仕入販売管理システム導入の事例紹介

古いオフコンから汎用市販ソフトへ

今回ご支援させていただいたのは、従業員数約20人ほどの小さな会社。生産農家さんから原材料を仕入れて加工し、商品にして販売するという会社さん。

この会社が所属する業界団体から20年以上前に薦められて(というか半ば強制的に^^;)、オフコンの仕入販売システムを導入したんだそうです。2014年消費税率が5%→8%へ上がった際にシステムを一新しようかと検討されたそうですが、そのときにはまだオフコンとシステムのリース期間が2年ほど残っていたこと、システム一新するにしてもどうすれば良いのかわからなかったことなどが理由で見送っていました。(ちなみに2014年からここまでの1年半ほど、伝票を打つたびに消費税率を5%→8%へ手作業で変更しながら打っていたそうです)

きっかけは専門家派遣での相談

この会社の社長さんが私どものところへご相談をされるきっかけになったのは「ミラサポ」という専門家派遣制度でした。この会社のメインバンクとなっている信用金庫の担当の方が、ミラサポ専門家派遣で「小さな会社のシステムリニューアル支援をしてもらえる専門家」を検索して探していたところ、私(岸本)が検索でヒットしてきたのだそうです。

最初はその信用金庫の担当の方からの電話でした。「生産管理や販売管理システムの支援やアドバイスはしていただけますか?」・・・最初はそれだけだったのですが、内容がよくわからないので具体的な話をうかがっているうちに、「これは大きなシステム会社やソフトウェアハウスが携わってしまうと、分不相応に大げさで高額なシステムの導入提案になってしまう恐れがある」と思い、「ぜひ承らせてください」というお話になり、支援がスタートしました。

専門家派遣では「リニューアルに関する方針と導入システムの判定」

実際の専門家派遣は合計3回訪問させていただいたのですが、この専門家派遣では以下のことを支援させていただきました。

  • 現状のオフコンシステムから別のシステムへ移行するのに必要な条件・制約は何か?
  • 移行するシステムはどんなものが良いか?(具体的なソフトウェアパッケージやシステムの選定も含む)
  • 導入する(移行する)新システムで、本当に業務がこなせるか?
  • 新システムを導入するのにあたり、業務や作業をどのように最適化すればよいか?

現状の業務やシステムの実態を詳細にヒアリングさせて頂き、導入後の目標や現状での課題を総合的に検討し、「このシステムをこのスケジュールで導入するのが最適です」という結論を出し、報告書(兼提案書)を提出させていただいたところで専門家派遣は終了となりました。

システム導入=ITシステムのインストール・設定だけじゃない

専門家派遣終了後、継続的にシステムの導入から安定稼働に至るまで支援させて頂くことになりました。この企業様の(と同時にこの社長様の)優れた一面がこの「継続支援をすぐご依頼いただけた」という点。どういうことかというと

  • 古いITシステムを新しいシステムへ切り替える際には、ITについての専門知識を持った専門家の支援が必要
  • ただしシステムリニューアルの際にはITシステムが入れ替わるだけでなく、それに関わるさまざまな業務や作業に影響が出る
  • 20年近く慣れ親しんだシステムからの移行の場合はなおさらで、切り替え直後はかなり混乱する恐れがある

ということを、あらかじめよくご理解いただいていたという点。

システムをインストール・設定してデータを古いシステムから移行できればはいOKというわけには行かないのなら、ここまでの検討経緯をよく理解している専門家(=私ども)へその後の導入支援も依頼するのが最も効率的だということを、私どもの提案を聞く前から決めていたのだそうです(この部分は本当に脱帽しました)。

導入・試験運用

それらご依頼の経緯や、日程調整を経て実際の販売管理システムの導入をスタートしました。導入したシステムというのは市販でも普通に販売されているいわゆる「汎用販売管理ソフト」のひとつです。インストールと設定作業は、少しパソコンに詳しい方なら誰でもできる作業です。

ただ、非常にハードルが高いのが「導入~実運用に至るまでスムーズに進められるか」という点。これまでとは別システムを稼働するわけですから、当然全く異なる操作を覚えて頂くことになります。例えば以下のようなことが問題になってきます。

  • これまでのシステムで4桁の数字で入れていた商品コードを、新システムでは同じように入力できるのか?
  • これまでのシステムで出していた納品伝票や請求書と同じものを新システムで出せるか?(全く同じでないにしても、似たようなデザイン・レイアウトにできるのか?)
  • これまでやっていたデータバックアップとか、月末締め作業とか、それらの手順の違いをすぐに理解できるか?

当然いきなり切り替えて本稼働には出来ないので、3ヶ月ほどテストランを行うことになり、その間何度か足を運んで操作の疑問点、運用上の困りごとなど、事前には予測しきれなかったさまざまな課題をその都度クリアしていくことになりました。

実稼働とその後の成果

3ヶ月の試験運用を経て、無事実稼働をはじめて、ようやく古いシステムの利用を止めて新システムがこの企業様の本当の仕入販売システムとして使われるようになって、私どもの支援は取り敢えず一段落しました。

ココまでの支援で、この企業様にどのような成果が出たかというと・・・

大幅なコスト削減

もし古いオフコンシステムのままでリースを延長していたら、5年間で450万円ほどかかる見込みだったそうです。それが汎用ソフトウェアへ切り替え費用50万円ほどで済んだので、これは大幅なコスト削減といえます。目に見える部分としてはこれが最も大きな成果でした。

事務(特に経理)業務の見直し

汎用市販ソフトを導入するのにあたり、事務作業の手順や仕組みも大幅に見直して頂くことになりました。これは一見面倒なハードルに思えますが、実際やってみていただくと、これまで何となくやっていた作業の中に色々なムダ・ムリ・ムラがあった事に気づいて頂く良い機会になったようです。

今後

このシステムのリニューアルを通じて、社長様には多くのことを気づいていただくことが出来ました。「ITシステムを新しくするのはかえってコスト削減につながる」「システム導入で、従来の作業のムダや非効率に気づくことができる」そして、何よりも今後に繋がったのは「こういう風にITシステムを見直すことで会社の業務が大きくステップアップできる。それなら、他の部分のITも見直すことで何かいろんなモノが見えてくるのでは?」という考えを持っていただけたことです。

具体的には、今後この会社様のWebサイトを「ネット注文を受けられるようなサイトに切り替える」とか、「事務所と工場での情報共有をもっとIT活用で効率化する」などの取り組みを予定しています。


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