかしてきませんでした(テレビドラマ「半沢直樹」で描かれた冷たい銀行の姿そのものです)。

つまり今の今、金融機関のありのままの現状というのは「企業の成績表(決算書)から過去の数字の評価をする」事はできても「事業の本来の価値や将来性」をきちんと評価するためのノウハウや具体的なテクニックを持っていないのです。

ロカベンは使っても意味ないの?

肝心の金融機関がローカルベンチマークを使えないというのなら、ロカベンを自分の会社に使って事業評価をしてもらっても意味ないの?・・と言いたくなりそうですが、実はまったくそうでもありません。

中小企業への補助金・助成金などを申請・取得するのに強力な武器となると言われていて有名な「経営革新」という認証があります(詳しくはこちら→経営革新)。

この「経営革新」、事業に将来性があると国がお墨付きを与えるようなものということで、金融機関は顧客企業の融資を通したいときに一生懸命経営革新を取るように薦めます。以前までこの経営革新を認定する認定期間は、申請が上がってきたのをほぼスルーで通しちゃっているような状態だったとのことです(→ある商工団体の方から聞いた話)。ところが、昨年ローカルベンチマークが発表されて以来、国からは「経営革新を認定する際の評価指標にローカルベンチマークを活用せよ」と言われているようです。

つまりこういうこと。

  • 銀行の融資を受けたり補助金を取得したい
  • そのためには銀行や支援機関から良い評価を貰う必要がある
  • そのための一つの手段として経営革新なんていうのもある
  • これら「周囲からの良い評価」を貰うためには、今やローカルベンチマークでの評価は必要不可欠

「ウチの会社で今取り組んでいるこの経営計画、絶対に良いものだと思うんだよなあ~。前年度や前々年度の決算だけ見られちゃうと成績よくないけど、この事業計画でやれば絶対に上向くと思うんだよ!」

そう思いながらも、どうやって評価してもらえばよいか分からないというのであれば、ぜひローカルベンチマークでの企業診断を受けていただいて、客観的に評価してもらうのが良いと思います。

将来像を評価するノウハウならITコーディネータこそ!

ところで、金融機関ではまだ「企業の将来性をきちんと評価する」ためのノウハウやテクニックを確立できていないと言いましたが、じゃあ、誰ならそれをしてもらえるんでしょう?それこそがズバリ!私も含めたITコーディネータという資格を持っている企業支援の専門家です。

ローカルベンチマークシートは、「財務指標」と「非財務指標」という大きく2つの分野で評価します。

財務指標は数値さえ分かればはじき出せる

財務指標とは、そのものズバリ「決算書などの数値から必要な情報を取り出して計算する」もので、これは計算の仕方とちょっとした財務会計の基礎知識があればはじき出せるものです。金融機関の方ならここは誰でも出来るハズのもの。

非財務指標は企業を見抜くノウハウと能力が必要

非財務指標とは、決算書などの数値データからは単純に見出すことの出来ない部分の評価です。こちらは決算書をどんなに舐め回しすように読んでも分析しても評価することの出来ない部分ですが、「経営者の思いやビジョン、販売力や技術力の強み弱み、ITやイノベーションへの取り組み」など、まさに企業の今後を見極めるための非常に重要な要素です。

この部分、単純に企業の経営者様の話をウンウンと聞いてメモしてそれをまとめれば評価できるというものではありません。
非財務指標は、経営に熟知していて、なおかつ的確なヒアリングと情報整理のノウハウを持っている専門家が評価をしていくという、非常に重要なポイントとなります。

金融機関の方たちがロカベンを使いこなせずに戸惑っている点はまさにここにあります。ところが・・・

ITコーディネータは「非財務での評価」ノウハウを全員研修で徹底的に仕込まれている!

ITコーディネータは、資格取得する際の研修や試験、あるいは資格取得後の様々な研修の場や情報交換の場で、まさにこの「非財務指標」での評価ノウハウというものを徹底的に習得しているのです、しかも全員!

つまり、ITコーディネータがローカルベンチマークの非財務指標の資料を見ると「ああアレね、じゃあITコーディネータの共通ノウハウ使って、じっくり企業診断をさせていただきましょう」ということになって的確な評価が出来る、というわけです。

私も含めたITコーディネータという資格者・専門家は、現状の分析や過去の財務指標ももちろん見ますが、何よりも「事業の将来性」や「今後の成長の可能性」を常に意識しながら企業の支援に携わっています。ローカルベンチマークでの企業診断をご相談されるのなら、まずお近くのITコーディネータさんを探して依頼してみてはいかがでしょうか?

ITコーディネータに相談・依頼するには?

ITコーディネータ協会という全国のITコーディネータを統括し運営している団体が東京にあります→ITコーディネータ協会Webサイト

ITコーディネータ協会へお問い合わせいただき「ローカルベンチマークの診断やその相談をしたい」と言っていただければ、ご要望にお答えできるITコーディネータをご紹介していただくことが出来ます。

ミラサポ専門家派遣で無料診断も

ITコーディネータ協会での紹介は、残念ながら現在のところ「紹介・斡旋」までにとどまっていますので、その先は個別にITコーディネータの方と診断費用などのご相談をして頂く必要があります。

ただ、中小企業庁がやっている「ミラサポ」とい企業支援の専門家派遣制度を利用すれば、1年度の間に3回、無料でこのロカベン診断を受けることが出来ます。(ミラサポをご存じない方はこちら→ミラサポ公式サイト
ミラサポは中小・小規模事業経営者(個人事業主でもOK)なら誰でも登録して、専門家派遣をお願いすることが出来ます。

もちろん、私(岸本)もこの専門家として登録しておりますので、ローカルベンチマークの診断を受けたいという場合には、ミラサポから探していただいてご依頼いただければ無料でお伺いすることが出来ます。

事業を整えたい、ステップアップしたいと思ったらぜひロカベンを

これまでの解説でお分かりいただけたでしょうか?ローカルベンチマークはあなたの事業の「将来」をきちんと評価して支援するための第一歩となる評価指標です。

ちなみに、私ども岸本ビジネスサポートでは2016年8月~12月の間に12例ほどロカベンでの事業性評価を行いました。評価の結果を経営者様へ提出させていただいたところ、多くの方が「分かっているつもりだったけど、色々な要素を整理整頓して評価してもらえると、改めて自社の課題や今後の取組について考える非常に良い機会になる」と高い評価をしていただいています。

現在、事業を営んで一生懸命成長しよう、ステップアップしようとお考えの経営者の皆さま。会社を、事業を発展させたい、将来へ向かって会社のいろいろな部分をきちんと整えたい、ステップアップしたいとお考えになったら、ぜひローカルベンチマークでの診断を受けられることをおすすめします。