手書きの書類は「入力」するな

パソコン・ITを活用して商売繁盛・仕事効率化を目指す際に、弊社でぜひ提案したいノウハウのひとつがこれです。「手書きの書類は入力すべからず」・・・冒頭からイキナリIT活用の真逆のようなお話ですが・・・実際そうなんです。

なんでもかんでもデータ入力、は仕事を非効率にする

お店や会社を経営している方から、IT活用のことなどでご相談を受けた際によく聞くお話がコレ。

「アンケートの回答や、お客様とやり取りしたメモを、ワープロや表計算で入力して、あとで活用出来ればもっともっとITが活用出来ると思うんだけど、どうしたら良いかな?」

アンケートで商品のイメージを「良い」と言ってくれたお客様は何パーセントくらいか?
お客様とのやり取りのなかで、お客様が頻繁に口にしたキーワードはなんだったか?
と・・・色んなデータを効率良く集計して、商品開発や顧客対応に役立てたい、というそのお気持ちは分かるのですが・・・これをそのまま鵜呑みにしてパソコンで集計しようとかパソコンに文書化して入れておこうと考えたりすると、会社の業種や規模によっては、かえって仕事を非常に非効率にすることもあるのです。

「転記」は何も生まない

手書きでメモを取った紙を見て、後からそれをWordやExcelに入力するのは、イコール「転記」です。

転記で得られるメリットは・・・?

  • 手書きの文字を、テキストデータに変換出来る
  • あとから検索・置換などの処理が出来る
  • 印刷の時にキレイ
    などなど・・・

では反対に転記することによるデメリットは・・・?

  • 入力ミスなどによる、記録の誤りが生じる危険がある
  • 入力に時間と労力がかかる
  • 膨大なデータの保存・管理が大変になる
  • 「筆跡」「書き取った位置・タイミング」など、「文字情報」以外の情報が消滅してしまう
    などなど・・・

で、ここからは私自身の経験や、過去のお客様への支援の経験などから言えることなのですが・・・

大抵の中小企業の場合、「テキスト入力したデータを後から検索したり編集し直したりすることは、まずない」と言うのが特徴です。要するに手書きの書類を転記しても、あとでやるのは「引っ張り出して読み返す」程度がほとんど。つまり、検索・置換などのメリットは無いに等しいのです。

データ入力はその後の活用目的を明確にしてから

例えば、売上の数字や、統計を取った計算結果など、後から足したり引いたり計算処理する目的があるのなら、データ入力する必要は大いにあります。

けれども、「何に使うか分からないけど、とりあえずメモしたモノだから、データでとっておこう」と言う程度の目的なら、データ入力は時間がかかる分だけかえって効率を悪くし、時間を浪費してしまいます。

では手書きのメモや書類はどうすれば・・・?

スキャンしてPDFなどのデータにしておくのをおすすめします。

スキャンして取り込むのであれば、データ化するデメリットを軽減できて、しかもメリットを活かすことが出来ます。

  • データ入力の時間を大幅に省ける
  • 「転記」しなくて良いので情報の誤りがほとんどない
  • 筆跡・メモの様子などから、文字情報以外の情報を読み取れる可能性

手書きで残したメモと言うのは、たいていお客様とのやりとりの様子だったり、打合せの様子だったりを如実に表しています。あとから、こういった「手書き」の情報を「見る」ことによって、単なるワープロ打ちの情報よりも多くの情報を得ることもできます。

データ化後の保存・管理方法を確立することが必須

ただし、手書きのメモをデータ化して保存しておくには、やはり「データ化後の保存・管理方法」をきちんと決めておくことが必須となります。ファイル名のつけ方が曖昧だったり、時と場合によって違っていたりしては、あとから「探す」のに非常に手間がかかります。この点を上手くバランス取って、運用していくようにしましょう。

備考

手書きメモをデータ入力するな、というのは、それが文字情報だったり文章だった場合の話です。後で集計すべき数字などのデータは、必ずしも「入力しない方が良い」とは言えませんので、ね。そのあたりは皆さんご自身でその都度ご判断してみて下さい。